今回このシリーズ記事も12組目を迎えた。今回是が非でも紹介したいのは「柳ジョージ&レイニーウッド」。なぜ伝説かと言うと、リードヴォーカルの柳ジョージは今はもうこの世にいないからだ。和製エリッククラプトンの異名をとり、哀愁たっぷり、嗄れ声が特徴で、いい味を出していたオジサンシンガーだった。ロックとブルースを愛し、地元の横浜とお酒を愛し続けた孤高の歌い手だった。
バンドのプロフィール
柳ジョージ&レイニーウッド は、柳ジョージを中心に結成された、日本のロック及びR&Bバンド。1975年結成、1981年解散。つまり、6年間という短い活動時期だった。
1975年、広島でバンド活動をしていた上綱克彦、石井清登、宮田和昭、四ツ田ヨシヒロと知り合い、「柳ジョージ&レイニーウッド」を結成。
1978年、セカンドアルバム『WEEPING IN THE RAIN』のアルバムタイトル曲が、萩原健一主演のテレビドラマ『死人狩り』のテーマソングに使われ、英語の歌詞を日本語歌詞に代え「雨に泣いてる」のタイトルでシングルカット、大ヒットを記録しブレイクした。その後、玄人受けする大人のロックバンドとして人気を博し、多くのヒット曲を放った。資生堂のCMソングに使われた「微笑の法則 SMILE ON ME」を含む1979年の4thアルバム『RAINY WOOD AVENUE」は、オリコンアルバムチャートで初登場1位を獲得した。
1981年暮れの日本武道館コンサートで解散。その他、代表曲「FENCEの向こうのアメリカ」「さらばミシシッピー」「ヘイ・ダーリン」「プリズナー」「青い瞳のステラ、1962年夏…」など。
解散後、柳ジョージはソロで活躍。他のメンバーは「THE WOOD」としてメンバーを代え活動したが解散。
2011年10月10日、腎不全のため横浜市内の病院で死去]。63歳没。
それでは男なら誰でも憧れるようなカッコいい歌い方、ギターの手さばき、そしてその存在感と生き様をご覧ください。
1位 「微笑の法則 Smile on Me」
2位 「海に泣いている」 1978年12月リリース
3位 「青い瞳のステラ 1962年夏・・・」 1980年7月リリース
4位 「酔って候」 1978年4月リリース
5位 「フェンスの向こうのアメリカ」
6位 「BURNING」
7位 「さらばミシシッピー」(埋め込み処理無効映像です)1980年11月
https://www.youtube.com/watch?v=LOJ3kLi0XNM
他にも「プリゾナー」、「タイトロープ」など、人生の闇の部分にスポットを当てたような楽曲が多い。
彼が死後も多くの人々の心を惹きつけるのは、ギターの上手さもさることながら、そのハスキーボイスが奏でる楽曲の数々には魂が宿り、ソウルフルにしてパワーを感じ、人生そのものを歌い上げているからで、こうしたロック&ブルースの歌い手は21世紀ではほとんど見かけなくなった。活動した時代背景が今とは異なる点もあるが、どこか泥臭い部分もあって、その歌詞が相まってひしひしと心に訴えかけて来るし琴線に触れる。
声質が1970年代を中心に活動し、私もあの歌声が大好きだった「トランザム」にそっくりだったこともあってよく聴いたものだ。やはり歌が上手い本物の歌手と言うのは、飽きられることなく、いつまでも世代や時代を越えて語り継がれるし、後世に残るものだということを彼を見ていて実感する。久し振りに聴いても聞き惚れてしまう。
最後に、この時代、同じ年代のバンドには「男達のメロディー」の「SYOGUN」や「何も言えなくて・・・夏」が大ヒットした「J-WALK」がいたことを付記し、更には彼のご冥福を心よりお祈り申し上げ、結びとします。
記事作成:5月8日(金)