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Channel: 時遊人SUZUのひとり言
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オーディオメーカーの隆盛と衰退

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 私が高校時分に、オーディオに凝った。自分なりにこだわりがあった。チューナーはトリオでアンプはSANSUI、カセットデッキはNAKAMICHI、レコードプレーヤーはテクニクス、そしてスピーカーはBOSEかJBLかダイアトーンという具合だ。今はあまり見かけなくなったオープンリールをいつかは欲しいと思っていた時期があり、AKAIかTEAC製を考えていた。これらはサウンドクリエイションのプロとか、究極の選択のようにさえ思えた。

 しかし、大学生の頃には、CDが登場し、音楽の一大革命が行われ、ジャケットなど人気があった円盤レコードが一気に衰退。やがてバブル崩壊後、売上が激減し、2000年前後には各メーカーが業績不振に陥り、統合や廃業に追い込まれた。

 AIWA

 アイワ (Aiwa) は、かつて存在したオーディオ機器のブランドである。2002年までは独立 企業のアイワ株式会社(後述)だった。2002年、同社はソニーに吸収合併され、アイワは ソニーの1ブランドとなった。 個人的にはラジカセやミニコンポの印象が強い。確かに実家にもアイワのラジカセがあった。どうしてもサードパーティー社というイメージがある。

 AKAI

 TEACと並ぶオープンリールの2大メーカー。国産はAKAI。その後、コンパクトなAE AD Cro. メタルなどのTDKのカセットテープの台頭で、一部のオーディオ愛好家やプロを除いて急に衰退した。その後、CDやMD、HDD録音などメディア革命によって、一般には普及しなくなった。

AiwaAkai

 NAKAMICHI

 ナカミチ株式会社は、かつて存在した日本のAV機器メーカーである。このメーカーはカセットデッキで一世を風靡した。1990年代に入るとCDの普及に対応できず、消費者向けハイエンド製品では苦戦を強いられた。バブル景気の崩壊以後経営難に苦しみ、1997年には香港のザ・グランデ・ホールディングズ・リミテッド傘下となるが、その後も経営状況は改善せず、2002年2月19日に民事再生法の適用を申請して倒産した。

 オンキョー

 こちらは1946年に設立された老舗のオーディオAVメーカー。個人的にはアンプとスピーカーの印象が強い。

NakamichiOnkyo

 Technics テクニクス

Technics(テクニクス)は、パナソニック株式会社の音響機器向けブランド、および登録 商標。1965年発売のスピーカー「SB-1204」のペットネーム「Technics 1」で初めて用い られた。個人的にはターンテーブル式のレコードプレーヤーのイメージ。

 DENON

 私はずっと「デンオン」だと思っていた。メーカー名は「デノン」らしい。「日本電氣音響株式會社」の通称「電音」が 由来である。1963年に日本コロムビアに吸収合併され、同社の音響機器事業のブランド 名であったが、さらに株式会社デノンへ事業譲渡された。私としてはCDプレーヤーのイメージが強い。

TechnicsDenon

 TRIO トリオ

 現在の「ケンウッド」の前身。チューナーと言えば「Trio」というくらい有名だった。

  長野県駒ヶ根市に有限会社春日無線電機商会として設立。当初は高周波コイル(ラジオ受信機の部品)製造からスタートした。山に囲まれ外来電波が届きにくい、すなわち非常に静穏でノイズが少ない電波環境である伊那谷で培った高周波技術がFMチューナー、無線機器の礎となっている。
 1947年に商標をTRIOとし、1960年には社名もトリオに変更。 オーディオブーム全盛の頃には山水電気(破産済み)、パイオニア(2015年3月2日よりホームAV機器事業は全てオンキヨーの完全子会社のオンキヨー&パイオニア(旧・パイオニアホームエレクトロニクス)へ移管)と並びオーディオ御三家とされ「サン・トリ・パイ」と通称された。

 パイオニア

 パイオニア株式会社(Pioneer Corporation)は、東京都文京区に本社を置く、日本の 電機メーカーである。1961年(昭和36年)には商標であったパイオニアを社名とした。その後、世界初のセパレート型ステレオを発売し、オーディオブーム全盛の頃には山水電気(2014年7月に破産)、トリオ(現・JVCケンウッド)と並びオーディオ御三家(俗にいうサン・トリ・パイ)と呼ばれており、特にオーディオファンからはスピーカーのパイオニアで親しまれた。2015年3月よりオンキヨーの完全子会社のオンキヨー&パイオニアに移管した。私はフロントローディング式のレコードプレーヤーを所有していた。

TrioPioneer

 SANSUI(山水電気) 

 会社設立初期はトランスの生産・販売が主な事業内容であったが、1969年(昭和44年)に海外向けに商品化されたレシーバがベトナム戦地の米軍PX(売店)で大ヒットし、オーディオ機器生産・販売へシフトした。
 1980年代のオーディオブーム全盛の頃には、パイオニア(ホームAV事業は後にオンキヨーの子会社のオンキヨー&パイオニアへ移管)やトリオ(現・JVCケンウッド)と並んで「オーディオ御三家」と呼ばれた。特にステレオアンプ技術において名門として知られ、JBLの日本総代理店にもなった。
 2012年(平成24年)、山水電気は東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請した。この時点での負債は約2億4,765万円。民事再生手続きは受理され、同年12月27日付で再生手続きは終結した。
 「サンスイ」といえば「アンプ」が代名詞。10年ほど前まで須賀川市の国道4号線沿いに工場があった。

 FUNAI

 船井電機株式会社(ふないでんき、FUNAI ELECTRIC CO., LTD.)は、主にAV(テレビ 、ビデオなど)機器を中心に製造・販売を行っている企業である。通称はFUNAI、フナイ。 近年は液晶テレビやBD/DVDレコーダー、3D対応BDプレイヤー、デジタルハイビジョンチューナーなどの製品をコンスタントに市場へ投入している。

SausuiFunai

 さて、時代を振り返れば、1980年代と90年代に、AV機器のメディア革命があった。カセットテープからCDにその媒体が移り、MDが生まれ、やがてUSB機器やHDDへの録音が主流になった。そして映像でもVHSとベータマックスの熾烈な生き残り競争が終焉し、レーザーディスクからDVDへ、そして2010年代にはブルーレイのシェアが伸びた。その都度、サウンドは研ぎ澄まされ、録音や録画状態は劇的に改善した。
 しかし、一方でメディアの変遷と共に、消費者はそれに見合うだけのメディア機器への買い替えを強いられてきた。かつて一世を風靡したレコードを持っている世代は限られてきたし、カーコンポにすらMDは激減した。
 私は青春時代に洋楽ファンになり、より良いサウンドを追い求めたため、ステレオを親にねだって買ってもらった。今思えば申し訳ないと思う。

 私が幼少期から思春期を過ごした時代、素晴らしい音楽と出会えたことと、更にはそれを奏でる機器を開発した技術者たちの功績に感謝し、今日の記事を結びとしたい。

 記事作成:3月初旬~3月19日(土)


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