郡山の魅力を再発見するこのシリーズ記事も今回で第24弾となった。生まれ育った故郷だけに、郡山在住の方でも知らないような隠れた名所や名物を少しでも伝え、その魅力を紹介したいと願っています。今回は、私の好みでセレクトした「私の好きな郡山の風景」をお送りしたいと思う。
1 浄土松公園(きのこ岩)
郡山市西部にある多田野町に存在する、奇岩群。この世のものとは思えないその異次元空間は、世界遺産のカッパドキアを彷彿させる。
残念ながら、震災で崩壊が著しく、山体崩壊の如く、その全容が大きく変わってしまった。私は震災に遭う前のきのこ岩の雄姿が大好きだった。
2 4号バイパス富田高架橋から見るカルチャーパークの大花火(8月)
かつては開成山公園で7月31日に開催されていた大花火大会。夏の風物詩だっただけでなく、市民の憩いのひとときを演出してくれた。もう10年以上も前に取りやめとなり、今は8月にカルチャーパークの花火大会となった。富田町のバイパスの上から見ると、大輪の花火が真正面に眺望できる。その美しさに言葉を失う。新幹線の高架橋を走行中の車窓で偶然遭遇すれば、歓声が上がるに相違ない。
3 安達太良山の眺望
郡山市内から安達太良山を望むスポットは多数あるが、その中でも私がお気に入りなのが、喜久田の道路から見る安達太良と4号バイパスの安積町付近の下り坂から正面に拝める安達太良山の絶景。10月下旬には山頂付近に雪を被ったその姿を見ることが出来る。その左側には、尾根の間から磐梯山の山頂部を微かに望むことが出来る。
4 菅船神社の佇まい
今年の春にその存在を知り、すでに半年で2度訪れた場所。霊験あらたかなパワースポットであるこの場所は、森羅万象を全身で感じ取れる神聖な地。歴史を感じる山門や本殿など、日本人がとうの昔に忘れてしまった侘びや寂びを強く感じる。これほど立派な神社にもかかわらず、知る人は少ない。かくいう私も40年以上も郡山に住んでいるにもかかわらず、恥ずかしい話、知らなかった。是非、一度訪ねてほしい。私は土曜日とシルバーウィーク中に訪れたが、二度とも無人だった。それほど秘境感さえ感じる佇まいを見せている。
5 あぶくま養護付近から見える郡山市街地
緑ヶ丘団地は今から四半世紀前に開発が進み、人の流れが郡山駅西口方面から、自然環境が整った清閑な住宅街へと移った。私は年3回、欠かさずに東山霊園を訪れ、先祖の供養を行っているが、毎回あぶくま養護学校の西側から下り坂で見下ろす郡山市街の街並みが大好きだ。ビッグアイがラウンドマークとなり、それを見つけると自然に郡山駅の位置が把握できる。また、私は夜間に訪れることは少ないが、実際、夜景を見たら息をのむような綺麗さだろう。
6 紅葉に染まる銚子が滝
3年前に訪れた際は、夏の終わりだったが、ここはぜひ紅葉シーズンに訪れてほしい。石筵ふれあい牧場の脇道を入り、しばらく高原と峠道を3km登れば、駐車場と登山口が見える。そこから2km程度山を分け入って急勾配の階段を下りれば目的地にたどり着く。周辺は秘境感さえ漂う森林地帯。一歩間違えば野生の熊が出没する山深い場所だ。帰りは地獄。崖に備え付けられたステンレス製の梯子や階段を鎖を手に登らなければならない。しかし、このような困難を乗り越えて出会える景色は絶景。勇壮で剛毅な滝が出迎えてくれる。10月下旬から11月初旬にかけての紅葉シーズンは観光客も多く。怖さはない。私が訪れた時は、土曜日だったが、人っ子一人いない朝イチで、クマが出てきたら助けを呼べず、不気味さが漂っていた。
7 布引高原から見る猪苗代湖越しの磐梯山
この10年で湖南は変貌した。かつては湖南と言えば、険しい三森峠を越え、舟津公園しかなかった。しかし近年、布引山に風力発電施設と大規模なひまわり畑やコスモス畑を整備し、またそこから見渡せる猪苗代湖越しの磐梯山がくっきりと望める抜群のロケーションから、遠足やデートスポットと化した。風車も数十基点在し、緑と白のコントラストが天空を写す鏡と称される猪苗代湖の青々とした湖面とよくマッチして、休日の癒しを演出してくれる。
8 御霊櫃峠から見下ろす猪苗代湖
私は過去3~4回はここを訪れた。かつては峠の5合目から頂点までは砂利の林道だった。しかし、その後、あまりにも険しいつづら折りの山道に郡山側はすべて舗装になった。かつては大雨が降ると道路が川になり、そこを父親が運転する車で横切った記憶がある。その頂上には、NTTの中継電波塔があり、こじんまりした駐車場から北側に小高い丘が聳える。そこはかつてハングライダーが飛び立った飛行台だった。その山頂に登れば、西側に山の切れ間から猪苗代湖の湖面を見下ろすことができる。
9 雪村庵の枝垂桜
4年前まで三春にある職場に3年間勤務していた。その通勤経路はこの場所を素通りしなければたどり着けなかった。毎年4月に、それは絵葉書のような美しい桜が咲き誇るこの場所を通っていた。毎回、満開の季節には、カメラマンたちが多数陣取っていた。転勤後も、毎年欠かさずここを訪れている。枝垂桜の大木から薄紅色に垂れ下がった桜と、左側を埋め尽くす竹林、そして水墨画の大家である雪村が晩年この地の居を構え、創作活動に勤しんだ。古の歴史絵巻を地で行くような風情ある佇まいについ心惹かれ、足を運んでしまう。
10 逢瀬公園展望台
ここは学生時代に遠足で訪れた場所で、風光明媚な公園。白亜の展望台に登れば、霞むように郡山の市街地が眺望できる。緩やかな滝の流れる西洋風の緑の芝生豊かな庭園が広がり、バーゴラ風の東屋が佇む。家族連れで訪れれば、子供の遊び場には最高。シーズンには満開に咲き誇った美しき桜並木に酔いしれるし、植物園で珍しい花々に出会える。またふくしま緑の百選に選ばれるほどの、多種多様の木々が植栽されている。
本当は国道49号線の上戸(じょうこ)から先の短い隧道を潜り、右カーブの先、正面に、志田浜越しに聳える磐梯山の風景がNo.1だと思っているが、残念ながらここは猪苗代町であって、郡山市内ではないため、不本意ながらここには掲載できなかった。残念至極だ。
さて、今回の記事は、私の主観が大きいが、郡山在住のあなたは一体どんな郡山市内の隠れた風景をご存じでしょうか?
記事作成:10月19日(月)