昨日に続き、「天空に舞う翼」と題した飛行機に纏わる知られざるドラマをお送りしたいと思う。本日は「JAL(日本航空)」を取り上げる。少し前まで日本では、国際線の就航はJALに限定されていた。外国航路と言えばおのずと「鶴丸」マークの白と赤のジャンボジェット機「747」を思い浮かべるに違いない。テレビドラマ「アテンションプリーズ」や「スチュワーデス物語」であの制服に憧れC.を目指した女性は数知れず。そんな夢の職業だった時代がある。今は、ライバル航空会社の相次ぐ出現と台頭で、その求心力は弱まっているが、まだまだ日航機はその歴史と伝統から空の支配者として君臨している。
本日はそのJALのイメージビデオを振り返り、その長年の功績を垣間見たいと思う。
JAL Original Music Video
英語版 https://www.youtube.com/watch?v=0Sg7cKLF3FU
https://www.youtube.com/watch?v=L6oFqVx0UzU
躍動感あふれるPV。コックピットの無数の計器類。旅立ちへのカウントダウンが始まるとエンジン音が呻りを挙げる。ほどなく滑走路をフルスピードで疾走し、やわら宙に浮き、重力を捨て去る。大きな翼は空気抵抗を消え去り、やがてジェット気流と同調する。地上の雑踏を離れ、白き雲を突き抜け、青く染まった一面の天空の大海原を駆け抜けて行く。
翼をください「JAL版」
このPVを見たら、誰でも空の仕事に憧れることうけあいだ。パイロットを目指し、CAを夢見て猛勉強し、見果てぬ空の物語を、自分の操縦、あるいは搭乗する飛行機雲で大空というキャンバスに自由に絵を描きたいと思う。
Wings of JAL Group - JALグループの翼たち
この作品では、都市部の大空港から地方のローカル空港まで、日本各地の空港で撮影した
Japan Airlines Song 2013 'Dream Skyward'
このPVを見ると、毎日違う乗客と出会い、そしてその生命を預かり、安全に送り届ける使命は半端ではない。責任感、重圧、しかし乗客に不安を与えないよう、常に笑顔を心がけ、おもてなしの気持ちと感謝の心を忘れない。こうした乗務員たちの姿勢が快適な空の旅を演出するのだと確信できる。まさしく遥か空の上で行える夢のある職業だと思う。
さて、2日間に渡ってお送りした「天空に舞う翼」。いかがだったでしょうか。快適な空の旅を約束するのは、飛行機を安全に飛ばすために日夜を問わず、整備や管制や乗組員たちのたゆまぬ努力の上に成り立っている。
職業として見た場合には、超人気で、花形という印象が強いが、毎日過酷な訓練に耐え、何百項目にも渡るマニュアルチェックをしているからこそ、無事に航行を行えるのだ。昭和の時代、大きな墜落事故が続出し、飛行機の安全性に疑問が投げかけられたが、いくら最先端技術で機器が最新式になろうとも、それを操縦するのは生身の人間であることを忘れてはならない。
遥か天空の上で私たちがジェット気流を闊歩し、夢心地でいられる空間。時速1,000キロ近い速度で流れる時間。キャビンアテンダントのにこやかなおもてなしが、快適さに一味加える。離陸と着陸時の緊張感、エンジン音全開のキャビン、コックピットではパイロットやコーパイが万全の態勢で操縦桿を操る。英語でやりとりを行う航空無線の交信。雲が下界を音もなく流れ、静かに日付変更線を超える。雲の切れ目から上る朝日、水平線に沈む真っ赤な夕日。すべてがドラマチック。
そんな特別な場所で私たちはタイムスリップを体現する。わくわく感と期待感は格別。そんな醍醐味を凝縮した空間が旅客機だと思う。
最後に、JALと言えば忘れてはならない、午前零時の定期便、城達也ナレーションの「ジェットストリーム」。その心地よいナレーションをお送りして結びとしたい。
記事作成:11月11日(水)