大々的に売り出したり、華々しくデビューを飾ったのに、なぜか不完全燃焼で終わったユニットやソロシンガーがいる。実にもったいない。しかし、それを逆手に取れば、そのために印象に残ったり、貴重な曲がある。私が長年音楽を聴いてきた中で、そうした記憶に残っている「もったいない楽曲」やユニットを取り上げたい。
1 「YAKIMOKI」 コスミックインベンション
Y.M.Oが登場し、シンセサイザーを使った斬新なテクノポップミュージックが隆盛を極めた1970年代後半から1980年代初頭、その妹分として颯爽とデビューしたのが「コスミックインベンション」。なんと当時全員が小中学生というユニット。ドラムが女の子でしかもリードボーカルというこれまでにないスタイルだった。そのドラマーの森岡みまはチャーミングガールだった。そしてキーボード奏者の井上能征は「井上ヨシマサ」名義で今や音楽プロデューサーとして光GENJI・中山美穂・安倍麻美・AKB48など多くの有名歌手に楽曲を提供している。
NHKの「レッツゴーヤング」などに出演した。
デビュー曲の「YAKIMOKI」も印象深いが「みんなのうた」で使われた「コンピューターおばあちゃん」も軽快なリズムで人気があった。Y.M.Oの影響を受けたのがC-C-Bだ。
2 「アドベンチャードリーム」 アイドル夢工場
このユニットは実にもったいなかった。「夕やけニャンニャン」から生まれたおニャン子クラブの妹分として1986年にデビューしたが、僅か2か月程度でトーンダウンし、表舞台から姿を消してしまったユニットだ。可愛い女の子ばかりを集めた7人組で、秋元康提供の「アドベンチャードリーム」はリズムやメロディーも良くてヒットしたのに、残念だった。「夜のヒットスタジオ」にも出演し、期間限定でフジテレビのみ出演のユニットだった。
太田千秋 桜川佳世 時田成美 仲地さより 村岡英美 安原万里子 渡辺恵
「夜ヒット映像」 https://www.youtube.com/watch?v=5U1w1ll3oG4
「別バージョン」
https://wwwhttps://www.youtube.com/watch?v=YAHG1_sHdRA.youtube.com/watch?v=Mm3JoA2-ZLM
「イベントで生歌を披露するアイドル夢工場」
心配そうに見守るおニャン子たちの表情も垣間見える。
私は皆藤愛子似の桜川佳世がお気に入りだった。
3 「君たちキウイ・パパイヤ・マンゴーだね」 中原めいこ
中原めいこが1984年4月5日にリリースした6枚目のシングル。彼女の名を世間に広め た代表曲でもある。本曲はカネボウの夏の化粧品キャンペーンのテーマソングとして企画され、「君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。」というコミックソングのようなタイトルは広告代理店が指定したものである。中原はこのタイトルを「太陽の日差しを浴びて色とりどりに輝く女性をイメージしたもの」と捉え、得意のトロピカルでラテン・テイストなポップソングに作詞・作曲した。
https://www.youtube.com/watch?v=hfdFtGWNSKE
本曲はCMソングとして各媒体で繰り返し流され、突飛なタイトルとノリの良いリズムも話題を呼んだ。オリコンチャートも初めて10位以内にランクイン(週間最高8位)、レコード売り上げ27万枚、音楽番組『ザ・ベストテン』で最高6位にランクインするなど、中原自身最大のヒット・ソングとなった。
しかし、中原めいこといえば、この曲のイメージしかなく、歌唱力もビジュアル的にも良かったのに残念に思った。
4 いまのキミはピカピカに光って
1980年の夏、一世を風靡した「ミノルタX7」のCM。当時、熊本大学の女子大生だった宮崎美子を起用し、木陰で服を脱いで水着姿になるCMがバカウケした。はにかんだ宮崎さんの笑顔と、その後の真顔になるギャップにやられた男性諸氏も多かったに違いない。私は当時高1だったが、速攻で斎藤哲夫が歌うこのレコードを買いに行った記憶がある。その後、彼女もヤングジャンプなどのグラビアに度々登場し、雑誌が売れ切れになるほどの人気を博した。
https://www.youtube.com/watch?v=YSKNVztOED8
昔からクイズダービーの回答者になるなど才女として有名だったが、今や漢検1級を取得するなどクイズの女王としてもその地位を確立した。
斎藤哲夫のこの曲は、CMで使われたサビの部分だけが良くて、ほかは帳尻合わせして繋いだ印象が強く、もったいなかった。斎藤哲夫もこの一曲だけヒットして、あとはあまり聴かなくなった。
さて、今日は4曲お送りした。ややミーハーかもしれないが、青春時代にリリースされ、よく聴いたのだが、思いのほかヒットしなかったり、その後が続かなかったもったいない印象が強い。他にも堀江淳の「メモリーグラス」、さとう宗幸の「青葉城恋唄」、伊藤敏博の「サヨナラ模様」、五十嵐浩晃の「ペガサスの朝」、シュガーの「ウェディングベル」などももったいない曲。なぜ次の曲が続かなかったのかが不思議だ。
記事作成:9月30日(土)