ケーズデンキのCMで、大々的に取り上げられているのが「顧客満足度調査No.1」という謳い文句。これをPR材料として好感度をアップさせようという狙いが見え隠れする。
この「顧客満足度調査」とは一体何なのか?どこが誰に対して調査を行い、そのサンプル数はどれほどのものなのか疑問を抱いたので調べてみた。
この調査は「サービス産業生産性協議会」という団体が毎年、2ヶ月に一回の割合で各産業別に6回ほどインターネットを用いてアンケート形式によるデータ収集を実施し、その結果によって順位を決め、独自の方式で発表しているらしい。
そのサイトはコチラです。→ http://consul.jpc-net.jp/jcsi/
2015年の調査は以下のとおり。
回数 調査期間 対象業種
第1回 2015年4月 コンビニ、シティ&ビジネスホテル、飲食、カフェ、事務機器
第2回 2015年6月 自動車販売店、通信販売、銀行、証券
第3回 2015年8月 エンタテイメント、携帯電話、宅配便、生活関連サービス、ネット
第4回 2015年9月 スーパー、衣料品店、SS、旅行、国際航空、交通、教育サービス
第5回2015年10月 家電量販店、生活用品店、ホームセンター、各種保険、カード
第6回2015年12月 百貨店、ドラッグストア、近郊鉄道、フィットネスクラブ、住設機器
有効回答数 約20,000人 質問数 約110項目
ランキング項目
①顧客期待 ②知覚品質 ③知覚価値 ④顧客満足 ⑤推奨意向 ⑥ロイヤルティ
<2015年顧客満足度調査の結果>
第1回(2015年6月発表)
コンビニ部門(9社)
1位 セブンイレブン 2位 セイコーマート 3位 ミニストップ 4位 ファミマ・ローソン
シティホテル部門(9社)
1位 帝国ホテル 2位 日航ホテル・リーガロイヤル 4位 オークラ 5位 ANA
ビジネスホテル部門(10社)
1位 リッチモンド 2位 スーパーホテル 3位 ダイワロイネット 4位 ドーミーイン
5位 コンフォート
レストラン部門(13社)
1位 スシロー 2位 びっくりドンキー 3位 木曽路 4位 サイゼリヤ 5位 くら寿司
ファーストフード店部門(11社)
1位 モスバーガー 2位 リンガーハット 3位 丸亀製麺 4位 幸楽苑 5位 CoCo壱
番屋
カフェ部門(7社)
1位 ドトール 2位 ベローチェ 3位 スターバックス 4位 コメダ珈琲
事務機器部門(5社)
1位 富士ゼロックス 2位 キャノン 3位 リコー
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第2回(2015年7月発表)
自動車販売店部門(14社)
1位 カローラ店 2位 VW店 3位 日産 4位 マツダ 5位 トヨタ店
トヨタは細かく分類しすぎ。値引きを頑張るトヨペット店やサービスが良いネッツが入っていない。誰がどういう基準で選んでいるのか?
総合・モール型通信販売部門(28社)
1位 ヨドバシ.com 2位 通販生活 3位 Joshin web 4位 Amazon.co.jp
5位 ZOZOTOWN
セシールや日本直販、ジャパネットが入っていないのは意外だ。
自社ブランド型通販部門
1位 オルビス 2位 FANCL online 3位 DHC 4位 ドクターシーラボ・ユニクロオンライン
銀行部門(16社)
1位 住信SBIネット銀行 2位 新生銀行 3位 ジャパンネット銀行
4位 じぶん銀行・ソニー銀行
メガバンクが少ないのはどういう理由なのか?毎日大勢押しかける顧客を裁くのが精一杯で、真心からのおもてなしやサービスが欠如しているという評価なのか?
証券部門(11社)
1位 SBI証券 2位 松井証券 3位 GMOクリック 4位 楽天証券 5位 マネックス
ノンバンク(ローン・キャッシング)部門(6社)
1位 楽天カード 2位 JCBカード 3位 オリコカード
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第3回(2015年9月発表)
エンタテイメント部門(6社)
1位 劇団四季 2位 宝塚歌劇団 3位 東京ディズニーリゾート
ほかにも「よしもと」や「USJ」などがランキングしていても良さそうだが・・・。
携帯電話部門(8社)
1位 au 2位 ドコモ 3位 Y ! mobile(PHS) 4位 Y ! mobile(スマホ)
この1位は目と耳を疑う。郡山市内の家電量販店にいるauの店員はすべて最悪。店員同士のおしゃべりは酷いし、客を上から目線で敬語も使えない。特にケーズにいるauの店員は最悪。ヤマダも酷い。家電量販店にいるソフトバンクの店員はやる気が無い。
宅配便部門(5社)
1位 ヤマト運輸 2位 日本郵便 3位 福山通運
日通やイケメン揃いの佐川急便、赤帽は入っていない。
生活関連サービス部門(5社)
1位 QBハウス 2位 プラージュ 3位 ミュゼプラチナム
福島県には無い企業なので何を展開しているのか不明。たぶん理美容サービス。
インターネットサービス部門(12社)
1位 クックパッド 2位 Skype 3位 Google 4位 YouTube 5位 LINE
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第4回(2015年11月発表)
スーパーマーケット部門(28社)
1位 オーケー 2位 ベイシア 3位 ヤオコー 4位 万代 5位 トライアル
トライアルの評価は低価格だけ。アルバイトやパート店員が多いため、客がそばを通っても挨拶ひとつしない。どこが顧客満足なのか・・・。安けりゃ満足できるのか?
カジュアル衣料品店部門
1位 earth music & ecology 2位 ハニーズ 3位 GAP 4位 H&M
ユニクロ、G.Uが入っていない・・・。巨額の広告宣伝料を払う意味があるのか?
ビジネスフォーマル部門(11社)
1位 はるやま 2位 AOKI
洋服の青山はランク外
サービスステーション部門(8社)
1位 KYGNUS 2位 IDEMITSU・ESSO 4位 Shell
外国資本ばかり。ENEOSやコスモ石油はランク外
旅行業部門(13社)
1位 JTB・JALパック 3位 ANAセールス 4位 じゃらんnet 5位 近畿日本ツーリスト
格安ツアーが売り物の「H.I.S」はランク外。百貨店部門で高評価の同じ「阪急グループ」の阪急交通公社はランク外。トップツアー(旧東急観光)や日本旅行、読売旅行もランク外。
国際航空部門(8社)
1位 JAL 2位 シンガポール航空 3位 ANA 4位 タイ国際航空
国内長距離交通部門(14社)
1位 スターフライヤー 2位 ANA 3位 スカイマーク 4位 ソラシドエア
格安航空会社がランクインしているのは、サービスより低価格がそのまま顧客満足度に反映されているということか・・・。
新幹線部門
1位 九州新幹線 2位 東海道新幹線 3位 東北新幹線
北陸新幹線、上越新幹線、山陽新幹線はランク外。北海道新幹線はこの調査の後に開業したので、対象外。
教育サービス部門(7社)
1位 学研教室 2位 公文式 3位 Z会
ベネッセはランク外
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第5回(2015年12月発表)
家電量販店部門(9社)
1位 ヨドバシカメラ 2位 ケーズデンキ 3位 ビックカメラ 4位 ジョーシン
5位 エディオン
ヤマダ電機が入るわけは無いと思っていたが案の定。この会社は客をほったらかしで、店員同士がおしゃべりばかり。また、派手な付けまつげをして化粧も化け物状態で客の前に出る女店員がわんさかいる。社員教育がまるでダメ。ケーズは現金値引き商法が客ウケいいだけに過ぎない。郡山に2店舗あるが、店員の接客態度が良いとは到底思えない。
生活用品・ホームセンター部門(12社)
1位 セリア 2位 東急ハンズ 3位 無印良品 4位 カインズ 5位 ホーマック
各種専門店部門(8社)
1位 IKEA 2位 ニトリ 3位 オートバックス 4位 イエローハット
生活家具販売や自動車用品販売だらけ。東京インテリアはランク外・・・。
生命保険部門(13社)
1位 コープ共済 2位 都道府県共済 3位 全労済 4位 ソニー生命 5位 アフラック
日本生命や第一生命、明治安田、住友生命などのメガ生保系は、顧客数が多すぎて、サービスが行き届かず、月々の保険料も高いせいか、満足度は低いようだ。かんぽ生命がないのも同じ理由か?
損害保険部門(13社)
1位 ソニー損保 2位 セゾン自動車火災 3位 三井ダイレクト・SBI損保
5位 全労済
あいおい、東京日動海上火災保険、損保ジャパンはランク外。ネット型が人気。BSで大々的にCMしているアクサダイレクトも満足度は低いらしい。また、宣伝ではNo.1などと謳っているが、チューリッヒもランク外。
クレジットカード部門(12社)
1位 楽天カード 2位 Viewカード 3位 JALカード 4位 アメリカンエキスプレス・三井住友カード
ミリオン、住友VISA、JCB、Master、ニコス、ジャックス、トヨタファイナンス、オリコなど取り扱い高が大きい会社は軒並みランキング外だ。
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第6回(2016年2月発表)
百貨店部門(ノミネート13社)
1位 阪急百貨店 2位 伊勢丹 3位 阪神百貨店 4位 大丸 5位 高島屋 6位 三越
どういうわけか上位は関西に本社を置く百貨店が多い。さすがは商の本場、大阪だ。
ドラッグストア部門(ノミネート10社)
1位 コスモス薬品 2位 CREATE 3位 サンドラッグ 4位 カワチ薬品 5位 SEIMS
残念ながら福島県にも展開している「ツルハ」や「マツモトキヨシ」がランキング外だ。
近郊鉄道部門(ノミネート23社)
1位 阪急電鉄 2位 京阪電鉄 3位 東急電鉄 4位 東京メトロ 5位 京浜急行
西武、東武、京王電鉄、阪神電鉄、名鉄、南海電鉄は入っていない。
フィットネスクラブ部門(ノミネート7社)
1位 カーブス 2位 セントラルスポーツ 3位 ティップネス 4位 ルネサンス
住設機器サービス部門(8社)
1位 ケーズデンキ 2位 Panasonic 3位 東邦ガス 4位 エディオン
種明かし。ケーズデンキが家電量販でのサービスや店員の接客態度が良くて1位になったわけではなく、リフォーム工事部門で1位に輝いたにすぎない。それを誇張して自らの手柄として宣伝するのが家電業界だ。資料は深読みしないとならない。
さて、これまで得体の知れないものだった「顧客満足度調査」についての記事はいかがでしたか?どこで誰がこのような調査を行い、勝手に順位付けしていたのか理解していただけたと思う。
企業は、こうした消費者の率直な意識調査を踏まえ、より良いサービス向上に向けた改善策を講じて欲しい。客を嫌な気分にさせる店は最悪で、二度と足を向けなくなる。それには店員の接客態度の向上が第一で、どこかの携帯会社の店員や家電量販店のように客を見下すような接客を反面教師とし、客が快適に買い物を出来る環境を整備して欲しいと思う。売ってそれで終わりではなく、客の顔を覚え、コミュニケーションを図り、客と良い意味で仲良くしたほうが得策だ。それがリピーターを増やす手立てになる。ぜひ社員教育を徹底して貰いたいものだ。
記事作成:5月6日(金)