今年、歌手の島倉千代子さんが亡くなられた。死の直前、病床で歌を録音し、僅かその3日後に息を引き取った。最期まで歌を愛し続けた壮絶な歌手人生だった。その島倉さんの若かりし日の映像を見て、ドキっとした。私は彼女の晩年の姿しか知らないが、かつては銀幕デビューも果たしたしたその美貌にうっとりしてしまった。かつての女優は、清楚でどこか品があって、恥じらいや慈しみの心さえ漂っていたように思う。そこで今回は、映画が庶民の娯楽だった頃のオールドファンが泣いて喜ぶ往年のスター達の中から、1964年生まれの私が選ぶ、私好みの女優を5人取り上げたい。一緒に懐かしんで頂きたい。
吉永小百合
「サユリスト」という言葉が生まれたほど、1960年代から1970年代の銀幕を鮮やかに彩ったのは彼女を置いてほかいにない。当時青春時代を過ごした男性諸氏の視線を独り占めし、心を奪ったことか。相手役になった浜田光夫や三田明、山内賢などは相当怒りを買ったに違いない。まさしく時代の寵児だったし、完全無欠のマドンナだった。色白で端正な顔立ち。「容姿端麗」とは吉永小百合さんのためにある言葉かもしれない。老いてもなお若々しく、その美しさと輝きは当時のままである。血液型はO型。
和泉雅子
http://www.youtube.com/watch?v=5YKbyWWLPrg
10才で劇団若草の子役になった後、喜劇を志す。 その後、柳家金語楼に鞄持ちとして随伴した際、同番組の共演者で日活のプロデューサー・水の江滝子にスカウトされ、1961年に日活へ入社。以降、青春映画に多数出演し、吉永小百合・松原智恵子と「日活三人娘」として絶大な人気を誇った。中でも1963年上映の映画『非行少女』の主演での演技力が認められ、エランドール新人賞や、ソビエト連邦時代のモスクワ映画祭金賞などの表彰歴を誇る。モスクワ映画祭では審査員を務めたフランスの名優ジャン・ギャバンも「この子はすごい」と語った。彼女の出演した日活作品でよく共演したのが高橋英樹で、二人は「ポスト吉永小百合・浜田光夫」として売り出された。
松原智恵子
http://www.youtube.com/watch?v=HYEkeLZW2KQ
大原麗子
http://www.youtube.com/watch?v=aj0JLB__mGY
遺作となった元夫・渡瀬恒彦との奇跡の共演が遺作となった。
http://www.youtube.com/watch?v=54r6HsxGiMQ
個人的には「少し愛して、長~く愛して」の名セリフが光る「サントリーオールド」のCMが印象深いが、彼女もまた1970年代頃に隆盛を極めた大女優だった。渡瀬恒彦との離婚後、影のある役柄が多くなったが、彼女の小悪魔的な魅力やあの男心をくすぐるような笑顔にやられた男性諸氏も多かった筈。今はもうビデオでしかお目にかかれないのが残念でならない。血液型はAB型だった。
栗原小巻
当初はヴァイオリニストになることを断念。桐朋女子を経てバレリーナを目指し東京バレエ学校に通っていたが、演技の基礎が必要と教師に言われる。故に同校を卒業した後、1963年に劇団俳優座に入った。1968年の『三人姉妹』で注目を浴び、以降、舞台、テレビドラマを中心に活動している。未婚。テレビでは1964年に『虹の設計』でテレビドラマデビュー。その後の大河ドラマ『樅ノ木は残った』(1970年)で精神崩壊する悲運のヒロインを演じた。大河ドラマ『黄金の日日』(1978年)にも出演した。
熱狂的な男性ファンが多く、吉永小百合ファンが「サユリスト」と呼ばれたのに対し、栗原 小巻ファンは「コマキスト」と呼ばれた。奇しくも吉永とは生年月日が1日違い。アイドル的 存在として人気を分けたが、中年以降吉永が女優としての活動の主軸を映画に据えているのに対し、栗原はもともとのフィールドである舞台を中心としながらもテレビドラマの出演も少なくない。
最近見かけないが、彼女の巻き毛のヘアスタイルは大流行を生んだ。1970年代にはドラマやCMでしょっちゅうお姿を見かけた。
他にも原節子さん、八千草薫さん、浅丘ルリ子さん、山本富士子さん、南田洋子さん、夏樹陽子さんや酒井和歌子さん、島田陽子さん、山本陽子さん、竹下景子さん、松坂慶子さんも今回のテーマに当てはまるような絶世の美人女優だった。若手では森下愛子さん、竹田かほりさん、夏目雅子さんも好きだった。
さて、今回の記事はいかがでしたか。懐かしい青春時代の想い出が甦ってきたでしょうか。島倉千代子さんが亡くなって、多少感傷的になって、今回の記事を思いついた。毎年、往年の俳優たちが、ひとりまたひとりとこの世から去っていく。寂しい限りだ。しかし、彼らの肉体は消え失せても、ずっと作品の中で名優たちはあの当時のままの姿で輝き続けていてくれる。この先、歳を重ねることもなくなり、美しい姿のままで・・・。
最後は、島倉千代子さんの「からたち日記」をリンクし、彼女のご冥福を心からお祈りしたいと思います。
記事作成:11月17日(日)