このタイトルも大変失礼だが、誤解が無いようにしたい。時代を築いたアイドル系のユニット、つまりかつてはグループと呼ばれた方々を取り上げるのが今回の主要テーマ。70年代は、紛れもなくキャンディーズとピンクレディーが時代をリードした。80年代はグループは少なくなったが、中盤以降に登場した多人数グループの草分け「おニャン子クラブ」と後期に彗星のごとく現れた「WINK」がその代表格だった。
90年代初頭から中盤にかけては、小室哲哉が率いる「エーベックス」の実力派シンガーや「Trf」や「MAX」「Zoo」のようなダンスユニット、更には本格的なバンドブームが沸き起こり、音楽界を席巻したため、アイドルは不毛に追いやられたのは周知のところだろう。
その後、90年代後半に登場したのは、ご存知「つんく♂」率いる「モーニング娘。」で、今世紀に入ると、華々しい活躍を見せているのが秋元康プロデュースの「AKB48」とその姉妹ユニットたち(SDN、MNB、HKT、SKE、JKTなど)。加えて美少女揃いの「乃木坂46」。「Perfume」や「桃色クローバーZ」もA級。ついでに託ければ、外国勢では「少女時代」、「KARA」、それに「ティアラ」がその代表だ。
それで、今回取り上げるのは、80年代に、一時期華々しく活躍し、ヒット曲も持ってはいるが、国民が認知しているような「スーパーアイドルユニット」まではいかなかったグループや短命で終わってしまったユニットをB級と呼ぶことにした。すでに解散していて、人々の記憶から消えてしまっているかもしれない。したがって、彼女たちの活躍を、もう一度呼び起こして懐かしんでみたいというのが今回の記事の本旨だ。
それでもファンだった方は、「B級」と聞くと憤慨するかもしれない。前述の通りの位置づけで今回の記事を進めることを予めご了承いただけたら幸いです。
1 Babe
もしかすると彼女たちは、ベストテンにもランキングしているし、知名度が高く、A級アイドルユニットと認識しているかもしれない。しかし、活動時期が短く、あえてここに含めてしまった。
ダンスを踊りながら歌うスタイルで、色白で奔放な性格の近藤智子と、色黒で控えめな性格 の二階堂ゆかりというキャラクターの組み合わせであった。洋楽のカバーを多数リリースして ヒットしたことでも知られた。
1987年、「I Don't Know!」で、第29回日本レコード大賞新人賞、第14回FNS歌謡祭最優秀新人賞、銀座音楽祭最優秀新人賞、全日本歌謡音楽祭新人奨励賞、輝け! 第18回日本歌謡大賞放送音楽新人賞を獲得。1990年二階堂の妊娠・結婚により解散。私の兄貴がファンだったため、彼女たちのシングルCDが数枚あった。
2 Mi-ke
Mi-Ke(ミケ)は、宇徳敬子、村上遙、渡辺真美の3人のB.B.クイーンズの音楽コーラス隊 であり、後にアイドルグループとしてデビューした。アイドルグループとしては、1991年にデビュー。振り付けを意識した当時のアイドルグループの形態をとりながらも、アルバムごとにテーマを定めたリバイバル・カバープロジェクトであった。グループ名の由来は当時ヒットした「たま」をもじり、メンバー3名の個性を活かして三毛猫から取っており、白が宇徳、茶色が村上、黒が渡辺というように色が分けられていた。
ビーイングのサウンド、アレンジ、パロディを含めたプロデュースが光り、日本レコード大賞、日本有線大賞、全日本有線放送大賞(現・ベストヒット歌謡大賞)、日本ゴールドディスク大賞と各音楽賞の最優秀新人賞を総ナメにし、『第42回NHK紅白歌合戦』(「想い出の九十九里浜」)にも出場。
3 アイドル夢工場
https://www.youtube.com/watch?v=Zj0TJQrxp78
1987年にフジサンケイグループが開催したイベント『コミュニケーションカーニバル 夢 工場'87』のメディアミックス展開に関連するものである。
1987年7月にポニーキャニオンより発売された『コミュニケーションカーニバル 夢工場'87』のイメージソングだった『アドベンチャー・ドリーム』でデビューした、7人組のアイドルグループ。メンバーはいずれも1987年のミスマガジンの準グランプリ、各賞入賞者から成っている。アイドル夢工場としての曲は『アドベンチャー・ドリーム』一曲で終わっている。なおオリコンチャート初登場8位を記録した。特に「夕やけニャンニャン」の番組の中で、アイドル夢工場の「アドベンチャー・ドリーム」のPVが流されることが多かった。私はメンバーの中では古風な顔立ちでおっとり系美少女の桜川佳世がお気に入りだった。
4 少女隊
1983年にオーディションでミホ、レイコ、チーコの3人が選ばれ、結成された。翌年の1984年8月28日にシングル「FOREVER〜ギンガムチェックstory〜」、アルバム『少女隊Phoon』、12インチシングル「ESCAPE」、ビデオ『少女隊Phoon』を同時にリリースしてデビューする。そのプロモーションには総額30億円(一般的には40億円)をかけたとも言われた。キャッチコピーは「胸騒ぎ、ザワ、ザワ、ザワ」。
デビュー1周年の1985年8月、メンバーの一人であるチーコが椎間板ヘルニアにより脱退し、新メンバー・トモが加入した。
5 ラジオっ娘
1981年末頃から「ラジオっ娘」(ラジオっこ)のグループ名でニッポン放送のDJとして 活動。3枚目シングル発売後、ラジオレギュラー番組内にて視聴者による電話投票により 「Lady oh!」のグループ名が付けられた。メンバーは3人で、いかにもB型の典型だった水島かおり、秋田県出身で俳優の古田新太と結婚した西端やよい、大学卒業後にニッポン放送アナウンサーになった高橋めぐみがいた。
特に深夜放送「オールナイトニッポン」では中高生リスナーからの性に関する過激な悩み相談を受け付けていた。かなり濃厚で赤裸々な告白に、当時は聴視率は高かった。
6 きゃんきゃん
https://www.youtube.com/watch?v=Nys8fci59uw
こちらもキャンディーズを意識したような超ミニスカートで歌い踊ったアイドルユニット。デビュー当初、『きゃんきゃん』のメインは桜井直美だったが、全く売れなかった。そこで、 ミスコンのグランプリ獲得経験もある美形の山本博美をメインに変更した。これに伴い、 グループ名の表記もカタカナの『キャンキャン』から、ひらがなの『きゃんきゃん』に変更。唐沢美香(O型)、山本博美(A型)、桜井直美(A型)の3人組。なお、ピンクレディーのMeに似て超美形でスタイル抜群だった山本博美は、現在の京本政樹夫人である。
7 スターボー
1982年から1984年にかけて活動した女性3人組アイドルグループ。所属 事務所は研音、所属レコード会社はポリドール。 「スターボー」とは星の虹(レインボーから の造語)という意味で「星の架け橋」という意味が込められているとされている近未来的なダンスや衣裳で活躍した。全員がショートカットでもみあげを斜めに刈り上げたテクノカット風。ややコンセプトに無理があった。
8 セイントフォー
昔のモモクロのイメージが強いグループ。運動量が半端じゃなく、常に歌の最中、激しく動き回っていた。どちらかと言うとアクロバティックな振り付けが売りだった。
1982年「あなたもスターに!」というプロダクションのダイレクトメールに応募して、約3万人の中から選ばれた4人。 デビュー当初は板谷・浜田・鈴木・岩間(立ち位置順)で構成され、後に板谷に替わっていわお潤が加入した。曲間にバック宙をするなど、アクロバティックなパフォーマンスが話題になった。セイントフォー解散後、浜田範子・鈴木幸恵はロック系ボーカルデュオ「ピンクジャガー」 として再デビュー。
9 寄せ鍋トリオ
欽ちゃんの番組「欽ドン良い子悪い子ふつうの子」の中から生まれた女性のグループ。生田悦子、松居直美、小柳の3人で結成。イモ欽トリオの女性版。パロディソング調の「大きな恋の物語」はヒットした。
10 ソフトクリーム
https://www.youtube.com/watch?v=xib89HKomnw
遠藤由美子、天野千英、大塚真美の3人で結成された音楽グループ(途中で天野千英が脱退し、大橋直美が入る)。
1982年12月5日にシングル「熱帯魚のタキシード」でデビューする。「ソフトクリーム」というグループ名になったきっかけは、デビュー曲の作詞者だった島武実の「食べ物の名前にしたら売れるかな」という一言からだったという。
2枚目のシングル「すっぱい失敗」以降は作詞:森雪之丞、作編曲:後藤次利コンビで楽曲が作られた。詞の中身は「ちょっとHな意味を含んだアブナいもの」で、曲の構成やアレンジが従来のアイドル歌謡とは大きく異なっていたため、後のおニャン子クラブのプロトタイプとも言われたこともあった。リードボーカルは遠藤由美子。グループ活動中と並行してソロ活動も行うことがあった。
特に80年代はアイドル全盛で、明日のスターを夢見て数多くのグループやユニットがデビューした。私が高校生だった頃にブラウン管を賑わしていた面々だ。
残念ながら、解散や引退で、現在もバリバリ芸能界で活躍している方はほとんどいない。ほんの一時期だけでも彼女たちは、光り輝き、精いっぱい若さを爆発させ、自己表現していた。今は青春時代の想い出の1ページになってしまったが、芸能界で輝いたことを私は忘れたくなくて、想い出がてら今回取り上げてみた次第だ。
最後に、終わりまでお付き合いいただいた方に貴重映像をお送りします。これは正規のユニットではなく、「レッツゴーヤング」内で組まれたもの。倉田まり子、佐藤恵利、越美晴の3人が番組内で様々なヒット曲を熱唱した。
記事作成:平成25年10月13日(日)~平成26年6月28日(土)