「歌は世につれ人につれ」という名言を残し、この世を去った名司会者として一時代を築いた玉置宏さん。確かに名曲というのは、時代や世代を超えて歌い継がれる。今は亡き往年の歌手や今も現役で頑張っておられるスターたち。時を遡れば遡るほど、昔の歌はスケールが大きかったと懐かしくなる。特に昭和の時代は、戦後の復興にどれだけ歌が貢献したことかしれない。今日は、時代を超えて、スケール感が大きかった楽曲をセレクトしたい。
海 その愛 by 加山雄三
昭和の頃、映画「若大将」シリーズで一世を風靡した。名優・上原謙を父に持ち、慶應義塾大出身のお坊ちゃまながら、息の長い俳優人生、歌手人生を送っている。
作詞は岩谷時子、作曲は弾厚作(加山自身のペンネーム)である。加山は岩谷に対して「スケールの大きな曲にしたい」と依頼したという。加山の代表曲のひとつにも数えられるが、1976年発売の同名のアルバムに収録されたのみで、シングルとしては発売されていない。なお、アルバムはオリコンチャートで週間5位、1976年の年間30位にランクインするヒットとなった。
昴 by 谷村新司
昭和50年代に沸き起こった空前のニューミュージックブーム。シンガーソングライター達が彗星のごとく次々と登場し、ヒットチャートを埋め尽くした。その頂点に君臨したのが3人組のバンド「アリス」で、そのリーダーであり、ソロ活動でも数々のヒット曲を世に送ったのが谷村新司だった。ダンディズムを追求し、やや中国寄りの思想のもと、難しい漢字や古くさく、堅苦しい表現をあえて詩に用いた。「陽はまた昇る」「群青」などの曲をヒットさせた。
「我は行く」「さんざめく」「砕け散る」「名もなき星たち」
私は彼のコンサートを大学時代に見に行った。トークは面白いが、歌詞や局長が運命的すぎて難かった。
愛の賛歌 by 越路吹雪
、フランスのシャンソン歌手、エディット・ピアフ(Édith Piaf)の歌。原題は "Hymne à l'amour"(イムヌ・ア・ラムール)。作詞:エディット・ピアフ、作曲:マルグリット・モノー。シャンソンを代表する曲として世界中で親しまれている。
日本では岩谷時子の訳詞により越路吹雪が歌ったものが特に有名である。越路版の「愛の讃歌」が収録されているCD等の売上はトータルで200万枚以上に達し、越路の代表曲の一つとなり、生涯の持ち歌にもなった。
今では美輪明宏も持ち歌としている。
マイ・ウェイ
マイ・ウェイ」(英語:My Way)は、フランク・シナトラのポピュラー・ソング。作詞はポール・ アンカ、作曲はクロード・フランソワ、ジャック・ルヴォー(英語版)。原曲は1967年の フランス語の歌「Comme d'habitude」。
テーマは、主人公の男性が、自分の死が近付く中、自分の人生で起こったすべての苦難に対して行ったことについて、後悔せず自信を持っている、と語る内容である。
日本では尾崎紀世彦や布施明、美空ひばりなど歌唱力抜群の大歌手が代々歌い継いできた印象が強い。
川の流れのように by 美空ひばり
1989年1月11日に発売された、美空ひばりの生前最後に発表されたシングル作品である。「自分の歌から遠い若い世代の 人たちにメッセージを残したい」というひばりの意向により製作されため、作詞には当時、 作詞家・放送作家として若者から人気を得ていた秋元康が起用された。
Everything by MISIA
2000年10月25日に発売されたMISIAの7枚目のシングル。運命の人と出会えた奇跡に焦点を当てたスケールの大きな楽曲。フジテレビ系ドラマ『やまとなでしこ』主題歌となり大ヒット。シングルでは自身初のオリコンシングルチャート1位を獲得。その後3週連続1位を獲得した後、返り咲きで通算4週1位を獲得した。出荷ベースでは200万枚を超えた。シングルでは自身唯一のミリオンセラーとなっている。
サライ by 谷村新司・加山雄三
今ではすっかり夏の風物詩となった「24時間テレビ」のラストソングとして有名になった。「旅立ち」をテーマにしているが、個人的には「家出ソング」に思えてしまう。若い時分の「都会への憧れ」や「夢の追求」に趣を置いている激励ソング。
1992年の第15回記念として、加山雄三(筆名である弾厚作名義)がギターで作曲し、 全国の視聴者から寄せられた愛のメッセージを基に谷村新司が代表作詞として とりまとめ、24時間以内にそれを一本の歌として制作しようという試みから誕生した。
他にも坂本九の「見上げてごらん夜の星を」や和田アキ子の「あの鐘を鳴らすのはあなた」、山口百恵の「いい日旅立ち」もスケール感は半端ない。やはり谷村新司が一枚絡んでいる。
さて、冒頭で名曲は、時代や世代を超えて歌い継がれると力説した意味が理解していただけたでしょうか?今は亡き歌手も含まれているが、名曲は歌唱力に優れた本物の歌い手でないと残らないように思う。心に響く、琴線に触れるとういうのは人生の荒波を乗り越え、人生経験を積んだものでなければ味が出ない。そういう意味では今日取り上げた方々はベテラン揃いの文句のつけようがない、押しも押されもしない本物の大スターだと思う。今では、懐メロになってしまったが、今後もこのようなスケール感の大きな楽曲がたくさん世に出てくれることを切に願って結びとしたい。
記事作成:8月19日(水)