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Channel: 時遊人SUZUのひとり言
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福島のソウルソング(再掲)

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 今日は2015年に作成した記事を多少改良した記事を再掲したい。

 福島県の有名観光地を題材にした歌は数多い。たとえば美空ひばりの「みだれ髪」や春日八郎の「別れの一本杉」、民謡の「会津磐梯山」、岡本敦郎の「高原列車は行く」、そしてご当地アイドルたちが歌うご当地ソングもある。

 しかし、福島県を感動の渦に巻き込む歌があるのをご存じだろうか。おそらく、福島県民すら知らないであろう「福島県の歌」があるのだ。それは「こめら」という曲だ。普通の暮らしが出来ていた頃(2001年頃)の福島県です。応援歌でもなければプロの­方が歌っているのでもありません。
ふるさとを愛する皆が自分の言葉で気持ちを込めて未来の子供たちに残したい故郷を歌っ­ています。一度聞いただけ耳から離れない感動の曲です。では論より証拠。まずは聞いていただきたいと思う。

 この曲に登場する「こめら」とは、 福島県の方言で 「子供たち」 の意味。何かメッセージソングとして強い息吹と確かな絆を感じさせる。
 実はこの曲、NHK・BS「おーい、ニッポン」の「あなたが歌う県のうた」として、秋元康が各都道府県ごとにその県の歌を プロデュースし、その都道府県の県庁所在地のNHK放送局で一般参加者の中からオーディションを行い、最終選出された参加者がその県の歌を歌うというプロジェクトを敢行した。番組内でオーディションの模様などが紹介された後、当日生中継で歌が発表されるというものだった。全曲とも秋元が作詞し、後藤次利が作曲を担当、全49曲が製作された。福島県の歌は「HAPPY ISLAND」が歌う、この「こめら」だった。2001年2月に発売されたが、当時は全く知られていなかった。

 しかし、震災を経験した私たちが聞くと、故郷愛がビンビンに伝わってくる。福島県の豊かな風土、郷愁漂うのどかな風景、そしてそこに暮らす人情味あふれる県民性、福島県民には大切な目に見えない絆が備わっている。

 サビの部分を聞くと、放射線被害のために福島県を離れた方々へのメッセージとして聞こえて来る。

♪こめら いがっせ 明日へ明日へあきらめないで
 未来の福島は みんなの愛でひろがる

 こめら いがっせ ずっとずっと塩屋の岬
 心の灯台を忘れず 迷わず行くんだ

 こめら 集まれ ここがここが約束の地だ
 おめぇの故郷に 自分の足で立つんだ

 こめら 集まれ はるかはるか磐梯山に
 背中を向けないで 真っすぐ歩いて行くんだ♪

 秋元康が、代表一人に絞るより、全員の合唱曲にしたほうがいいと、それが福島らしいと­、例外的な扱いになりました。この姿が福島県の姿です。

 「予定~福島に帰ったら」 CMで流れている曲です!

 みんなが福島を思い、そして自分の故郷を思う。そのきっかけになるために。
そして、風評撲滅のために。皆さんも故郷の好きな風景や好きな人の写真を使ってオリジナルのPVをつくってみてください。美しい福島の写真は、福島民報社と財団法人福島県観光物産交流協会にご提供いただきました。

 この曲を聴いた方のコメント

 福島に生まれてよかったぁ。俺は何があっても福島から離れないぞ!福島県民であることを誇りにおもう。放射能がなんだ!

 何故か涙が出ます。 泣きたいときにストレス発散になります。

 変わらないでいて欲しい場所・・・(;ω;

 私の故郷はいわき。 いわきに帰ったら、たまごやの相馬きゅうりとレーズンココが食べたいw

 私は東北の出身ではありませんが聞いてて泣けました~ 全ての福島の方々が故郷に帰られる日が近いことを 祈るしかありません~ なんて美しい福島でしょうか!

 

 最後に、福島県民には切っても切り離せない「福島県民の歌」もリンクしておきたい。県外の方は知らないだろうが、こちらも名曲だと思う。

  1. しゃくなげ匂う山なみに
    呼びかけよう若い理想をかざして
    あしたの夢がはてなく伸びる
    明るいふるさと福島をつくろう
    みどりひかる この空いつまでも
    ああ 福島県
  2. けやきの樹にしあわせの
    虹かけよう若い血汐を燃やして
    嵐をこえて雪崩に耐えて
    豊かなふるさと福島をつくろう
    ちから満ちる あしおと高らかに
    ああ 福島県
  3. きびたき歌う尾根を背に
    手をつなごう若いあこがれむすんで
    町から村へ ひとつにみのる
    楽しいふるさと福島をつくろう
    こころあわせ つち音絶やさずに
    ああ 福島県

 「県民の歌」制定を望む県内の意見に呼応する形で歌詞と曲の一般公募を実施して1967年(昭和42年)に制定され、2月11日に福島市公会堂で歌手の立川澄人を招いて発表会が行われた。

 

 さて、我が福島県は、郷土愛に満ち溢れた土地柄だ。西側の会津地方は雪深く、人情が厚い。酒どころにして米どころ。中通りは交通や物流の中心、そして東側の浜通りは太平洋が連なる温暖な土地柄で、漁業の町が点在していた。
 今、福島は震災の原発事故から4年半以上が経ち、少しずつではあるが、昔の平穏な暮らしを取り戻しつつある。まだ復興の道半ばだが、着実に美しい故郷の風景を取り戻している。被災者を始め、頑張っている方々に励ましのエールを送る、そんな歌がこの「こめら」のように思えてならない。

 記事作成:2015年11月8日(日)


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