小さい頃は疑問にも思わなかったことでも、今見たり聞いたりすると、不自然だったり、吹き出してしまうほど可笑しいことがあるものだ。記憶とは、時間の経過と共に美化されたり、薄らいでしまうのは世の常だが、人生経験が長くなればなるほど「あれってそういう意味だったの?」という概念がどうしても芽生えてしまう。今日はこれをテーマにしたい。
それを例証するのに相応しい材料は、70年代に隆盛を極めた「アニメやヒーローソング」だ。私は小さい頃からテレビっ子だったため、様々なヒーローものやアニメソングを見てきた。今、YouTubeなどで久しぶりに見聞きすると、思わず笑ってしまう。ネタのように、意図的に笑いを求めて作られた気がしてしまう。ではどんな歌の歌詞があるか例を挙げよう。
1 「巨人の星」
大リーグボール(今は大リーグと言うと、絶対に昭和生まれとバレてしまう)
「ゆけゆけ飛雄馬、どんと行け」 どんと・・・ん~ヤバイくらい古い。まるで「パンチの効
いた」と言う表現と双璧。
一球投げるのにどれだけ時間をかけるのか?そして大げさなリアクションと効果音。
2 「タイガーマスク」
「虎の穴のオキテ」・・・地下組織で一度足を踏み入れたら死ぬまで出られない的な?
「ルール無用の悪党に正義のパンチをぶちかませ!」・・・言葉が見つかりません。
「伊達直人」・・・震災直前の2011年の1月に突如この名前が脚光を浴びた。
3 「仮面ライダー」
「迫るショッカー、悪魔の軍団」・・・軍団という言葉も死語になった。「大門軍団」?
「嵐と共にやって来た~誰だ誰だ悪を蹴散らす嵐の男~」・・・石原裕次郎の影響か?
「ショッカーどもをぶちのめせ!」・・・ぶちのめせって・・・今の子供には意味不明
4 「ガメラ」
「いかすぞガメラ、いかすぞガメラ~、いかすぞガ・メ・ラ~」・・・・「ん~他に真似できない」
「日月火水」って戦時中か?
「月光やぶる殺人音波 マッハ怪獣いつでも来い」・・・英語が珍しい時代の遺物
5 「あしたのジョー」
「憎いあんちきしょうの顔めがけ たたけたたけ」・・・ボクシングじゃなかったら単なる傷
害罪!即刻逮捕!あんちきしょう、も死語。
「おいらにゃ荒野がほしいんだ」・・・おいらっていつの時代だ!荒野って意味不明
6 「ウルトラマン」
「怪獣退治の専門家」・・・いつから仕事にしたの?解説するの?表現が逐一古い。
https://www.youtube.com/watch?v=WrI2fLwc8w4&list=PL3F6F22824EEFEBAD
7 「アタックNo.1」
「だけど涙がでちゃう 女の子だもん」・・・っていきなり何のアピールだ?
https://www.youtube.com/watch?v=I2XhBdHXTqA
8 「魔法使いサリー」
「マハリク マハリタ ヤンバラヤンヤンヤン マハリク マハリタ ヤンバラヤンヤンヤン 魔法の国から やって来た ちょっとチャームな 女の子 」
凄い呪文。「ヤンバラヤンヤンヤン」って効きそうもない。作詞者が適当に考えた?
「ちょっとチャームな」・・・無理やり英語をあてがった?
https://www.youtube.com/watch?v=0F0xAFaJApk
9 「マッハGO!GO!」
「かぜもふるえる ヘアピンカーブ こわいものかと ゴーゴーゴー ホワイト・ボディ マッハ号 まけじだましい おやゆずり はしりだしたら あとにはひけぬ ゆくぞ!」
「まけじだましい」・・・負けず嫌いのこと?負けず魂って表現は造語?
「おやゆずり」ってお前は「兄弟舟」か?
https://www.youtube.com/watch?v=aBhKfvnMcws
10 「マグマ大使」
「アースがうんだ正義のマグマ 地球の平和をまもるため ジェット気流だ 新兵器」
「宇宙のわるものたおすため 星もくだけよ四次元」「SOS SOS カシンカシンカシン」
https://www.youtube.com/watch?v=wzHCsGcZqGI
言葉のごった煮。意味もなくいろんな言葉をごちゃごちゃに混ぜ合わせている。他にも「黄金バッド」では「こうもりさん、こうもりさん」とか、今思えば「鉄人28号」や「月光仮面」、「レインボーマン」、「少年エスパー」、「バビル2世」、「アイアンキング」、「スペクトルマン」、「ミラーマン」も半端なかった。今見返すと、子供騙しの映像にすっかり騙された。
いやはや昭和の時代はなんて素敵だったのだろうか。温故知新ではないが、新たな発見がいくつもある。良く言えば「ノスタルジック」、悪く言えば古臭い・・・。昔のアニメソングには笑えるネタが豊富にある。こうした今では笑える歌詞は昔のスポ根ものに多い。
記事作成:平成27年8月27日(木)