「モノ申すシリーズ」も、随分久し振りの掲載となる。社会への疑問を投げかける意味で記すようになったが。第4弾となる。
毎年歳末に発表される「新語・流行語大賞」に対して、不満があって、どうしても今回、ひと言言いたいことがあった。端的に言うと、それは審査基準が偏っていて、一部の世代にだけ認知され、実際にほとんど知られていないものが選ばれており、そのへんの基準が不透明な点だ。しかも上半期よりも下半期に登場した流行語が大多数を占めてる点も疑問だ。では、今回の50の流行語ノミネート作品を列挙し、その中で、受賞した流行語を見てみたい。
爆買い / インバウンド / 刀剣女子 / ラブライバー / アゴクイ / ドラゲナイ / プロ彼女 / ラッスンゴレライ / あったかいんだからぁ / はい、論破! / 安心して下さい、穿いてますよ。 / 福山ロス (ましゃロス) / まいにち、修造! / 火花 / 結果にコミットする / 五郎丸ポーズ / トリプルスリー / 1億総活躍社会 / エンブレム / 上級国民 / 白紙撤回 / I AM KENJI / I am not ABE / 粛々と / 切れ目のない対応 / 存立危機事態 / 駆けつけ警護 / 国民の理解が深まっていない / レッテル貼り / テロに屈しない / 早く質問しろよ / アベ政治を許さない / 戦争法案 / 自民党、感じ悪いよね / シールズ (SEALDs) / とりま、廃案 / 大阪都構想 / マイナンバー / 下流老人 / チャレンジ / オワハラ / スーパームーン / 北陸新幹線 / ドローン / ミニマリスト / ルーティン / モラハラ / フレネミー / サードウェーブコーヒー / おにぎらず
この賞は1984年に開始された。「現代用語の基礎知識」アンケートに結果から、新語・流行語大賞選考委員会が「トップテン」と「年間大賞」を決定している。今年の選考委員は姜尚中、俵万智、鳥越俊太郎、室井滋、箭内道彦、清水均の各氏。
「流行語大賞2015」の受賞作品
年間大賞・・・ 「爆買い」と「トリプルスリー」
トップスリー・・・「アベ政治を許さない」、「安心して下さい、穿いてますよ」
「一億総活躍社会」、「エンブレム」、「五郎丸(ポーズ)」
「SEALDs」、「ドローン」、「まいにち、修造」
公式サイト http://singo.jiyu.co.jp/
「トリプルスリー」などは10月のごく最近に出てきた言葉。「SEALDs」だって、安倍首相の憲法改正の布石となる「安保法案」改正の際に、若者を中心に反対運動を行った決起集団であって、あの瞬間しか注目されていない。「まいにち、修造」だって、いつ流行った?2016年日めくりカレンダーの一日一句用に作られたので、ごく最近の言葉だ。
そして、意図的に安倍首相が生んだと思われる政治言葉も多数ランキング。
結局は今年の流行語と言っても、記憶に残るのは直近のネタで、1~3月頃、流行ったことは12月には流行遅れで、「あれって今年だったっけ?」という話になる。人の記憶など所詮そんなもので、あんなに流行したフレーズも、見向きもしなくなる。人の興味なんてそんなもので、薄情そのものだ。ブームに乗っかって、新しいものを有難がり、自分もそれに飛びついて、取り入れることでいかにも流行の最先端を行っているように見せかけ、本当は錯覚しているだけだが、日本人の標準的な人間を装っているにすぎない。流行を導入している自分が安心し、同族意識や所属感を高めているだけだ。つまり勝ち馬に乗る人間の性質を物語るもの、それが流行語なのだ。
それが証拠に、一時のブームの後は、覚めたように見捨てるし、流行語大賞の各部門賞をゲットした発案者や考案者、その芸人などは、1年後には跡形も無く消えている。「江戸はるみ」、「オッパピー」、「残念!」など、飛ぶ鳥を落とす勢いだったあの芸人たちも、消えた人もいれば下火になった人もいる。
最後に、公平な立場で判断して、実際は何が大賞に相応しいか、列挙したいと思う。
1位 ラッスンゴレライ 6位 エンブレム
2位 火花 7位 マイナンバー
3位 ドローン 8位 北陸新幹線
4位 爆買い 9位 あったかいんだから~
5位 結果にコミットする 10位 ラグビーブーム(五郎丸ひとりで試合はできない)
記事作成:12月3日(木)