「音楽シーンで古き佳き時代を挙げろ」と言われたら、私は間違いなく1970年代のフォークと次いで起きたニューミュージックブームを推したい。そこを大転換期として、日本の歌謡界やポップス界はガラリと変貌を遂げたからだ。自分で作詞・作曲、さらには演奏し歌まで歌う「シンガーソングライター」と呼ばれるニューウェーブが次々登場し、ミュージックシーンを華やかに彩った。今回は前回に引き続き、「名曲をあなたに」と題して、そんな時代の革命者とも呼ぶべき、スーパーアーティストを紹介したい。
1 原田真二
「キャンディ」
「てぃ~んず ぶる~す」
http://www.youtube.com/watch?v=zkbDD0RB6ic
「タイムトラベル」
http://www.youtube.com/watch?v=PrHAaO1vtsc
1970年代のニューミュージックブームに颯爽と登場した彼。この手の男性ソロではピアノの弾き語りの走りだった。アフロヘアーを初めて見た当時の若者も多かったと思う。あのベビーフェイス風の可愛らしい外観に似合わぬハスキーボイス。当時の女性ファンはこのギャップにやられた。キャンディーはボサノバ調。同時期に流行したアニメ「キャンディキャンディ」のパクリかとマジで思っていた。「タイムトラベル」については2011年のドラマ「僕とスターの99日」の主題歌として、スピッツによってリバイバル発売され、30年の時を越えて再び脚光を浴びることとなった。
2 五十嵐浩晃
「ペガサスの朝」
http://www.youtube.com/watch?v=jnpfArRI7JU
彼を知っているのは45歳以上の方だと思う。「ザ・ベストテン」の「今週のスポットライト」で紹介され、ランクインするほどのヒットとなった。軽快にして爽やかなアップテンポの曲調だった。30年以上前とは思えぬ完成度。下の「愛は風まかせ」もチョコレートのCMとして使われ大ヒットした。
「愛は風まかせ」
http://www.youtube.com/watch?v=hoI_adyFpNY
3 伊藤敏博
「サヨナラ模様」
ヤマハポプコンでグランプリを受賞してメジャーデビューを果たした曲。旧国鉄の現職車掌をしていたことから、めったにテレビ出演はしなかった。しっとりと聴かせるスローバラード。歌唱力がないとまずファンの支持は得られない名曲である。「別れ」や「情歌」をモチーフとした暗めの歌が多かったと記憶している。「サヨナラ模様」も五輪真弓の「恋人よ」と重なる部分があるし、楽曲の作風や歌唱法は鈴木一平ともダブる。
「景子」
http://www.youtube.com/watch?v=0SCXW5EDVo4
この頃のソロシンガーは、ほかにも岸田智史(君の朝)、さとう宗幸(青葉城恋唄)、ばんばひろふみ(SACHIKO)、堀江淳(メモリーグラス)などがいた。」
さて、今回の記事を懐かしく偲んで頂いたでしょうか。誰もが歳をとりたくないが、歌は人生にそっと寄り添ってくれる存在だ。特に哀しみや寂しさを分かち合い、傍らで励ますことさえある。そんな歌の数々を次回からも紹介できたらいいと考えている。
記事作成:7月10日(金)