「歴史は繰り返される」という言葉があるが、それが地球滅亡へのカウントダウンだとしたら恐ろしい。しかもそれが現実味を帯びた近未来になりつつあるとしたら。
20世紀を振り返ると、その世紀は戦争の歴史だった。その凄惨な歴史が再び繰り返されようとしている事態に気づいている日本人がいかに少ないことか。
私が危惧する世界情勢を挙げればキリがないが、周辺国の有事を想像しただけでも個人的にその脅威から震えを覚える。
まず、自分に歯向かうものをこれみよがしに処刑し続けている北朝鮮の指導者。若いだけに、自らの権力を誇示しようと暴走しやすく、暗躍した恐怖政治を強行している。
3月4日付のニュースでは、北朝鮮が行ったミサイル発射に対抗し、経済制裁を国際社会が実施したことに反発した金総書記が、即座に短距離発射体を日本海に向けて発射し、国際社会を牽制した。さらには、核弾頭がいつでも使える準備をするよう指示を出した。その当面の標的はアメリカだと目されるが、いつ何時、同盟国である日本もその標的になりかねないのは周知のところだ。
この若き指導者は、面子を保とうと暴走しがちであり、一歩対応を誤ると、過信から思いも寄らぬ行動を起こす懸念が強い。いきなり宣戦布告し、先制攻撃を仕掛ける動きは容易に想像できる。
強権的で、自らの権力を誇示する発想しかしか持ち合わせず世界情勢も見通せない、愚かな若き指導者が、狂気の沙汰で宣戦布告したら、隣国の日本もまた攻撃の対象になることは見え透いている。しかし、現憲法下で基本的に軍隊を保有できない日本は、攻撃を受けようが、核の脅威に晒されようが、国会の承認なくして反撃などできない。在日米軍に頼るしか方法がない。ひとたび自衛隊が戦地に赴けば、犠牲者が出ることは必至である。また、70年前の戦争と異なるのは、原爆より強力な水爆やプルトニュウムを原料にした新型核兵器による爆撃が可能であるという点。
もしも、手段を選ばない作戦を実行されたら、日本の古来の伝統文化財も攻撃対象になるし、下手すれば、日本に点在する原子力発電所を集中爆撃されたら、日本に反撃する余力は無くなる。戦闘機や爆撃機を使うまでも無く、遠隔力長距離ミサイルを打ち込まれただけで、戦局は劇的に変わり、勝敗は一気に決する。真珠湾攻撃」のように、敵が戦闘態勢を整える前にどちらが先制攻撃するかで、戦局の大勢が決まる。
米韓の同盟軍が先制攻撃を仕掛ける可能性は低いだろうが、北朝鮮の攻撃ターゲットとして考えられるのは、数箇所あるミサイル発射基地、ひと目につかず山中に隠されている格納されていると見られるミサイル格納基地、そしてピョンヤンにある「北朝鮮人民軍」本部、そしてサイバー犯罪を企てたり、諜報活動を総括する情報通信基地あたりか。
この国の具体的な政策は、金日成が自ら教示した4つのキーワードである「全人民の武装化、全軍の幹部化、全軍の現代化、全国土の要塞化」に基づく。軍国化して武器や兵器の製造により、それを海外に輸出することで外貨を獲得し、さらには愚直にも敵国を攻撃予告することで、周辺国の譲歩や金品を得てきた瀬戸際外交を展開してきた北朝鮮の策略も万策尽きた。
いよいよ秘密裏に蓄えてきた軍事力を、この若き指導者が国力を国内外に示す機会を虎視眈々と窺っているように思える。
そのきっかけは、何でも良いのだ。さんざん挑発行為を繰り返して来た張本人にもかかわらず、責任転嫁し、宣戦布告の理由を敵国によるものと捏造して開戦に踏み切る腹というのはわかりきっている。朝鮮半島の有事は、周辺国(韓国・中国・ロシア・日本)をも巻き込んだ第三次世界大戦への引き金になることは周知の事実で、国連の五大国が国際協調の旗印の下、湾岸戦争時のような多国籍軍を編成し、こぞって北朝鮮の暴挙に対し、武力鎮圧を行うしか残された道は無い。そして金総書記を、幹部処刑や戦争を引き起こした罪で国際裁判にて厳罰に処し、国家を解体して民主化を図るべきだ。間違っても同じ民族だからとドイツのように朝鮮半島統一は避けるべきだ。
直前まで互いにいがみ合って戦争状態にあった両国が、急に融和ムードになれるはず
が無く、将軍様(金正恩)を崇拝し、命令されれば死も厭わない気質の人民を統制できる訳がない。もちろん生活スタイルも180度異なる両国が、互いに譲歩しあいながら、新たな国家を築くことはありえない。朝鮮人の気質とは相手を攻撃することや他人をだしぬくことを生き甲斐にしている民族であり、他人への思いやりや寛容さ、公共心など到底持ち合わせていない。民主化と文明が進んだ準先進国である韓国と70年前の古い体質しか持ち合わせていない北朝鮮の民族では衝突が多発し、相容れるとは考えにくい。
逆に、言語を供する両国が、相互理解により統一国家としての民族意識が高まれば、周辺国については脅威になるに相違ない。元から思い上がりが甚だしい朝鮮民族だけに運命共同体としての気質が倍化され、軍事力を蓄えて、暴走する可能性は否定できない。
人口や軍事力において、日本に引けを取らない状況に置かれれば、過去の遺恨とばか
りに高飛車に出て、優位に国際交渉を進めるかもしれない。
一方、アメリカもまた然り。現在、次期大統領を選出する選挙の真っ最中。しかも強権派のトランプ氏が圧倒的強さで大統領選挙の共和党予備選を勝ち進んでいる。万が一、共和党の代表者がトランプ氏となり、民主党候補のヒラリークリントンとの一騎打ちの様相を呈したら、あの巧みな弁舌と口車に乗せられ。またスキャンダルを跳ね除ける強靭な態度に有権者は「勝ち馬に乗る」とばかりに大きな期待を託すのではないかという危惧に苛まれる。金脈政治を断行し、金に物言わせた政策で、これまでの常識を覆す大改革をやってのけるに相違ない。
たとえば、従来の「日米安保」を反故にして白紙化し、防衛費削減とばかりに駐留米軍を完全撤退させる大幅な方向転換策を発動させる強硬に出る可能性が高い。
共和党は昔から外交政策を主体として取り組んできた。一方の日本は終戦以降、軍隊(武力)を持たず、武器の不保持、交戦権の否認を憲法で謳っている。よって、もしアメリカ軍が日本から撤退し、武力の均衡が崩れた瞬間に、周辺各国の核やミサイル攻撃の危機に晒される。日本が攻撃されようが、アメリカ軍は動かない。当然自衛隊の戦力では、北朝鮮やロシアには到底及ばないし、中国の脅威に太刀打ちできるだけの兵力は無い。
かつて日本が原爆を投下され、ロシアの不可侵を許し、北方領土を不法に奪われ、尖閣諸島や竹島を占拠されている場面が再現されるかもしれない。
中国が尖閣を始め、沖縄諸島を占領するのは必至。その間、日本は手出しも出来ない。
現在の国際情勢を鑑みれば、この先30年間の間に第三次世界大戦が勃発する可能性が高まったと言える。核爆弾が飛び交えば、人類滅亡、地球破滅の危険は高まる。 かつてヒットラーが何百万人ものユダヤ人を強制連行し、「ホロコースト」と称して虐殺したように、多くの日本人がその犠牲で命を落とす結果となる。
ひとたび戦争になれば歯止めは利かない。生物化学兵器や核爆弾を駆使し、手段を選ばずに殺戮行為が展開されるのは言うに及ばない。
安倍首相が在任中に、対韓国、対中国、そして憲法改正(改憲)へ突っ走る理由は、従来の米軍主導による安全保障が崩れ、自国の平和と安全は、自らの手で実現せざるを得
ない過渡期と悟っているからである。
にもかかわらず、呑気な日本国民は日本を守ってもらう恩人である筈のアメリカ軍を沖縄から追い払う画策を行い、憲法改正に猛烈に反対する始末。トランプ氏の大統領就任で、世界情勢がガラリ変わることを予想もしていない。戦後70年間続いた平和な日本がいつまでも現憲法下でも続くと信じてやまないのだ。
しかしながら時代はもはやそんな流暢な過去の世の中ではない。「イスラム国」の自爆テロも治まる気配が無い。トランプ氏が大統領に就任すれば、イスラム教徒をアメリカからシャットアウトすると豪語している。そうなれば、宗教対立が激化し、更なるテロや戦争の危機が高まる。国家元首の暴君による常軌を逸した行動ひとつで、世界平和の歯車は崩れ、一気に戦争状態に突入する。まさに一触即発の危機的状況にあることを日本人は認識していない。いつまでも今の平穏な暮らしが続くと信じて止まない。
北朝鮮は虎視眈々とその機を窺い、核弾頭をアメリカや韓国、日本に向けている。日本は話し合いや丸腰では到底対応はできない。これまでも北朝鮮の瀬戸際外交に何度も振り回され、六カ国協議でも解決できなかった。今さら解決に向けた議論が成立する筈が無い。
未だ国交にない北朝鮮と敵対し、歴史認識や靖国、領土、従軍慰安婦問題で韓国といがみあい、北方領土問題でロシアと対立し、そしてアメリカに見捨てられたら日本はひとたまりも無いということを国民世論として活発議論が今こそ必要だ。
最後に声を大にして言うが、 「憲法改正」論議は絶対に必要だ。しかも急を要する。いたずらに平和を叫び、改憲反対を訴える人々は、国際情勢に疎い、めでたい連中だとしか思えない。
日本人の犠牲を少しでも減らしたいと思うなら、速やかに憲法改正に向けた気運を高めなければならないと思う。他人へ依存するような虫の良い発想は金輪際やめにして、自分の国は自分で守らなければならないことを認識すべきだ。
記事作成:3月4日(金)