芸能界は文字通り、芸を売ってなんぼの世界。「芸」とは誰にも真似できない歌のうまさだったり、演技に長けていたり、古典芸能の真髄を極めていたり、お笑いであったり、その手法は様々だ。一般人とは異なる天賦の才能や秀でたものを発揮して、金がとれる、文字通り才能溢れる世界だと思っている。
しかし、一方では副業ではないものの、本業だけでなく、多方面でその類稀な才能を発揮する方もいる。例えば、絵画だ。五月みどりさんや八代亜紀さん、工藤静香さんなどは、日展に入選するほどの腕前を持つ。さすがは芸能人だと羨望の眼差しで見てしまう。
また、片岡鶴太郎さん、榎木孝明さん、木梨憲武さん、大野智さんもまた、絵画に長けた芸能人として名高いのは周知のところだ。
ところが、それだけではなく、意外な才能を発揮し、私たち視聴者を驚かせる芸能人もいる。それは個性的すぎてついていけない時もある。まさかあの人があんなことを・・・と奇を衒うような奇行にさえ映る。今日は、そうした芸風をも発揮する方々を取り上げたい。
松平 健
ご存知8代将軍「徳川吉宗」を演じた「暴れん坊将軍」の主役という印象しかなく、昔から時代劇の主役を張る大スターは、重鎮というイメージで、軽率な行動は決してとらないと思っていた。しかし、彼が、殿様にコスプレし、キンキラキンの派手な衣裳と濃い目のメイクで「マツケンサンバ」を歌った時は、呆気にとられた。しかし、熱狂的な彼のファンは、失望するどころか、熱い声援を送った。バイタリティとショーマンシップは素晴らしい。彼自身がいやいやではなく、心底楽しんでいたのがなによりだ。従来の時代劇のスターのイメージを払拭したという意味で、ある意味貴重な存在だ。これに気をよくした彼は「マツケンサンバⅠⅡⅢ」だけでなく「マツケンマハラジャ」まで出した。勢いに乗っている。
セオリーを嫌い、形に嵌らない、自由奔放なB型でなければここまで割り切れない。場を盛り上げる適役だ。
深田恭子
清楚なイメージしかない女優の深田恭子(フカキョン)さん。おっとりしていて、純日本風な存在の彼女だが、一時期、あのヤッターマンに登場する悪役のドロンジョ様にコスプレしてユニットを組んで歌を歌ったことがある。意外?にも胸の谷間を惜しげもなく披露する巨乳ぶりを発揮し、ファンの度肝を抜いた。イメチェンを図ろうとしたのか?どうも違和感があった。今、動画サイトでその映像を振り返ると、相当な勇気と度胸が必要だったに違いない。
この勇姿!今では想像が付かないほど、彼女自身も芸能界での身の置き方に悩んでいたのかもしれない。
林家たい平
彼は「武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科」を卒業するほど大の図画好き。
親の反対を振り切って自分の道へ進んだようだ。そして彼は現在、母校の武蔵野美術大学客員教授の肩書きも持つ。こういう芸人はほかにも「サカナくん」もいるが、たい平さんは、落語家でありながら、大学教授であり、文科大臣新人賞を受賞したほど、切れ味鋭い噺家としての地位も確立した。しかも、人間性に優れ、人の良さは天下一品で、師匠思いのところは、24時間テレビでも立証済みだ。そして師匠を勇気付けようと、100kmマラソンにも挑んだのは周知のところだ。
私は初め、彼が笑点メンバーになったとき、わざとらしい芸風と「花火」ネタと「ふなっシー」ネタ、「おかま言葉」など、ワンパターンでつまらなすぎと感じていた。たまにルパンの真似など人のふんどしで相撲をとるなど落語家らしさがなく、ウザくてのっぴきならないうさんくさい奴だと思った。しかし、デジタル放送のデータで毎回「大喜利」が始まるや否や、視聴者がボタンを押す彼の座布団の枚数が異様に伸びている。しかもそれは毎週同じ様子だ。これは身内か埼玉県民が、かつてのオールスターのヤクルト社員のように、こぞって組織票を入れているのかとさえ勘ぐれる状況が見られる。しかも怪しいのは、まだ本人が挨拶もしていないうちから、ダントツの票数を集めているからだ。どうみても不自然だ。
私はあの芸風は未だに好かないが、お年寄りには絶大な人気があるようだ。彼はB型で、特異の才能があって、それをカリスマ的に過大評価するご年配の方々がいるようだ。どうやら芸というよりも、人間性のよさで票を伸ばしている。
一方で、これも訝しげなのが、新入り?の三平だ。彼は毎回0票。データ放送が故障しているのかと思えるほどで、少し票が入っても、すぐまたカウントが減り、いつの間にか0票に。親の七光りであの席にいることを視聴者は許せないのか?個人的には、たい平よりも三平のほうが断然面白い答えを述べているように思えるのだが・・・。
沢尻エリカ・今井絵理子・上原多香子・松居一代
かつてはガングロのイケイケギャルの風貌だった彼女。もともと気持ちにムラがあって、マスコミへの生意気対応で干された時期を経て、しばらく振りにテレビに戻ってきたら、作りなのか素なのか、すっかり人が変ったようになった。純和風のイメージで、落ち着いた物腰でしゃべるようになった。人格まで変わったようだ。やっぱりこれも一種の才能だろう。
同じ意味では、こうした「魔性の女」っぽい印象を受けるのが、元SPEEDのメンバーの2人。今井絵理子議員と上原多香子。
今井は、すべての責任を相手の男、橋本神戸市議に擦り付けて自分は責任逃れっぽい印象。一方、上原は不倫などが原因で、前夫TENNさんを自殺に追い込んだ張本人なのに、その舌の根も乾かぬうちに、別の男性との子を身ごもり、それが原因で結婚へという本末転倒の流れ。中学時にデビューし、チヤホヤされ、社会常識や素養が身に付かないままに、スターダムに伸し上ったためか、なりふり構わぬ言動や行動が目につく。
私は議員、医師、警官、教員など「先生」と呼ばれるような公職にある者は、他の手本となるような行動をしなければならない。不倫して公職に留まろうとするほうがおかしい。国民の信頼を裏切ったのだから、潔く議員辞職をすべきだ。
これらのゴシップは、ファンだった方には耳痛い話題だろうが、人の道として外れているし、良識を疑わざるを得ない。これではTENNさんは浮かばれない気がする。
松居一代は離婚問題で雲隠れ。ファンのおばあさん宅を転々とし、動画サイトを使って自己主張を繰り返し、世の中の男性を気味悪がらせた。男への復讐心の恐ろしいことを思い知らされた印象。何かに取り付かれたように夫の秘密をすべて暴露し、「女は怖い」と誰もが感じた。執拗な怨念まで感じたのは私だけではないだろう。
今回の記事は、「二面性」というわけではなく、やはり多芸な方が芸能人には多いということだ。やはり強烈な個性と才能が交錯する世界、それが芸能界であり、長く生き残る秘訣なのかもしれない。
記事作成:8月17日(木)