国際化が進んだ現代社会とは言え、ことスポーツ界にもその余波は襲来し、年を追うごとに日本人アスリートたちが肩身が狭い状況に陥っている。欧米に都合のいいようにルール改正が毎年のようになされているのも甚だしいし、ロンドン五輪の時のように、他国の国籍を取得して、母国を捨てて出場する不行き届き者も増えた。特に中国は、卓球やバドミントン競技などでは、ハイレベル過ぎて、国内で代表を勝ち取るのが至難の業であるため、それゆえにそのような「離れ業」に転じる輩がことのほか多い。私は出場にこだわった挙句に、自分の国を捨ててまでオリンピックに出ることを遺憾に思うひとりだが、生活がかかったトップアスリートにとってはそんな流暢なこと言っていられない状況なのだとも思う。
さて、能書きはこのくらいで、さっそく本題に入りたい。それでは表題に掲げたとおり、私が外国人に駆逐されていると感じる日本のスポーツ種目を挙げたい。
1.ラグビー日本代表
意外に思った人が多いかもしれないが、今やラグビー界は、助っ人外国人がこぞって帰化してくれた恩恵により、海外の強豪クラブチームやナショナルチームと同等に渡り合えるようになったと言って過言ではない。ラグビーは15人制というのは周知の事実だが、日本代表に名を連ねる選りすぐりの日本代表選手は合計35人いるものの、ハーフも含めて7人が屈強にして巨漢の外国人ラガーマンたちである。つい先だって日本代表が大金星を挙げたゲームは記憶に新しい。それは6月15日に行われ、あの強靭なウェールズに23対8で初めて勝利し、歴史的な偉業を成し遂げた日本代表だったが、15人のうち4人までもが帰化した外国人であった。しかも得点を挙げた選手は、半数がその外国人であった。
2.大相撲
言うに及ばず、この競技は、日本古来より格式が高く、伝統に満ち溢れた国技である。しかし、ここ10年以上にわたって、幕内の番付を見ると、外国人力士たちに席巻されてしまっている。実に嘆かわしい。国技とは名ばかりで、国際色があまりにも豊かで、国際相撲の様相を呈している。その数は尋常ではない。幕内力士は横綱を筆頭に前頭16枚目まで、東西に分かれて多数名を連ねているが、今名古屋場所を見ても全26力士中、驚くなかれ半数を優に超える16名も外国人で占められている。実に6割を超えである。しかも、大関以上で見ると6人中4人が外国人力士というのが現実。気になる内訳は、モンゴル出身力士が7人で27%。何と中入り後の4人にひとりがモンゴル力士だ。次いでブルガリア、ブラジル、グルジア出身が2名ずつ。ロシアとエストニア出身が1名ずつ。ここまで外国人力士が強い理由とは何なのか?それは身長が高く、足も長い。巨漢の割には足腰が強く、腕力も怪力で、それは日本人の比ではない。しかもこの職業は、日本での出稼ぎにはもってこい。実力次第で、位も上がるし、金も稼げる。勝てば勝つほど軍資金が貯まる。これは魅力的でジャパンドリーム以外の何物でもない。母国で就職するより数十倍も収入が得られる。いかに金のなる木かが窺い知れる。
また、優勝力士だって白鵬と日馬富士で交互に賜杯を持って行かれている有様。だから国技とは名ばかりで、選手に国産は少ないのだ。個人的に言えば、私は不祥事が相次いだ頃から、あんなに好きだった相撲観戦を取りやめた。日本人が弱い相撲は見る価値がないと判断したからだ。それにモンゴル勢に、懸賞金や多額の報奨金を持っていかれるのも癪に障る。栃若時代、柏鵬時代、輪島、北の湖、千代の富士、貴乃花が強かった時代が懐かしいし、現状にはもどかしさを覚える。もはや「国際相撲」と名称を変更したらどうかと日本相撲協会に提案したいくらいだ。しかし、昔の隆盛を知る者としては、かつて、戦後の混乱期に殺到と登場し、強敵をバッタバッタとやっつけた力道山のような大ヒーローの再来を心待ちにしている。強い外国人横綱に一泡もふた泡も吹かせられるような強い日本人力士の登場を。ならなおのこと今後の日本人力士の発奮に期待したいものだ。
追記
稀勢の里が名古屋場所で11勝4敗に終わり、綱取りは白紙で振り出しからのスタートと思いきや、来場所に継続すると発表。これは明らかにおかしい。彼が大関になる際も、直前の場所で10勝5敗(3場所合計32勝13敗)で昇進させ、首を捻ったことを覚えているが、日本相撲協会は、なぜか稀勢の里に甘い。貴乃花が横綱になる時は、審議委員会を開いたにもかかわらず、敢えて高いハードルを与え、初めて横綱昇進が見送られたのに、稀勢の里だけは特別扱い。どうしても日本人横綱待望論が優位に働くようだ。断っておくが、彼の直近の3場所の勝敗は以下の通りだ。
10-5、13-2、11-4で合計34勝11敗。大関昇進ならこれで十分かもしれないが、横綱は大関昇進とは訳が違う。貴乃花は直前3場所で40勝5敗だったにもかかわらず、強い横綱を作るという方針で昇進が見送られたのだ。稀勢の里が来場所、全勝優勝したところで、39勝6敗である。割に合わないし、横審の規程が曖昧すぎて、統一性や平等性を著しく欠く。その時々の風潮に流されやすい横審の身勝手な決定も私が相撲嫌いになった所以だ。
3.プロ野球
外国人たちが我が物顔で立ち居振舞っている世界は、これにとどまらず、日本で最も人気のあるスポーツ・野球でも決して例外ではない。前半戦終了間近のNPB個人成績の打撃部門でセ・リーグ上位5人が全て外国人助っ人だと知り愕然ときた。パ・リーグも上位10傑のうち4人までもが外国人選手だった。
ところで、「プロ野球選手会の公式ホームページ」によれば、1球団の支配下登録選手数の上限は70名と定められている。しかも、一軍の外国人枠は4名まで可能となっている。投手2・野手2、投手1・野手3、投手3・野手1のいずれかの組み合わせであればOKらしい。3年前までは、最も多くの外国人選手を有していたのは巨人で10名。実に14%が助っ人。2位がドミニカなどに野球アカデミーを設立している広島で9名、次いでヤクルトとオリックスが8名で続いていた。やはり、すぐにでも結果が求められている人気球団が、即戦力となる助っ人を獲得するケースが多いようだ。つまり、長い目で育成していくという概念がないチームということだ。
しかしながら、この数値は僅か3年後の今年2013年シーズンには劇的に変貌を遂げた。下の一覧をご覧いただきたい。
巨人 投手4人 野手2人 計6人 ソフトバンク 投手3人 野手3人 計6人
阪神 投手3人 野手2人 計5人 日本ハム 投手3人 野手3人 計6人
中日 投手2人 野手2人 計4人 楽天 投手4人 野手2人 計6人
ヤクルト投手5人 野手2人 計7人 ロッテ 投手4人 野手2人 計6人
広島 投手2人 野手4人 計6人 西武 投手4人 野手4人 計8人
DeNA 投手5人 野手4人 計9人 オリックス 投手5人 野手3人 計8人
もうおわかりだろう。外国人助っ人が多い順に、DeNA、オリックス、西武、ヤクルト。つまり、負けが込んでいたり、成績が下位に低迷しているチームに外国人登録数が多いという結果。助っ人外国人が多いチームほど苦しいチーム事情を物語っているかもしれない。
4.ゴルフ
日本国内のツアートーナメントにもかかわらず、毎週末に行われる大会の成績上位は外国人選手がやたら多い。韓国や台湾、欧米選手に駆逐され続けている。日本国内の優勝賞金が高額であることから、こぞってツアーに参戦してくる傾向は顕著だ。下の一覧をご覧下さい。
2012年男子プロゴルフツアー獲得賞金ランク
1位 藤田寛之 1億7,500万円
2位 谷口徹 1億0,200万円
3位 B・ジョーンズ 9,200万円
トップ10中5人が外国人選手 100人中28人が外国人選手
2013年男子プログ流布ツアー獲得賞金ランク
1位 松山英樹 9,000万円
2位 小平 智 4,600万円
3位 キムヒョンソン 4,400万円
トップ10中4人が外国人選手 100人中22人が外国人選手
2012年女子プロゴルフツアー獲得賞金ランク
1位 全美貞 1億3,200万円
2位 イ・ボミ 1億0,860万円
3位 有村智恵 1億0,180万円
トップ10中6人が外国人選手 50人中18人が外国人選手 しかも韓国人が17人。今や日本の女子ゴルフは韓国人プレーヤーに駆逐され、賞金荒稼ぎの場とかしている。
2013年女子プロゴルフツアー獲得賞金ランク
1位 森田理香子 8,900万円
2位 堀奈津佳 5,800万円
3位 佐伯三貴 5,600万円
トップ10中2人が外国人選手 50人中14人が外国人選手 しかも韓国人が13人
あまり外国人に多額の賞金を海外に持っていかれるのは嬉しいことではない。日本人選手は舐められているし、この世界は韓国人の独壇場になってしまった。
さて、今回私が意図する内容を含みおきいただけたでしょうか。日本国内で繰り広げられるスポーツでありながら、まして日本代表でありながら、生粋の日本人アスリートが少なくなっている現実を憂いていることが・・。昔なら高見山関のように、稀少の存在として物珍しさから人気が出たケースもあったが、ここまで外国人に駆逐されると、本来の趣旨を逸脱してしまっている感が否めない。日本人アスリートが国際舞台で優勝したり、活躍できる瞬間を満喫したい私にとっては、あまりにも不甲斐なく、物足りない時代が到来したものだと嘆かわしく感じざるを得ない。
記事作成:7月10日(水)