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Channel: 時遊人SUZUのひとり言
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劇的な幕切れ

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 スポーツは真剣勝負で筋書きのないドラマと実感できる映像を紹介したい。最後まであきらめないで頑張れば何かあることを実感でき、ドラマ以上にドラマティックというのがよく理解できると思う。

 横澤由貴 アテネ五輪女子柔道

 アテネオリンピック準決勝。相手は世界女王のキューバ人のサボン。先にポイントを奪われ、敗戦確定的の中で迎えた残り10秒。最後の捨て身の一発を狙い、組み合ったのが残り3秒前。そして袖釣りこみ腰の技をかけたのが、残り1秒前だった。相手を回転させ、畳の上に背中から投げ下ろした。その瞬間、実況の三宅アナは大絶叫、会場は大騒ぎとなった。横澤選手が見せた執念の奇跡の大逆転劇は、人々を感動させた。「諦めなければ何とかなる」を身を持って示してくれた劇的勝利だった。

 残り0.9秒の奇跡 バスケ

 それはインターハイの山口県大会決勝戦。徳山商工高校VS誠英高校の一戦だった。最後、残り1秒未満という絶体絶命の中で、一か八かで遠投したボールが、まるで魂が乗り移ったかのように、ゴールネットに吸い込まれていった。これは練習の賜物ではなく、運命の一投であって、それを神様が導いてくれたような劇的な逆転だった。努力を重ね、最後まで勝利を信じ粘って行けば、勝利の女神が微笑むことがあるという運命的なシーンだと思う。地獄から天国。誰もが諦めかけた場面で起死回生のショットだ。会場は狂喜乱舞の大騒ぎ。

 小学生のミニバスケットボール決勝で起きた奇跡の一投はコチラ

 ゴール前の油断 スノーボードクロス

https://www.youtube.com/watch?v=LZR91ogniVE

 トリノ五輪でそれは起きた。アメリカのジャコベリスは独走状態であったにもかかわらず、最後の油断で金メダルを逃す事態に。彼女は圧勝ムードでゴール手前の山へ。そこで普通にゴールすれば金メダルだったのに、観衆にアピールしようとボードに手を当てて、カッコよく決めようとしてバランスを崩し、着地に失敗して転倒。その脇を2位の選手がすり抜け、ゴール。気づいたときには後の祭りの結末となってしまった。まさにゴール3m直前での悲劇であった。後悔してもしきれないワンシーンとなった。この日のために猛練習を重ねてきたのに、ほんの一瞬の気の緩みや油断で、手中の金メダルを逃してしまった。

 棚ぼたの金 オーストラリアのショートトラック選手

 2002年のソルトレイクシティ五輪で起きた世界一幸運の持ち主。オーストラリアのショートトラック選手のブラッド・バリーは幸運に恵まれすぎた選手だ。最終ラップで前を行く4人の選手が相次いで接触して転倒。最後尾を滑っていた選手が悠々とゴールして金メダル獲得。こんな嘘のようなシーンが現実に起きてしまった。これは決勝だけでなく、準決勝でも同じことで棚ボタで決勝に残り、最大の見せ場の決勝でも再現された。このオーストラリアの選手は神様の手厚いご加護で守られているようだ。ありえないことが実際にオリンピックという最高の舞台で2度も起きてしまったのだから。

 シティ、大逆転優勝

 それはイギリスプレミアムリーグ最終決戦で起きた奇跡。優勝を争う相手マンチェスターユナイテッドは、すでに勝利を収め、負ければ優勝を逃す極限まで追い詰められた局面で地獄から天国へのシーンが展開された。ロスタイム、2点リードされたシティ。観客も諦めムードを一変させた。勝つか引き分けでシーズン優勝がかかる最終試合で、2点差を追いつき、劇的な優勝を成し遂げたのだった。この最終試合までもつれ込み、1点勝負でロスタイムまで運命を託したゲームは日本でもあった。横浜マリノスだった。最終節で4チームに優勝の可能性がある緊迫した状況。3位のマリノスは負ければ優勝どころか4位に叩き落ちるゲームで、ロスタイムでゴールし、他球場の結果を待つ。首位に立った鹿島がロスタイムで同点ゴールを奪われ、優勝をもぎ取った。

 星稜高校、9回、8点差を逆転し、甲子園出場

 これを魔物と言わず何と言うのか?誰も予想しないことが起きた。野球の世界で9回ウラで8点差なら、誰の眼にも敗色濃厚で、逆転できる可能性は1%もなかった筈だ。それを最後まで諦めず、繋いで繋いで、ランナーを溜め、打者一巡の猛攻で大逆転劇をやってのけた。一回でも負ければそこで終戦となる切羽詰った状況下で、誰もが目を疑う大殊勲。これを奇跡と言わずして何と言う。

 さて、こういう奇跡のシーンを見ていると、何事も最後の最後まで諦めてはいけないということが理解できる。「勝負は下駄を履くまでわからない」という言葉があるが、それはこういう奇跡が現実的に起こり得ることを示唆しているのだろう。

 記事作成:8月13日(土)


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