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Channel: 時遊人SUZUのひとり言
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70年代の歌う青春スター・中村雅俊

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 1970年代は「学園ドラマ」全盛だった。代表格は「飛び出せ青春」と「われら青春」。どちらもスポーツを通して友情や恋愛、そして人生のあり方や生き方、さらには人間関係の葛藤や苦悩を描いた作品だった。その当時、教師役がはまり役で、最も輝いていた青春スターが中村雅俊だった。長髪のパーマ頭で、長身。ヒッピー風のラッパ型のジーンズに下駄といういでたち。どぐされ風でもあり、男臭く、風来坊のような自由奔放な生き方が板についていた。
 実際の彼は、東北出身だけに、新沼謙治と似て泥臭い印象を醸し、一方では慶應義塾大学出身という肩書を持つエリートだっただけに、異色の俳優だった。
 では今日は、そんな彼が出演した70年代のドラマの中で、主題歌として歌われ、流行歌にもなった曲をセレクトしたい。

 1 「ふれあい」

 「われら青春!」の挿入歌として使われた。ドラマの中でもギター1本で弾き語りを披露した。太陽学園を舞台に、ラグビーを通して人間の根本精神を説いた青春群像ドラマが「われら青春」だった。マドンナの女性教師役が島田陽子で、生徒役には穂積ペペや千葉裕、清水昭博、関谷ますみらがレギュラーで、竹下景子も生徒役で出演したことがあった。

 2 「青春貴族」

 今では珍しいQ&A形式で進む歌詞。「一番大事なものは何?」「決まっているさ友達さ」という具合だ。こちらも「われら青春!」の挿入歌として使われヒットした。主題歌は「いずみたく」の「帰らざる日のために」だが、私はコチラの方が名曲っぽくて好きだった。

 3 「俺たちの旅」

 1975年10月5日から1976年10月10日まで毎週日曜日20:00 - 20:54に日本テレビ系列で放送された。物語は三流私大生カースケ、その同級生オメダと同郷の先輩グズ六(早大OB)が中心に織りなす友情と青春群像を活写し、生きることの意味、悩み、喜びなどについて問いかける。

 挿入歌「ただお前がいい」はコチラ

https://www.youtube.com/watch?v=vR8hoLIGgHs

 4 「いつか街で会ったなら」

 1975年に放送された刑事ドラマで、松田優作とコンビを組んで刑事役を演じた「俺たちの勲章」の挿入歌。ハードボイルド刑事役の松田優作と対照的に彼はスーツに身を固めたやや堅い役どころだった。自分はこの曲が大好きでレコードを持っていた。

 5 ゆうひが丘の総理大臣「時代遅れの恋人たち」

 1978年10月11日から1979年10月10日まで全40話が日本テレビ系列ほかで水曜日20:00から20:54まで放映された。夕日丘学園高校に赴任した教師を中心に描く学園ドラマ。クラス担任となった大岩は、内閣総理大臣を引き合いに出した発言から、「ソーリ」と呼ばれることになった。当時、受験戦争や落ちこぼれ、校内暴力などが社会問題化した時代にあって、青春時代の悩みや人間関係のいざこざをあえて取り上げ、教師と生徒の人間模様や友情や恋愛をテーマに描いた秀作だった。由美かおるや神田正輝、岡田奈々が脇を固めた。そしてこの時代の生徒役として欠かせなかったのが井上純一と藤谷美和子、斎藤とも子、そして私が好きだった北村優子がいた。
 毎回生徒の誰かに焦点を当て、それぞれの問題や悩みを解決する内容だった。この続編が宮内淳が主演した「あさひが丘の大統領」だった。
 主題歌は「時代遅れの恋人たち」で、挿入歌の「海を抱きしめて」も大ヒットした。

https://www.youtube.com/watch?v=gSQkPfpAPY4

 ラストシーンに毎回、中村雅俊の挿入歌『海を抱きしめて』をバックに『俺たちの旅』と同様、4行の詩が出てくる。これがまた泣かせる。人生訓のようで名言が多かったと記憶している。

 6 心の色

https://www.youtube.com/watch?v=RWfnjfJDJqA

 この時代は、大スターとしての地位を確立し、様々なドラマや映画に主演する大御所としてのイメージが定着してきた頃だった。ベストテン番組にも積極的に生出演した。俳優と歌手の二足の草鞋を器用に履きこなした。

 7 恋人も濡れる街角

 親友の桑田佳祐が彼のために書き下ろした艶っぽい曲。「♪指先で俺をイカせてくれ」という放送禁止すれすれの衝撃的な歌詞だけを眺めれば、かなり卑猥だが、それをいやらしく感じさせないのが桑田マジック。彼の鼻にかかったような、高音域を張り上げる歌い方も独特で、雰囲気を醸した。

 さて、今日の記事は、50歳以上の方々には懐かしく思われたと思います。自分の青春時代とこのドラマを重ね合わせて見ていた人が多かったのではないでしょうか?思春期には付き物の悩みは数知れない。人間関係、成績、進路、そして一番大きかったのは恋愛だったのではないでしょうか?自分がどこから来て、どこを目指すのか?何をすればいいのか?まるで先が見えない不安と闘い、友達の大切さを身に染みて感じ、そして大人になりきれない自分に業を煮やし、夢と現実の狭間で揺れ動く心境。苦悩と葛藤の日々。しかし、僅かな幸せを求めてもがき苦しんでいたのもまた事実。友が寄り添い、共に人生を歩んだ貴重な日々。それが今となってはかけがえのない宝物のような日々だったと思う。
 今日は、そうしたはるか昔に思えるような青春時代に回帰してほしくてしたためた次第です。

 記事作成:10月23日(金)


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