この記事も２０１２年６月以来になるため、実に２年５か月ぶりとなる。これまで「YMO」や「ツイスト」「横浜銀蝿」「ダウンタウンブギウギバンド」、「C-C-B」、「WANDS」、そして「キャロル」など、今ではもう活動休止や解散してしまった数多くのバンドを取り上げた。久し振りの今日は、ふと２０代の頃に、夜な夜なカラオケスナックで絶叫した伝説のバンドを思い出し、つい懐かしくなったからだ。そのバンドとは「COMPLEX」だ。
「COMPLEX」とは１９８０年代に硬派系アイドルだった吉川晃司と元BOOWYの布袋寅泰による２人組ユニットである。B型同士の意気投合した２人が1988年12月に結成して大きな話題を呼んだが、シングル２枚、アルバム２枚のみを残して活動休止に至った。活動期間はわずか２年、吉川は自嘲気味に「活動急死」と表現した。
活動休止に至った経緯と理由については、吉川と布袋の「目指している音楽性の違い」と「不仲」だった。活動休止ライブの後、布袋は吉川に「一緒にやらなかったら友達でいたよな」と声をかけたという。
ところで彼らはお互いに異才のミュージシャン同士で、音楽性の一致は不明。一体どこでどう繋がるのかわからない。きっと飲み屋で偶然居合わせて、気が合ってノリで結成したような印象だった。ところが、ロック系の曲調が、ハイティーンから２０代にウケ、カラオケで盛り上がる曲として大いに流行った。では、さっそくヒットしたシングル「BE MY BABY」と私が好きだった「恋をとめいないで」の２曲を聴いて懐かしんでもらいたい。
「BE MY BABY」
https://www.youtube.com/watch?v=7XRbhGEHGSc
モニカでアイドルデビューした吉川晃司の独特な歌い方とダンスステップでファンを魅了した。時に熱狂しすぎて片手バック転して客席に飛び込んだりする過激パフォーマンスも売りだった。彼は誰が何と言おうとロック向き。B型のロック好きは自然の流れ。細身長身スタイルで、プレイボーイ風の容姿は、ヘビメタや黒の革ジャンが良く似合う。２人のコラボは実に自然で、ステップやパフォーマンスもわざとらしさがない。吉川のこのダンスを 「animals dance」と称した人がいる。なるほど！
「恋をとめないで」
https://www.youtube.com/watch?v=Tgqv4qGiPuI
https://www.youtube.com/watch?v=8UN1VwYNGM0
硬派で肉食系の歌詞が際立つ。布袋寅泰のギターテクも満載。コンサートホールもノリノリにさせる。マーシャルを積み上げたホールでアップビートで大音響で聴いたら最高だろう。この曲は、嵐の「言葉より大切なもの」にメロディーが似ている。もちろん「COMPLEX」のほうが先にリリースしているが。
ところで個人的には、吉川晃司はデビューした時から、彼と同世代の清原和博（PL学園時代）に似ていると思っていた。両者とも骨格ががっしりのB型。一方の布袋は、これまた超硬派系バンドだった氷室京介率いるBOOWYのメンバーだった。まさか女優で歌手の今井美樹と結婚するとは夢にも思わなかった。
両者とも１９９０年代に華と彩を添えてくれた伝説のバンドに相違ないと思っている。不仲説が囁かれた二人だが、２０１１年に「震災復興支援」で期間限定で再結成し、ステージでの演奏を繰りひろげた。その時も大盛り上がりの模様はコチラ
最後に、上の２曲と並んで私が気に入っていたセカンドシングル「１９９０」の熱唱動画をリンクして結びとしたい。
記事作成：１０月２３日（木）