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Channel: 時遊人SUZUのひとり言
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リオオリンピックに関する雑感

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 リオオリンピックがブラジルで開幕し、連日熱戦が展開し、報道も過熱している。日本人が活躍すると、特番で報道し、選手を追いかけまわし、その家族やゆかりの人たちもこぞって出演し、生い立ちや幼少期の様子を紹介する。奥さんの内助の功をクローズアップして日本国民の情に訴えたり、美談にしてしまう。便乗もいいところだ。こうした偏向報道に違和感を覚えるのは私だけではないだろう。勝ち馬に乗るように、活躍した選手は論功行賞とばかりに、バカ騒ぎしてまるで神の如く崇めたて、メダルを取れず敗北した選手には目もくれない。頑張った時間は等しいのに、どうして殊勲者だけをチヤホヤするのだろうか?
 今回はオリンピックを見ていて感じることを取り上げたい。

 1 マスコミがメダルメダルと騒ぎすぎ

 知らないうちの過度の期待をかけ、選手にプレッシャーを与えてしまっている。メダルを取れないと見向きもしない。報道姿勢が大問題だ。逆にメダリストは崇め奉り、何度も繰り返し報道する。エピソードを紹介し、あまり関係が薄い人たちがコメントを寄せたり、ともにその快挙を喜んだり讃えたりする。メダルを獲らないと相手にされない風潮がある。

選手は確かに金メダルを目指して日々、厳しい練習に耐え、努力に努力を重ねている。たとえ力一歩及ばず取れなくても、その栄誉を、その頑張りを大いに讃えて欲しいものだ。

 2 やはりプレッシャーに弱い日本人選手

 柔道は金メダルを期待されながら、道半ばの予選で敗れ、こぞって43位決定戦に廻った。何とか銅メダルは獲得できるものの、いずれも悔しい結果に終わった。体操もそう。世界王者の「内村航平」ですら「オリンピックには魔物がいる」と言わしめたように、今大会も鉄棒で落下し、種目別決勝に進めなかった。他の選手も連鎖反応で失敗の連続。これは目に見えないプレッシャーが襲い、知らず知らずのうちにリズムを狂わせられ、普段どおりの演技が出来ないことを示す。

 これは小学生の頃からの学校教育に問題がありそう。日本では、右ならえの体質が未だに根強く、一斉教育で、皆が同じことをさせられる。個性の伸張ではなく、百葉ひとからげで、皆同類にまとめられてしまう。
 アスリートは他人と同じことをしていたら絶対に世界では勝てない。心身の鍛錬は、同じ括りの教育の中では育たない。ロシアや中国などは、有能なアスリートは国直属のアカデミーでスパルタ式の猛特訓を受ける。競争原理も激しく、ついていけないと退所させられる厳しい世界だ。日本のようにクラブ活動の延長で生ぬるい体質のトレーニングでは、絶対に世界で勝てる選手にはならない。背負っているものが違いすぎる。

 それが証拠に、サッカーやバレーなどではシュートを外しても、点をとられても、たとえ負けても苦笑いしている。もっと悔しさを全面的に押し出せばいいのに。
 アスリートは、何年もかけて苦労してトレーニングを積んできたのだから、負けた時にはもっと悔しさを出すのが自然な姿だ。ところが日本人アスリートは外国人とは違う。
 周囲の目を気にしたり、視聴者に暗い顔を見せて落胆させたり不安にさせたくないという感情が働くのか?視聴者を不快な気持ちにさせたくないから、あえて取り繕っているように思えてしまう。あえて作り笑いを見せて周囲を安心させるのか?日本人の感情とはそういうものなのか・・・。

 そして、あの内村航平もまた、緊張を和らげようと「ポケモンGO」に傾倒。請求額が50万円というのもどこか感覚がズレている。緊張のほぐし方が根本から間違っている。これで日本中の期待を裏切った。オリンピックには魔物がいると名言を吐いたが、実はその魔物を創り出したのは自らの不摂生だったのではないか?自信が過信となってしまった典型例のような気がしてしまう。残念すぎる。幸い、団体で挽回して金メダルを獲得したので、そのバッシングの矛先は避けられたが、もしふがいない成績で終わったら、かなりの批判を浴びたに違いない。

 3 日本に勝てばそれでいい韓国

 韓国人の日本に対する憎悪の感情は消えることがないことがスポーツをみてもありありだ。過去、国際試合で政治的なプラカードや横断幕を掲示し、場にそぐわない批判行動をして厳重注意を受けたことが何度もあった。
 サッカー男子がナイジェリアに5失点で負けた試合でも韓国国内では日本を酷評。常に上から目線で日本をこき下ろしたいようだ。バレー女子も一回戦で韓国に負けた時もネット上では日本はスポーツ後進国で韓国の足元にも及ばないと囃し立て、柔道男子でも海老沼が韓国人に負けた時も、国旗を振りかざし馬鹿騒ぎ。
  彼らの言動や行動を見ていると、世界一になれなくても日本にさえ負けなければそれでいいという風潮がある。

 完膚なきまでに日本を叩きのめしたい。それが韓国人の本性で、こんな歪んだ国家と友好関係など築けるはずがない。
 従軍慰安婦問題も、日本側が百歩譲って政府間で解決策を妥結しても、肝心の国民は納得していないし、たとえこの問題が円満解決したとしても、次は竹島領土問題や靖国問題を盾に日本をバッシングして金銭を巻き上げようと画策するのは見え見え。もう韓国とは国交断裂で良いのではないか?一切日本には関わらないで貰いたい。

 4 天国と地獄

 これは毎回見ていて痛切に感じる事例。例えば、今回の競泳は連日メダルラッシュで日本を勢いづける起爆剤というか原動力になっているが、その中でも萩野公介は400m個人メドレーでは金メダルを獲得して一躍ヒーローになったが、その後に出場した200m自由形では7位と惨敗した。
 また、あの無敵の絶対世界王者の内村でさえ、団体で悲願の金メダルを余裕で獲得したと思ったら、最終種目の鉄棒を前に1位のウクライナの選手に対して0.91の第2位。絶望的な状況の中、最高の演技を最後の着地まで成し遂げた。そして相手の選手も失敗無く終えたため、銀メダル確定かと誰もが思った。しかし、結果は14.80で0.09の僅差で大逆転2連覇を果たした。腰痛に見舞われながら、失敗無くすべての演技を美しい体操を成し遂げた結果が金メダルという最高の栄誉で完結した。

https://www.youtube.com/watch?v=WK5AouiHna4

 昔から良いことがあると、次は悪いことが交互に来ると言われる、運も相殺されてプラマイゼロとなる。彼の場合、金メダルを獲得したことで運を使い果たした感じがしたのは私だけではないだろう。
 良いことは長く続かない典型例かもしれない。団体、個人総合で金メダルを獲得した内村航平選手には、そういう意味でも、別の意味で注意を払ってほしい。たとえば自身や家族の健康面とか事故、怪我などだ。

 5 メダリストは生い立ちや家族まで丸裸にされる

 メダリストになるとその取材は半端ない。家族や親族の反応や友人、知人にまでコメントを求められ、殊勲者との関係まで暴露される。その過熱振りは異様で、両親、兄弟、妻、子供までに及ぶ。連日のようにワイドショーで取り上げられ、そのフィーバー振りは凄まじく、その快挙の余韻に浸りたい日本人の感情を代弁してくれている。
 確かに競技に専念するためには、家族の理解や支え、内助の功は欠かせない。そうした普段見られない感動エピソードを紹介するのはわかる。日本中を感動させる演出やその裏にあった苦労を取り上げたいのはわかる。しかし、大フィーバーしすぎると、ひとたび負けると見向きもされなくなる。現に一回戦で敗退した卓球の石川佳純選手は、テレビに出なくなった。
 また、メダルを逃した選手もスポーツニュースですら取り上げられない。この差は日本人特有の「勝ち馬に乗る」という概念そのものだ。

 そしてひとたびメダリストとして注目されれば、次の東京五輪での活躍を過度に期待しすぎる傾向になる。すると、銅メダルに甘んじたり、メダル獲得を逃したりした場合、バッシングが凄まじいのでないかという危惧が浮かぶ。こうした悪い風潮は絶対に避けなければならない。そうしないと我が福島県の英雄、円谷幸吉選手のような悲劇が再現されてしまう危険性が高くなる。そのことは日本国民は温かく見守ってほしいと切に願う。

 

 さて、オリンピックは「スポーツの祭典」といわれる国際試合だ。それだけにその努力や技術は世界最高峰だ。筋書きのないドラマだけに真剣勝負が展開され、その努力の数だけ感動を呼ぶ。今オリンピックは4年後の東京オリンピックの前哨戦となるだけに日本の底上げや技術力の向上が求められていた。しかし、前回のロンドンで金7を含むメダル総数38を上回る勢いで連日メダルラッシュが続いているのは明るい兆しだ。
 きっと日本選手が帰国する際には、前回を越えるフィーバーが予想される。心からお疲れ様を言いたい。そして4年後の「東京オリンピック」に向けて、私たちの夢を繋いでほしいと願う。

 記事作成:8月8日(月)


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