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Channel: 時遊人SUZUのひとり言
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プロ野球の監督考

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 以前、当ブログで「監督の資質と条件(監督に向く人と向かない人)」というテーマで記事を掲載したことがある。プロ野球は結果が求められる厳しい社会で、今年のオフもまた、監督交代が相次いだ。そこで、またしても血液型と絡めて恐縮だが、監督に推挙されたり、招聘をされやすい方々を取り上げてみたい。

 来年度(2015年)の監督予定者(下線部は監督交代)

 セ・リーグ              パ・リーグ

 巨人   原  辰徳  A     ソフトバンク   工藤公康   O
 阪神   和田  豊  O     オリックス    森脇浩司   B 
 広島   緒方孝市   A     日本ハム     栗山英樹   A
 中日   谷繁元信   A     ロッテ        伊東  勤   O 
 DeNA  中畑  清    A     西武               田辺徳雄   O
 ヤクルト 真中  満    A     楽天        大久保博元   B

 びっくり仰天の結果。緻密で几帳面なA型監督が12球団中半数の6球団でダントツ。名球界に入るような大物選手はO型とB型が圧倒する世界なのに、なぜか監督はA型に人気が集中する。責任感があって、真面目に取り組む。細かい点にも目が行き届き、選手管理を徹底する気質を見込まれてのことだろうと察しがつく。セ・リーグが6球団中、品行方正で管理野球がお得意で、戦術もオーソドックス型のA型が5名に対し、パ・リーグはA型監督が1人。親分肌のO型3人、データ重視で頭脳的なB型2名という面白い配置。大味な野球を展開してくれそう。B型は、選手以上に監督が目立ってしまう傾向がある。ファンサービスが長けていると言われるが、それは自分自身のパフォーマンスがなせる業。自分が一番好きで、自分中心に世界が回っていると考えがちだからだ。長嶋茂雄、金田正一、野村克也の往年の名物監督はいずれもB型。ファンサービスと称して、一番自分が楽しんでいた。O型監督は、明らかに鉄拳制裁も辞さない闘将型が多かった。西本幸雄(大毎・阪急・近鉄)、星野仙一(中日・阪神・楽天)、上田利治(阪急)監督らがそうだ。でもO型は冷静沈着型もいて、両極端。後者は、稲尾和久、森祇晶、落合博満らがいる。

 さて、来年のチームを展望すれば、一番心配なのが楽天の大久保新監督。選手と確執を起こしやすい。西武のコーチ時代も、菊池雄星投手に暴力行為をしたということで問題になった。星野監督からバトンを受ける際、後任監督候補に名前が挙がっただけで、ファンの反対署名運動まで起きた。選手の不協和音も多く、FAなどでチームを離れる選手も出そう。嶋選手会長や松井稼頭夫とも折り合いが悪そう。私は、本人が続けたくても、周囲から辞任を迫られ、シーズン途中で休養に入るような気がしている。

 反対に私が楽しみにしているのが、広島の緒方監督。誠実を絵に描いたような人柄で、広島一筋に真摯な態度で野球に取り組み、ファンのみならず、同僚や野球通に愛された三拍子揃った名選手だった。彼はA型なので、おそらくは、選手の素質を見出し、適材適所に傭兵し、緻密な作戦と選手起用で常勝軍団を築き上げる気がする。いずれもゲームをコントロールできる名参謀役のサポートが必要になる。
 

 実績十分なのに、現在まで監督にならなかった(なれなかった)往年の名選手

 A型・・・江夏豊・田淵幸一・柴田勲
 O型・・・張本勲・大杉勝男(故人)・村田兆治・江川卓・平松政次・佐々木主浩・衣笠祥雄
 B型・・・門田博光・清原和博・杉浦享・福本豊・谷沢健一・掛布雅之・野茂英雄
AB型・・・桑田真澄

 いずれもフロントが扱いづらい印象を与える面々だ。現役時代の実績は十分でも、チームをまとめる資質という点で見劣りする方々だ。評論家や野球解説が板についている方々だろうと思う。

 今後、監督に招聘されたり、いずれ近いうちに監督就任、または現場復帰されると思われる方々は以下のとおり。

 古田敦也、梨田昌孝、松井秀喜、高橋由伸、宮本慎也、立浪和義、田尾克志
 岡田彰布、真弓明信、ラミレス、前田智徳、金本知憲、小早川毅彦、北別府学
 田中幸雄、八木裕、川相昌弘、篠塚和典、牛島和彦、落合博満

 監督として人望が厚く、いずれ機会があれば監督復帰する方々だが、如何せん、プロ野球の監督は12球団しかないため、空きが無い。順番待ちが大変だ。

 残念だが、監督に縁が無く、評論家で終わってしまっている方々

 張本勲、江川卓、西本聖

 張本勲は、イチローに抜かれるまで、最多安打記録を持ち、わが国初の3,000本安打達成者として名を馳せた名選手。しかし、「喝!」でお馴染みのように、歯に衣を着せぬ発言で、選手と対立することは目に見えている。己が一流の打撃理論を持ち、確固たる自信に溢れており、懇切丁寧に選手の個性を伸ばす指導ではなく、鈴木啓示のように、自分の理論をごり押しで押し付けて矯正させてしまうだろう。しかも鉄拳制裁も辞さないことは察しがつく。まず持論を譲ることはしない。プライドが高く、気難しそうな点から、球団経営の立場(オーナー・社長・フロント)は、気を遣ってやりづらいことは間違いない。
 江川氏については、プロに入団する際に、自らの我儘を貫いて、他者を犠牲にして入団した経緯など、利己的でダーティーなイメージから、一流の野球理論を持っていながら、なかなか招聘されなかった。巨人以外の他球団の誘いは水面下であったやに聞くが、現役時代と同様、成長しない我儘を押し通して、ずっと浪人を続け、監督はおろかコーチにも就任せず、今も評論家のまま。現場から20年以上も離れているため、もう誘われることも無いだろう。

 今後、監督にならないであろう方々

 大変失礼だが、監督に向かず、現役を引退しても監督の話が来ない可能性が高い選手や再登板はないであろう方々を上げたい。

 中村紀洋・・・首脳陣批判を繰り返すなど問題が多かった。自分の力や才能を過大評価
         した結果、所属球団との軋轢を招いた。FAで少しでも条件のいい球団や環
         境を模索し、契約更改では毎回揉めた。確かに口八丁手八丁でいろんな
                   球団を渡り歩いたが、結局は毎回同じ言動や行動で顰蹙を買い、失敗する
                   タイプだった。それでも2000本安打達成は図太い神経と天性の素質によ 
         るものだった。つまりは才能の浪費でもったいなさすぎ。

 堀内恒夫・・・野球解説では一流の理論(持論)を持っていながら、2年間の巨人監督経
         験では、スタッフがついてこず、戦績も振るわず短命政権で終わった。あれ
         だけのことを言えるのに、Bクラスではシャレにならない。

 高木守道・・・現役時代は紳士で守備の名手としてチームの顔として活躍した。私も名二
         塁手として尊敬していたし、好きな選手のひとりだった。しかし、監督業に就
         いてその短気な性格が一気に噴出した。主力選手であっても、平気で怒鳴
         りつけ、対立するなど自分が気に入らないと切り捨てる対応。「瞬間湯沸か
         し器」とまで言われた。一流選手=名監督ではないことを彼の言動や行動
         を見ていて実感した。

 鈴木啓示・・・近鉄一筋にエースとして君臨した。彼の投球術は卓越していた。しかし、彼
         も確固たる野球理論を持ち、現役時代はハングリー精神でスパルタ式のト  
         レーニングを歯を食いしばって実践してきた。いわば叩き上げの人物。
         監督に就任し、そうした古い体質や厳しい練習を押し付け、選手やコーチと
         対立した。選手が全幅の信頼を置いていた立花トレーニングコーチを冷遇
         したことやエースの野茂にフォーム改造を示唆したことで衝突。野茂は、歩
         スティングシステムでメジャーへ流出。結果、絶対的エースを失ったツケは
         大きく、成績が低迷し、監督や体制批判が相次ぎ、監督自身も辞任に追い
         込まれた。せっかく仰木監督が育てた選手たちをぞんざいに扱い、そっぽ
         を向かれた印象。

 不思議なことに、上記の4名はいずれもO型監督。鉄拳制裁も辞さないような熱血漢が多い。これはO型の特有の性質によるもので、勝負師であり、力関係に敏感。年上にはめっぽう気に入られようと努力するが、ひとたび、権力を手にし、頂点に立つと、上から目線で横暴に振舞う親分肌の気質がある。豊臣秀吉がまさにそうだった。自分に媚び諂う人間はとことん面倒を見るが、気に入らないととことん排除する。それに自分の好みに合う人間を集めてグループを作る。政治家は昔からO型が多かったが、「派閥」がまさにそれで、その領袖に君臨するのは、たいていO型だった。

 さて、本日の記事は、やや主観的で偏向的な見解も含んであるが、あまり目くじらを立てずに読んでいただければ幸いです。最後は、多少良い記事も交えたいので、私が生まれた1964年以降、プロ野球で名監督と思っている方を10名ランキングで紹介し、結びとしたい。なお、現役監督は除く。

 1位 川上哲治(巨人) A型

  V9は有望な選手を集めての結果。ONを頭に役割分担で徹底した管理野球を実行。

 2位 仰木 彬(近鉄・オリックス) 988勝815敗53分 優勝3回 A型

  彼は無名でも選手の素質を見抜き、長所を伸ばす指導で選手の人望を得た。

 3位 森 祇晶(西武) 785勝583敗68分 優勝8回/11年 O型

  川上野球を継承し、西武を常勝軍団に育てた。選手の自主性を重視した。

 4位 古葉竹織(広島・大洋) 873勝791敗137分 優勝4回 O型

  あのお荷物球団だった広島を優勝に導き、黄金期を築いた功績は顕著。

 5位 藤田元司(巨人) 516勝361敗33分 優勝4回/7年 B型

  球界の紳士。我が母校OB。長嶋監督と王監督の辞任後、2回に渡り、監督を引き受け、2回とも優勝に導いた手腕は見事。

 6位 落合博満(中日) 629勝491敗30分 優勝4回/8年 O型

 現役選手時代から「オレ流」を貫き、三冠王を複数回獲得するなど実績は申し分ないが、監督としては、予想外の物静かさで選手を信頼して采配を振るった。選手の力量を見抜く眼力は凄く、8年間の監督経験で、すべてAクラスに入り、2位だった2007年も下克上で日本シリーズに進出し、優勝までやってのけた。超一流の野球理論と即座に結果を出す実力者。彼ほど野球を知り尽くした大人物はいない。見た目や態度で損をしやすいのがもったいない。彼は他球団にしてみれば、喉から手が出るほど欲しい監督。年棒の折り合いがつかないだけだろうと思う。

 
 7位 トレイ・ヒルマン(日本ハム) 349勝320敗14分 優勝2回/5年 A型

 試合中もノートを手にし、必要なことを書き込んでいた。冷静な采配だった。

 8位 星野仙一(中日・阪神・楽天)

 男気があって、義理人情に厚い勝負師と誰もが感じている名将。日本代表監督も務めるなど精力的に野球人生を全うしてきた。先々で優勝を果たした。人間的に好かれる印象。

 9位 野村克也(南海・ヤクルト・阪神・楽天) 1565勝1563敗76分 優勝5回/24年

 ヤクルト監督時代はデータ野球を駆使し、名捕手古田を育てるなど、黄金時代を築いた知将。池山・広沢・杉浦・秦・飯田・川崎・伊藤・石井・高津など名選手を多数輩出した。3年連続最下位に終わった阪神、捲土重来を託された楽天の監督時代はぼやきが多くなったが、楽天の礎を築いたのは彼である。B型

10位 ボビー・バレンタイン(ロッテ) 493勝450敗23分 優勝1回 O型

 彼はファンを大事にし、様々な交流を行うなど、ファンサービスに長けていた。あまり有名でない選手を育て、日本一に導いた。日本の野球ファン(特に地元の女性ファン)に愛された監督だった。

 記事作成:10月16日(木)~17日(金)

 追記(H26.11.21)

 野球つながりで付記したい。日米野球が昨日の沖縄の親善試合で幕を閉じた。巨神連合との開幕戦を混ぜると計7試合行った。ここでは、日米オールスター決戦の6試合の総括として、個人成績を挙げたい。

        打数    安打   打点   三振    打率
 柳 田    25     7     6     7     .280
 菊 池    21     8     4     1     .380
  糸 井    13     1     1     2     .076
  中 田    24     4     4     2     .166
 内 川    17     3     0     0     .178
 坂 本    17     5     2     3     .294
 松 田    23     8     1     7     .347
 山 田    12     3     0     2     .250
  嶋      7     1     0     1     .142
 銀 次     8     1     0     1     .125
 伊 藤     4      2      1      1     .500
 筒 香     8     3     1         0     .375
  丸     12     3     1     2     .250
 今 宮      8           3     1     0     .375
 小 林     2     0     0      0          .000

 今回の戦績は日本の4勝2敗に終わった。以前ならば、勝ち越すことなど夢物語だったが、WBCでも証明されたように、日本の強さは本物であることが再認識できた。小久保ジャパンは若手主体だったが、これで結果を残した選手たちは自信がつき、数年後にはメジャー移籍を視野に入れて練習に励むことだろう。日本人がメジャーに売り込むのではなく、逆にメジャーがジャパンマネーを求めて活躍の場を広げそうな気配すら漂う。
 とりわけ、今回は広島の菊池の走攻守揃ったプレーが際立った。守備もぴか一だった。柳田と松田、伊藤、筒香、今宮らも相当自信を持ったに違いない。逆に、糸井や内川のベテランと主砲中田が振るわなかった。スモールベースボールと揶揄されることも多いが、極端にホームランは少なかった。やはり繋ぐ野球が日本流のスタイルということがはっきりした。

 
  


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