生涯現役を謳い文句に、スポーツに邁進し、勤しんでいる方がいるが、ことプロのスポーツはそれほど甘くはなく、様々なスポーツの現役の目安は40歳前後だと考えられる。中にはプロ野球の山本昌投手のように、50歳を過ぎて、なお現役を続行している兵もいる。しかし、次第に視力が衰え、体力の限界を悟るようになると「引退」の二文字を強く意識するようになる。自ずと潮時を考えるであろう。巨人で活躍し、世界のホームラン王になった王貞治さんでさえ、シーズン30本放った年に、「もう王貞治としてのバッティングが出来なくなった」と引退を決意し、バットを置いた。しかし、一世を風靡した選手には、それ相応のセレモニーが用意されている。
今回は、各種スポーツにおいて、第一線で活躍し、散り際に「男の花道」を飾った方々を取り上げたいと思う。
1.相撲・引退会見&断髪式
①千代の富士 「体力の限界!気力も無くなり引退することになりました」
引退相撲 https://www.youtube.com/watch?v=mU7Vp2OsH9g
②魁皇断髪式 https://www.youtube.com/watch?v=W53-vEW5kRc
2.ボクシング&プロレス引退式(10カウントゴング)
① 牛若丸 https://www.youtube.com/watch?v=FvVYtzWwhdk
② アントニオ猪木(名台詞でのお別れ)
引退式ではかつてライバルたちが駆けつけ、その勇士を見送った。特にアメリカからモハマド・アリ選手が登場したのは猪木の人徳によるものだった。ジャイアント馬場と共に日本プロレス界の屋台骨を支えた功績はあまりにも大きい。最後はオリジナルテーマソング「猪木ボンバ・イエ」に乗せ、そして「1・2・3ダァー!」の合唱で締め括った。
3.プロ野球引退セレモニー
① 伝説となった名言
昭和49年に引退したミスタープロ野球「長嶋茂雄」の引退セレモニーは今でも語り継がれる。引退のスピーチはレコードになったほどの大反響で、私も購入した。後楽園球場で行われたセレモニーで、スポットライトを一身に浴び、大観衆の目の前で彼が述べたスピーチは、その後伝説となった。「私は今日引退をいたしますが、我が巨人軍は永久に不滅です」。彼が言ったからカッコが付いたと思う。
② 夢の続き
巨人が一番苦しかった時期に、輝かしい4番を担い、苦しみながらも4番の座を守った原辰徳(現巨人監督)。彼の引退式は涙に明け暮れた。そして彼が言った名言は「私の夢にはまだ続きがあります」。「それを約束して私は今日、ユニフォームを脱ぎます」。つまり、自分からは言えないが、いつか監督として巨人に戻ってくることを暗示した内容だった。
③ 監督勇退
ONに飽くなき挑戦を続け、現役引退後も「闘将」として名を馳せた星野仙一。彼が初めて日本一の栄冠を手にした楽天監督時代。そして引退セレモニーは、仙台のファンと一体となった感謝のセレモニーだった。
https://www.youtube.com/watch?v=hpXdwhLJYfQ
④ 大物アーティストが駆けつけ!
清原の引退セレモニーは大物アーティスト・長渕剛が駆けつけ、生歌を観衆の前で熱唱し、労をねぎらった。それは高校時代からK.Kコンビとして名を馳せ、栄光の道を突き進んだ清原和博だった。鳴り物入りでプロ入りした彼だったが、ハイレベルのプロの世界では個人タイトル無冠に終わった。しかし記憶に残る生き様は多くのファンを魅了した。球界の番長として君臨。彼の登場BGMは「とんぼ」だった。孤高の天才も、静かにバットを置いた。
4.サラブレッドの引退式
① ハイセイコー
② オグリキャップ
③ オルフェーブル https://www.youtube.com/watch?v=-Z7QIBQ1EUo
5. Jリーグ
① 松田直樹
16年間、横浜マリノス一筋で戦って来た松田直樹。日本代表にも選ばれたセンターバック。その松田が横浜Fマリノスを追われた時に用意された最後のメッセージ。
② 中山雅史
ゴンの愛称でファンに愛され、Jリーグのゴール記録を樹立したエースストライカー。日本代表にも選ばれ、世界の檜舞台で活躍した。
③ 名波浩 https://www.youtube.com/watch?v=R6QXroa-bnc
6. 第一人者の引き際
① 中野浩一 https://www.youtube.com/watch?v=PJ05cN7n1_U
② 釜本邦茂 https://www.youtube.com/watch?v=31HxDfQsoKU
③ 山下泰裕 https://www.youtube.com/watch?v=nJEnEfQnzXM
さて、男の花道の記事に相応しい、スポーツ界の頂点に君臨した男たちの引き際の美学ともいうべき偉大なる決心の数々を掲載させていただいた。
今ではコーチや監督、親方など指導する立場にいる方々が殆どだが、先人とも呼べるこうした第一人者の活躍があって、今のスポーツは成り立っていることを忘れてはならない。
記事作成:6月26日(金)