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Channel: 時遊人SUZUのひとり言
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男女の意識差

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 「東京には空がない」という名文句は、高村光太郎の妻、智恵子の言葉である。福島県油井村で生まれ育った智恵子は、毎日「阿多多羅山」(安達太良山)を望む、風光明媚な大自然の中で過ごした。故郷、福島の澄んだ空気とどこまでも広い空こそが「本当の空」だと言って憚らなかった。
 その智恵子は、終生の夫・光太郎と結婚後、実父の死や実家の造り酒屋の破産で故郷を失ったことにより、智恵子は精神状態が不安定に陥り、52歳という若さで粟粒性肺結核によってこの世を去った。その夫婦生活や闘病生活は、高村光太郎が自ら書にまとめ、「智恵子抄」として発刊することにより、その壮絶な生き様が世に知られることとなった。

 その書にしたためられた詩歌によれば、夫・光太郎が妻・智恵子に寄り添い、ちょっとした心の変化や何気ない仕草、病状のひとつひとつを細かく描写していたことに気づく。男は愛する女性をいつまでも守り抜こうとするし、いとおしい存在として考えているケースが多い。まるで命の炎が燃え尽きるのを意図し、名残を惜しむかのように。そこまで妻を唯一無二の最愛の存在として大事にしていた状況が作品から見て取れるのだ。

 一方、女性から見れば、もちろんお互いが尊敬しあい、年齢を重ねても夫婦円満で仲睦まじく温かい家庭を築いている方も多くいるが、一般的に妻は、夫に対しては、愛情が薄く、それよりも不満や愛憎のほうが強い傾向が見られる。妻の悪口を表でする夫は少ないが、井戸端会議などで、夫の悪口を平気で人前で言いふらすし、不満をぶち上げる妻がなんと多いことか。テレビの「なんでも鑑定団」などでも、夫の骨董好きや収集癖をこき下ろす妻は圧倒的に多い。そんな価値があるかわからないものを居間に飾って欲しくないとか、単なる浪費としか思えないのだろう。そして、実際に、高価な茶碗や掛け軸すらもガラクタ程度にしか思っていない女性が圧倒的に多い。
 この男女の意識の違いについて、実に興味深く、女性の本性を垣間見えるような末恐ろしいデータがあるので引用したい。

 長年連れ添った中高年の夫婦に次のような同じ質問をした。

 「生まれ変わっても、今のパートナーを人生の伴侶に選びますか?」

 すると男性は、77%程度が今の奥さんと一緒になりたいと思っているのに対し、女性は33%しか、同じ男性を夫に選ばないという回答結果だった。

 まったくもってシビア。その差は40%以上。この差は一体何なのか?夫は今の妻と添い遂げたいと願うが、女性はそう思っていない。冷めた見方である。こうした意識の差、いやあえて愛情の差と呼ぶが、どこから生じるのだろうか。女性のほうが心変わりしやすく、かつまた浮気性が多いということなのか?

 それは女性目線では、食事の世話をしている(つまり食わしてやっている)のは私という自負があり、夫は、自分が料理や家事をこなしている時間に、茶の間でテレビを見て寛いでたり、自分だけの趣味に興じたりしていることが多く、その不公平感や不満が増殖されている印象を強く持つ。もちろん、育児に関しても、妻任せにしている夫が未だに多く、妻の立場からすれば、子供は自分のものという意識が強く持つようになる。 これが今の旦那を毛嫌いする一因になっている。

 もし、離婚に至る場合、親権は母親が持つと強固に主張する筈だ。自分の老後は、手塩に掛けた自分の血を分けた子供に見て欲しいし、末期も水も息子や娘にとって欲しいと願う。そう考えれば、夫婦は所詮、家族であっても血のつながりのない他人であって、血縁関係にある子供のほうがいとおしく思う気持ちは強くなるのだ。

 男性の立場で言えば、恋愛中は優しく、マメにプレゼントをあげたり、愛情表現も達者に行っていた男性であっても、いざ、結婚し、同居するようになると、意外な一面(本性?)があらわになる。女性は夫の性癖も含め、行動を目の当たりにすると、加齢と共に幻滅することが多くなるはずだ。

 「こんなはずでは・・・」という残念感や自己嫌悪らしき失望の感情、後悔の念すら抱くようになる。

 男性は、心のどこかで、母親のような姿や存在を、女性に求めている節がある。母親のように優しく包み込んでくれる雰囲気を欲するのだ。

 一般的に女性というのは、結婚や出産後に、気持ちが大きく変わると言われている。自分小腹を痛め、産んだわが子をいとおしく思うのは当然だが、まるで我が分身のように、強い味方を得たことで、気持ちが強くなる。夫よりも子供を強く愛するのだ。

 こんなことなら違う人と結婚すればよかったとか、あの時の決断真間違っていたと後悔することが多い。つまり、女性は昔なら結婚後、家庭に入り、専業主婦となることが多かった。社交性が育たない環境下に置かれることが多かった。世間とは隔離された生活の中で、独自の価値観や判断しか持てなくなった。結局は、女性のほうが受動的で、自らの力で運命や社会的地位を切り開いていくといった発想が少なかったのだ。物事を共感的にとらえ、社会から逸脱することを嫌い、調和や強調しながら生活することを基本路線としている概念の女性が多い。外に出て、厳しい社会の荒波や、7人の敵と戦っている男性の日常を想像できないに違いない。

 愛情と金が切れた時点で、女性は男に見切りをつけ、大きな決断を下すことも多い。子は鎹といい、それを理由に思いとどまることも多いが、高橋ジョージと三船美香、布川敏和と土屋かおりのケースのように、女性側から離婚を切り出すことのほうが多くある。男性はその時点になって、妻がそこまで思いつめていたのかと驚くことが多い。でもときすでに遅しだ。あとは離婚交渉で泥沼化するのが見えている。女性は一度決断すると、行動は早いし、考えを改めることも少ない。てこでも動かない。元の鞘に戻ることなど想定できないだろう。最近は、子供がいても、嫌となって不満が爆発したら、離婚へまっしぐらだ。話し合おうとか、やり直すことを前提に話し合いの席に着くいう気持ちは毛頭ないだろう。

 そう考えると、女性のほうが心変わりも変り身も早いし、決断も早いということだ。

 男性が女性と付き合う際には、本当に墓場まで添い遂げる人に値する人か、女性が夫にする男性を見極める際には、単にルックスがいいからとか金持ちだからという理由では長続きしない。愛なき結婚ほど辛いものはない。そこまでよくよく考えてからでないとならないものらしい。

 勢いの「できちゃった婚」で結婚したカップルほど離婚率が高いという統計もある。一時期トレンディとして「シングルマザー」をヅテータス化した風潮もあったが、子供の立場や気持ち、行く末を考えれば、夫婦円満で過ごしたほうがいいに決まっている。やはり、次代を担う子供の気持ちを最優先した身の振り方を大人自身が考えていかなければならないと思う。

 記事作成:3月26日(木)


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