バブル景気に湧いた1980年代。今では古き佳き時代だった。好景気に見舞われて、誰もが夢うつつで過ごした日々だったと思うが、私はその10年間、中学・高校・浪人・大学を過ごした。人生の過渡期を迎え、悩み多かった時代でもあったが、毎日が新鮮で元気があった。そんな夢のような時代にあって、80年代と言って思いつくものについて列挙したい。
洋楽・・・TOTO、カルチャークラブ、マイケルジャクソン、ワム、USA for Africa、
JOURNEY、ボンジョヴィ、バン・ヘレン、シンディーローパー、ビリージョエル、
ライオネルリッチー、スティービーワンダー、ダイアナロス、ホイットニーヒュースト
ンなど多くのアーティストがこの時代を闊歩した。
平忠彦・・・日本が誇るGPライダー。真っ赤なスーツに身を包み、平モデルのフルフェイ
スメットも流行した。峠にはライダースーツを纏った走り屋たちがハングオンでギ
ンギンにコーナーを攻めていた。また、当時、レプリカと思えるオンロードバイク
が市場に溢れた。RZ、VT、γ、GPZ、YZR、VFなどだ。空前のバイクブームだ
った。その時代、ケニーロバーツ、フレディスペンサー、エディローソン、マモラ、
ワインガードナーと、外国の強豪ライダーと互角に渡り合ったのが、福島県原町
市出身の平忠彦だった。私も富士スピードウェイのスーパースプリントを見に行
き、彼の走りを間近で見て、その速さに舌を巻いたものだった。
86レビン・・・カローラの特別仕様車として発売され、FRのローリング可能なその軽快さ
がウケて、幻の名車と呼ばれた。21世紀に入って復刻版が発売されるほど
の人気を誇った。
スポーツカー・・・ソアラ、シルビア、フェアレディZ、RX-7、ロードスター、セリカXX、スカ
イラインGT-R、プレリュード、180SX、MR-2、NSXなど当時の若者は、
カッコいい車に乗りたくて仕事に励んだものだ。今の「車離れの現状を憂い
ている。
競馬ブーム・・・1980年代に流行したものに、競馬がある。その10年前にハイセイコー
ブームがあったが、この頃から競馬場デートがトレンディーになった。その
火付け役となったのが若き天才ジョッキーの武豊の登場と、最強サラブレ
ッドの出現とそのライバルたちとの名勝負だった。若い女の子の黄色い歓
声がスタジアムにこだまするようになった。柳葉敏郎と賀来千賀子のCMも
良かった。
この頃に人気をさらったのは、ミスターシービー、シンボリルドルフなど
がいた。私が大好きだった皇帝ルドルフは、5冠馬で他を寄せ付けない強
さでカツラギエースに次いで、ジャパンカップも制した。
F1GPブーム・・・フジテレビが真夜中に中継を行った自動車レースの最高峰。それを支
えた名レーサーがネルソンピケ、アランプロスト、ナイジェルマンセル、そ
して「音速の貴公子」と呼ばれたアイルトン・セナだった。日本でも中島悟
が日本人初のF1レーサーとなり、話題性もあってブームを巻き起こした。
ホンダが参戦し、名門ウィリアムスとマクラーレンにエンジンを提供し、最
強を誇った。
そしてF1中継のテーマソングだった「T-Squre」の「The Truth」だった。ノ
リノリの攻撃的なメロディーでドライブ中は聞かないほうがいい危険な曲と
なった。
オールナイトフジ・・・フジテレビで土曜日の夜中に放送していたこの番組で空前の「女子
大生ブーム」を巻き起こした。おバカな印象もあったが、お色気たっぷり
の各コーナーで大人気を博した。「おかわりシスターズ」「オールナイター
ズ」で素人ながらレコード(当時はCDではなかった)デビューし、コンサー
トも行った。終了時間が未定で、毎週バカ騒ぎだった。
アイドルブーム・・・1980年代を物語るのに、真っ先に出るのが「アイドルブーム」だ。
次から次と新しいアイドルがデビューしては消えていった。私は当ブログ
でアイドルの記事をかなり書いているので、詳細は避けたいが、A級ア
イドルとして生き残れるのは僅かで、多数はベストテンに入れないB級
アイドルが多かった。なぜか血液型B型とO型のアイドルが多かった。
B型・・・南野陽子、酒井法子、松本典子、芳本美代子、河合その子
吹田明日香、伊藤美紀、菊池桃子、本田理沙、掘ちえみ、
伊藤さやか、
O型・・・岡本舞子、原真佑美、島田奈美、西村知美、伊藤つかさ
夕やけニャンニャン(おニャン子クラブ)
オールナイトフジの特別企画で女子高生版を放送して、ここから火がつい
た。平日の夕方5時から1時間、フジテレビで放送した。部活動の延長的
なコンセプトで、アイドルを探せ!という公開オーディションで、素人の高
校生がスターになっていった。新田恵利、河合その子、吉沢秋絵、福永
恵規、高井麻巳子、岩井由紀子、渡辺美奈代、渡辺満里奈、工藤静香ら
がソロデビューを果たし、うしろゆびさされ組、ニャンギラス、うしろ髪ひか
れ隊などのユニットもCDデビューした。
今のAKBグループの礎とも言える。
ファミリーコンピューター
私は一度もやったことがない。マリオブラザーズシリーズが空前の大ヒット
一家に一台はあったと思う。様々なアクションゲームやロールプレイなど
カセットを入れ替えるだけで多くのゲームを楽しめた。卓上式の任天堂DS
やスーパーファミコン、プレステなど続々登場した。
動物キャラクター・・・音楽を聴く猿、ウーパールーパー、エリマキトカゲ、なめ猫
ツッパリブーム・・・学校崩壊とか家庭内暴力などが流行った。街角には短ランや長ラ
ン、そりを入れたリーゼント、ぺちゃんこカバン、スケバン風の長いスカー
トにくるくるパーマなどのツッパリブームが沸き起こった。そして「横浜銀
蠅」が登場し、「つっぱりHighschool Rock'n Roll」などがヒットした。
聖子ちゃんカット・・・80年代アイドルブームの頂点に君臨した松田聖子。彼女は「ぶりっ
子」キャラで一世を風靡したが、彼女の髪型を真似する中高生が溢れ
た。ショートレイヤーで内側巻きのカットで、「聖子ちゃんカット」と呼ば
れ、若い女性は一度はやったことがあると思う。
映画・・・ゴーストバスターズ、E・T、ブッシュマン、エレファントマン、13日の金曜日,、霊
幻道士などが流行した。
漫才ブーム・・・過去、何度か漫才ブームが湧き上がっているが、この時代は第二次漫
才ブームと呼ばれる。「オレたちひょうきん族」に代表されるように、若手の漫
才ユニットが続々登場した。
「やすきよ」「のりおよしお」「B&B」「ツービート」「紳助竜助」「コントレオナ
ルド」「コント赤信号」「星セントルイス」「ザ・ぼんち」などが毎日のように出
演し、お茶の間に笑いを提供した。
これ以外にも、プールバー、ランバダ、おしん、巨大迷路、笑っていいとも、竹の子族などがこの時代の代表だろう。JRの民営化、PC発売、テレカブーム、土地の高騰、ノーパン喫茶、マハラジャ、ジュリアナ東京(お立ち台)、愛人バンク、キャプテン翼、スケボーブームなどがこの時代を彩った。
今から30年以上も前の出来事になったが、当時、学生だった私は、豊かな時代で飽食だった。様々な文化に触れ、感化されたことが多々あった。北海道に憧れ、バイクに乗っていたし、多くの趣味に首を突っ込んだ。いずれも物にはならなかったが、今の自分があるのは、浮き沈みがあったが、このような古き佳き時代を経験したからだと思う。
記事作成:5月14日(日)