かなり以前に、「ディアゴスティーニ」の商法について当ブログで取り上げたことがある。最近は、従前に輪を掛けて製作模型が凄みを増している。その商法を模倣した別雑誌も便乗登場するケースもあとを絶たない。なぜ流行るのか?創刊号を激安にして、手頃な値段設定で発売し、一度でも購入すれば、その模型を完成するまでは、毎回購入し続けなければならないからだ。途中で購入を忘れたり、買いそびれると、せっかくの大作模型が未完成で終わってしまう。
これらは、1970年代頃に流行ったプラモデル愛好家から大絶賛されている。年のころで言えば、50代~70代の方々だ。ボケ防止や手先の衰えにももってこい。屋内でできる趣味がひとつ増える。ひとたび作品が完成すれば、この上ない喜びだし、苦労が報われるし、自らの組み立て、ひとつの作品として完成するため達成感も味わえる。また、部屋のインテリアとして飾ることで、毎回眺めることもできるし、何より出来栄えがよければ訪問客にも自慢できる。それを話題に話に花を咲かせることもできる。
さらに嬉しいのは、孫が喜ぶことだ。男子なら誰もが一度は憧れた鉄道、戦車、飛行機、自動車、バイク、お城などの工作模型。孫とのコミュニケーション向上にも一役買う。孫に尊敬されることうけあいだ。
では、これまでどんな「付録?模型」があったか振り返りたい。下のURLがあるものは、紹介動画を見ることができます。
「週間フェラーリを作る」
http://yaplog.jp/987dreams/archive/740
「零戦をつくる」
http://hobbycom.jp/workshop/special/13.html
「HMSヴィクトリを作る」(帆船模型)
「スズキ HAYABUSA GSX1300R」
「隔週刊 ハーレーダビッドソン・プレミアムコレクション」
「ランボルギーニ・カウンタック」
「隔週刊 自衛隊モデル・コレクション」
「マイ3Dプリンターを作る」
「ロボット(ロビ)を作る」
「蒸気機関車C57を作る」
「F14トムキャットを作る」 販売元:アシェット・コレクションズジャパン
http://www.f14tomcat.jp/home.html
「国産鉄道」
「日本の貨物列車」
http://www.kamotsu.jp/home.html
この手の作品は、往年の模型愛好家、つまりはオールドファンにはたまらないシリーズだろう。時間の無い方でも、毎週付いて来るパーツだけを組み立てていけば、相応の時間は要するものの着実に完成に近づける。しかも毎回少ない部品のため、雑に扱わないだろうから、仕上がりも一味違う筈だ。
マイナスポイントは、創刊号こそ「釣り値段」のため、ついつい買ってしまうと、途中でやめられなくなる。これまでの苦労が水の泡なので途中で、飽きたとしてもついつい買わざるを得なくなる。また多忙で一度でも購入しそこなえば、これまた未完成になり、悔いだけが残る。結果的には完成する頃は、ふつうにプラモデルを買うよりも高くつく。パーツごとだと何号まで購入すれば完成なのか先が見えない。毎週1,000円程度の出費だとそんなに負担にはならないという皮算用だ。しかし、敵もさるもので、毎回販売価格が異なることがある。精巧なパーツを付録に付ける時は、特に値が張る。最初は格安でも、徐々に値段を吊り上げていく。冷静に考えれば、悪徳商法に値するが、それでも完成が見えれば、読者は購入せざるを得ない。そのあたりも出版社(制作会社)は、模型愛好家の心理まで計算しているに違いない。
ところで、記憶を穿り返せば、昔からこの手の付録付きの雑誌はあるにはあった。学研の「学習」と「科学」などはまさにそうだった。しかし、最近は「雑誌(解説書)付きの模型」という意味合いが濃い。これは本末転倒で、ここまで来ると、書籍ではなく、玩具であり、どちらがメインだかわからなくなっているのが現状だ。
しかしこの手の雑誌は需要があるのは間違いない。書店では、過去の売れ残りなのか、バックナンバーが結構平台に並んでいたりする。販売時期を過ぎればすぐに撤去や返品はしないようだ。このあたりは通常の雑誌の販売形態とは一線を画している。
最近、活字離れで出版業界が危機に瀕している中で、こうした手法がひとり勝ちのように思える。最近は100万部を突破するようなベストセラーが少なくなっているだけに、関係者は一筋の光明を見た思いだろう。だから類似した模倣雑誌が自ずと増えるのだろう。
しかしながら、今はある意味ブームに乗っかって追い風が吹いているが、やがては飽きられる時が来る。要は企画勝負で、ファンが食いつくようなシリーズ物が毎回出せるか、編集者の腕の見せ所かもしれない。
最後に、私が考えた企画を列挙し、結びとしたい。
1.「自分だけの街を作ろう」 自分でジオラマを制作する。建築に興味のある人には人気が出る筈。毎回、商店や学校などのミニチュアの建物模型が付録で付く。
2.「86レビン製作」 かつてFRで人気があったかっとびマシン。峠でのローリングに嵌った人必見。
3.「CBX400F」を作る。 30年前にブームになった旧車なのに未だに高値で取引される。後輪が動けば完璧。
4.「ボーイング747」 いわゆる製造&運行中止したジャンボジェット。屋根が開いて内部(客室や操縦席)が見れる。
5.「姫路城を作る」 いわゆる日本のお城シリーズ。「熊本城」「大阪城」も続編として有。
6.「世界遺産を作る」 版権が難しいが、「ピラミッド」、「エッフェル塔」などを組み立てる。
7.「エンジンを組み立てる」 動力の仕組みを学べる優れもの。メカに強くなれる。
8.「アポロを組み立てろ!」 「サターンロケット」「アポロ月面着陸船」「司令船」など
9.「宇宙ステーションを作る」 ISSの模型を組み立てる。
10.「バッティングマシンで遊ぼう」 子供が大喜びの遊びを自宅で組み立てる。
11.「L特急はつかり」 先頭車両を作る 廃止された人気寝台特急 座席などリアルに
12.「リニアモーターカーを製作せよ」 リニアモーターカーの原理も同時に学べる。
13.「食品サンプルの作り方」 外国人に大人気の食品サンプル。リアルさに驚愕。これを携帯ストラップやキーホルダーに加工する。自分だけのオリジナルを作れる。
14.「陶芸入門」 自分だけの器を簡単に作る 焼いてくれるレンタル窯の紹介も。
15.「人体模型」 等身大の人体模型を組み立てる。医学志望の学生がヒトの体の内臓や脳の配置、血管や神経、筋肉などの構造を学べる。
中には版権が難しいものもあるが、ぜひ採用をして欲しい。
記事作成:1月27日(火)