Quantcast
Channel: 時遊人SUZUのひとり言
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1757

大それたありえない企画

$
0
0

 先日、折り込み広告を眺めていると、どうみてもありえないユニークな企画があった。その奇想天外さに思わず絶句したり、吹き出してしまう奇妙奇天烈なものまであったので、今日はこの場を利用し、紹介したいと思います。

 1 仏壇の激安超特価処分!

 その仏壇仏具屋にケチをつけるわけではないが、2月~3月は決算期だからなのか、定価100万円以上もするような豪華絢爛の純金箔張りの仏壇一式が、店じまいと称して「超特価処分セール」と銘打って破格値の80%引きの21万円で売り出されていた。しかも「在庫大処分」や「大換金セール」、「早いもの勝ち」の文言まで・・・。これを激安でお値打ち、お買い得ととらえるべきか。見切り特価品の激安仏壇に魂を宿すご先祖様はさぞかし嘆き悲しんでいることだろう。死後もぞんざいに扱われ、格安や投売り価格で仏壇を拵えて貰っても嬉しくはないし、それこそご先祖様の怒りを買い、罰が当たりそうだ。
 また、もちろん無いとは思うが、万が一仏壇に「訳あり商品」があれば、怖くてその訳は聞きたくないと思う。まして仏壇の質流れ品や中古仏壇などあろうはずがないと思うが・・・。いずれにせよ「安物買いの銭失い」にだけはならないことを祈る。

Img_9764_r

Img_9765_r

 もっと凄い「仏壇5万円均一セール」の広告はコチラ

Img_9818_r

Img_9817_r

 しかし、最近は仏門の世界も随分と様変わりしてきている。以前、テレビで特集を組んで放送していたが、バンドを組み、悪びれずに、あろうことか寺の境内で大音響で練習に励む小僧がいたり、檀家からの戒名代やお布施などで大型スクーターや派手な高級外車を購入し、人目を憚らず乗り回したり、超高級腕時計を身につけての読経。私の菩提寺の住職ですら、卒塔婆の表示を専用のインクジェットプリンターで印字している始末だ。昔の地味で質素な生活など微塵も感じられない。
 「免税」に乗じて私腹を肥やすクソ坊主が世に憚っているこの御時世。常軌を逸した行動があまりにも目につく。それでは、まったくもって「神も仏もないものか」だ。こういう坊さんに供養してもらっても成仏できそうもないと思うのは私だけだろうか。まさしく「坊主丸儲け」だし「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」だ。
 こうした振る舞いを見て、親しみが沸く個性的でユニークな僧侶と捉えるか、生臭坊主と捉えるかは人それぞれだが、人生の終焉に立ち会う仏の道に仕える者は、派手さや華美な振る舞いは厳に慎んで貰いたいものだ。

 同じような事例で、私が結婚した当時は相当な円高で、鑑定書付きのダイヤモンドの婚約指輪を買い求めた際、元売り価格80万円のものを差益還元セールで30万円ほどで購入した。しかし、声を大にして購入価格を言うのを躊躇った。よくよく考えれば賢い買い物だったが、家内に申し訳ない気がしたのだ。そもそもお金では買えない愛情や幸福に対し、金に糸目をつけてケチっている気がしてどうも気が引けたからだ。この結婚自体の値打ち下がってしまうような残念感や嫌悪感に見舞われてしまう気持ちになってしまった。

 2 某旅行会社の弾丸ツアー

 5日間、鉄道で日本縦断する旅の企画。以下がツアー内容。

 初 日 最寄り駅~仙台ー新青森駅ー函館駅ー札幌駅(ホテル泊)
 2日目 札幌ー稚内ー宗谷岬ーノシャップ岬ー稚内駅ー札幌駅~車中泊
 3日目 青森駅ー秋田駅ー新潟駅ー富山駅ー加賀温泉駅~山中温泉泊
 4日目 加賀温泉駅ー福井駅ー新大阪駅ー鹿児島中央駅ー指宿駅(指宿温泉泊)
 最終日 西大山駅ー山川駅ー鹿児島中央駅ー新大阪駅ー東京駅~最寄の駅

 何と価格は2名で20万円。行程中の全食事付き。昼は各所での12種類の名物駅弁。

 HPはコチラ http://www.yomiuri-ryokou.co.jp/kokunai/detail.aspx?id=14023654

Img_9760_r

 著作権に配慮し、わざとぼやかして掲載しています。

 何と19種類もの電車を乗り継ぐ、とにかく電車に乗りっぱなしの旅。鉄道好きには堪らないだろうが、旅とはうわべだけで、単なる日本列島を縦に移動する根性ツアー。かなり疲れるし、時間を潰しに電車に乗っている感が強い。もちろんすべて「陸路」だが、最北端の宗谷岬から、わずか2日後には九州最南端の鹿児島にいるという弾丸ツアーだ。しかも最終日は、九州最南端から、鉄道だけの利用でそれぞれの出発地(地元)に戻る。ずっと座りっ放しで、腰痛や便秘を発症しそうで、私は絶対に応募しないが、実はこの企画、大好評で、毎回申し込み多数で定員いっぱいで締め切られるそうだ。移り行く車窓を眺めて過ごすことがメインの「乗り鉄」限定ののような企画。まとまった休みが取れないだろうから、退職夫婦に人気だとか。申し込み条件は、旅行者ふたりの合計年齢が88歳以上の方のみ。ふたりのうちどちらかが70歳以上ならば割引あり。それにしてもお年寄りに、こんなに過酷な旅行を提案して、実際問題として体が持つのかが心配だ。

 また旅行会社は異なるが、類似企画を発見!それは「日本列島縦断5日間!列車でめぐる4つの名湯めぐり」だ。旅程は以下の通り。

 初 日 郡山ー東京駅ー新神戸駅~有馬温泉泊
 2日目 新神戸駅ー鹿児島中央駅ー指宿駅(指宿温泉)
 3日目 指宿駅ー鹿児島中央駅ー新大阪駅ー熱海駅(熱海温泉)
 4日目 熱海駅ー東京駅ー新青森駅ー函館駅(湯の川温泉)
 最終日 函館朝市~函館駅ー新青森駅ー盛岡駅ー郡山駅

 HPはコチラ 
 http://www.tabix.co.jp/images/ec/koriyama/pageview/pageview.html#page_num=1

Img_9755_r

 こちらも参加費用は、夫婦限定でおひとり様10万円ぽっきりで、全12回の食事付き。大部分は新幹線利用で、一部ローカル特急もある。そして中日3日間の昼食は名物駅弁で舌鼓。こちらのほうが、新幹線移動だし、全ホテル泊で、温泉に浸かれる分、疲労度は少ないだろう。しかし、有名観光地まで素通りし、ホテルにいるか電車に乗っているかの旅では旅行情緒も味わえないし、勿体無い気がするが、こちらも退職夫妻には人気ツアーなのだそうだ。
 ほかにも「日本一周クルーズ(5泊6日)の旅」もまた145,000円で企画されていた。5つの大型フェリーを乗り継ぐらしい。船酔いは大丈夫か?しかし、こちらは最寄の港から、有名観光地を巡る観光まで付いている。たとえば阿蘇山、熊本城、太宰府天満宮、神戸市内観光、京都市内観光(金閣寺・二条城・清水寺など)、小樽運河、洞爺湖、室蘭地球岬、松島などだ。5泊6日で日本一周を船旅でやってしまおうという大胆企画だ。

Img_9756_r

 このような退職後の夫婦向けの「人生のご褒美ツアー」がどこかしこで企画されているのが凄いと思うし、嬉しい。「鉄道ブーム」に狙いをつけ、このような大それた企画書を出した旅行会社の社員も凄いが、それを実現した会社の英断にも拍手だ!

 さて、タイトルに掲げた「ありえない企画」は、実際には「あり得た企画」で、現実離れしているスケールの大きなものだった。それに賛同し、購入する人が大勢いるからには、企画の勝利といえるのだろう。「目のつけどころがシャープでしょ」というキャッチコピーが昔あったが、それを地でいくものだ。突拍子も無い企画が思いのほか持て囃されるこの時代。何が奏功するかわからない。奇想天外であってもそれを快く受け入れる人たちがいるからには、それがビジネスチャンスに変わる。企画とは、人目を惹くように、そうした大胆な発想で「唯一無二」を追求するものなのかもしれない。

 記事作成:2月2日(月)~7日(土)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1757

Trending Articles