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Channel: 時遊人SUZUのひとり言
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残念な話

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 今日はタイトルが示す通り、あまり明るい話題ではない。どちらかと言えばやや暗めな話になる。2015年が明けて、まだ3週間程度と言うのに、残念なニュースが数多く耳に入る。今に始まったことではない物も含まれているが、年明け早々語るような話題ではないが、ひとつお付き合いください。

 1.日本の国技がモンゴル相撲?

 大相撲初場所の番付を眺めてみると、中入り後の幕内力士42人のうち外国人力士が16人。そのうち11人はモンゴル出身。番付上位の小結以上の力士は10人のうち半数の5人が外国人。うち4人がモンゴル。横綱3人が全員モンゴル出身力士という異様さ。今や国技である大相撲の人気を支えているのは、誰あろうモンゴルを始めとした外国人力士たちだ。しかも日本人力士いたっては丸8年間、優勝力士が出ていない。実に情けない。よもや稽古不足ということはないだろうが、これは体力的なものなのか、あるいはハングリー精神の欠如なのか。千秋楽の表彰式で「君が代」が流れるのが違和感まで出てくる。いっそ優勝力士の国歌を流したほうが自然かも。オリンピックだって優勝者の国歌を流すのだから。

 私は学生の頃は大好きで毎場所欠かさず観ていた大相撲だが、ここ10年はほとんど観なくなった。それは上記に掲げた日本人力士のふがいなさにある。懸賞を含め、賜杯など大金を外国人力士が総取りしていく事実に嫌気がさしている。一時期韓国勢が強すぎるゴルフがそうだった。昔、外国人力士がまだ珍しかった時代、高見山が登場し、持ち前のそのユニークキャラで土俵を賑わしていた頃は別として、モンゴル勢が幅を利かせている昨今、相撲には魅力を感じなくなった。個性的な力士が少なくなった。舞の海、高見盛が引退後、日本人で人気がある力士はほとんどいない。かつては増位山の伝家の宝刀・内掛け、富士桜や巨砲の突っ張りや琴風のがぶり寄り、輪島の黄金の左上手投げ、千代の富士の前褌を取っての速攻寄り切りなど見所が多々あった。人気の逸ノ城ですら、あの巨漢にして立会いを変わる注文相撲ばかり。このところはずっと白鵬のひとり勝ちだ。大関は替わり番こに負け越し、すぐに怪我をして休場。角番を脱出するのがやっと。昔に比べたら、大関から陥落する力士も多くなった。その大多数が日本人力士だ。豪栄道も危ない。そして8勝程度でやっと勝ち越す大関や横綱の地位にありながら10~11勝程度しか残せないふがいない日馬富士と鶴竜にも問題はありあり。

 ところで、八百長相撲が発覚し、客席が空席だらけで「満員御礼」が出なくなり、相撲離れが著しくなった平成20年前後から比べれば、相撲人気は回復の兆しが見えると言える。しかし何か物足りない。やはりそれは国技である以上、強い日本人力士がいないことによる。白鵬が日本人だったらどんなに良かったかと何度思ったことか。

 ではここで横綱を例にして力士の給料について例証したい。

 月 給     約 280万円
 出張手当   約 120万円(東京を離れた本場所ごとに支払われる宿泊費や日当など)
 褒賞金     約  60万円
 幕内優勝   約1000万円
 懸賞金(1本) 約   3万円(白鵬クラスになれば6場所で2000万円以上にもなる)  

 横綱・白鵬の場合、CM出演料などを含めれば、年収は2億円を優に超える。それでも角界の頂点に君臨する大横綱であっても、プロ野球選手から比べればまだまだ少ないほうかもしれない。

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 しかしながら、頑張れば頑張っただけ大金が転がり込むのがプロのスポーツ界。日本人力士は、元から豊かな生活をしすぎているために、体を張って大金を稼ぐという気構えが足りないのではないか?外国人力士は文字通り生活をかけて異国の地まで来て、生計を立てている。この気持ちの差が大きい。
 これ以上大金を外国に持っていかれないためにも日本人力士の奮起を期待してやまない。

   2. 元アスリートたちの相次ぐ訃報

 第一線で活躍したアスリート達が、去年から今年にかけて相次いで亡くなった。しかも50歳台という若さで。1990年代に中日や阪神で主力として活躍し、一本足打法で多くのファンの心を掴んだ台湾出身の大豊泰昭さんが急性骨髄性白血病で闘病していたが、このたび帰らぬ人となった。また、その2日後には、山下泰弘さんと並び柔道界の重鎮で五輪で金メダルを二度獲得した斉藤仁さんもまた亡くなった。また、昨年には元Jリーガーで日本代表にもなった奥大介さんが交通事故死し、早すぎる死を悼んだばかりだった。

 どうしてこのような早すぎる死を迎えるのか不思議でならない。私は人生は「細く長く生きる」か「「太く短く生きる」かのどちらかだと考えている。アスリートは一時期であるにせよ、華々しい活躍で世間の脚光を浴びる。同時に過度の期待を背負い、プレッシャーが重く圧し掛かる。極限状態に追い込まれた緊張感の中、精神状態はマックスの状態に置かれる。このようなストレス状況が長く続けば続くほど、病気の発症が多くなるのではないだろうか。よくトップ選手の両親が早死にする例がある。子供を心配するあまり、体調を崩し、結果的に死期を早めるのではないか?吉田沙保里選手や福原愛の父親も最近になって急死した。
 現役時代は健康管理には人一倍気を遣い、専属のコーチによる食事制限やトレーニング法にも工夫を凝らしているアスリートである筈なのに、引退後に病気を発症して急死する方が何と多いことか。その方の功績が大きければ大きいほどその訃報は衝撃を伴う。まこと残念でならない。

 1月18日、20日に亡くなられたご両名の功績を紹介し、謹んでご冥福をお祈りしたい。

 大豊泰昭選手

現役生活14年 1324試合出場 1089安打 通算打率.266 277本塁打 722打点

本塁打王1回 打点王1回 ベストナイン1回

 斉藤 仁選手

 84年ロサンゼルス、88年ソウルの両五輪で95キロ超級連覇。当時、五輪連覇は柔道界では初めての快挙。
 83年世界選手権無差別級優勝、全日本選手権優勝1度。
 04年アテネ、08年北京の両五輪では日本男子監督を務めた。

TaihoSaito

 3.イスラム国による日本人人質殺害事件

 日本国民が固唾を呑んで見守った事件。民間邦人である湯川遥菜が昨年からシリアで行方不明になったが、彼を救出する目的で危険を承知で現地入りしたジャーナリスト後藤健二さんの2人が、「イスラム国」当局に身柄を拘束され、監禁されていたことが判明。安倍首相が今年に入り、欧米諸国と足並みを揃える形で「テロリストに屈しない」旨の発言を強固にし、テロと断固戦う姿勢を鮮明に打ち出した。そして被害者や避難民への人道的支援として2億ドルを資金提供することを表明。
 しかし、このことをイスラム国が曲解し、イスラム国を滅ぼすために「十字軍」に参加したと批判。安倍首相の決意表明はイスラム国の戦闘員の怒りを買ってしまった。
 そして最悪の事態に発展した。両者の身代金として同じ額を日本政府に要求してきた。しかし、「テロに屈しない」と明言した安倍首相の決意の固さを知り、要求が聞き入れないと見るや、無慈悲にも湯川さんを殺害。動画サイトに掲載した。人命を虫けらのように扱う非道さ。自分たちの主張が聞き入れられないと今度はヨルダン政府に、自爆テロ未遂で拘束されている女性死刑囚名の釈放を要求。後藤さん本人にも動画に登場させ、命乞いの文面を読ませるなど暴挙を繰り返す。
 
 このような要求をヨルダン政府が受け入れるはずが無い。自爆テロに失敗して身柄を拘束され、裁判で死刑が確定した身である。もし日本政府の懇願通りに、ヨルダン国民の世論を無視して釈放し、その女が自爆テロで再びヨルダンの首都アンマンを血の海に化したら、日本とヨルダンの関係は最悪になる。日本人を救うために骨を折ったら、逆にヨルダン人が犠牲になったと。怒りの矛先はイスラム国ではなく、日本に向けられるだろう。おそらくはイスラム国側はここまで計算ずくだ。だからヨルダン政府が死刑囚のテロリストを解放することは絶対にない。

 このイスラム国は、テロリストたちの集団であり、「イスラム」という名を語る殺戮集団でしかない。神聖な宗教の名を語る不届き者だ。敬虔なイスラム教徒への冒涜行為以外の何者でもない。

 今回、日本人が標的にされ、犠牲者が出たことで、テロリスト集団との対立がますます鮮明に深刻になるだろう。恐ろしいのは、2020年開催の「東京オリンピック」が更なるテロの標的になりかねないことだ。必ずやテロの予告を宣言する筈だ。今後の日本政府の出方や対応の仕方いかんでは、泥沼化する恐れも十分ある。

 殺害された邦人はジャーナリストとしての使命から、世界で起きている現状を伝えるため、敢えて「危険地帯」に入ったが、今後は命の保障がない以上、危険国には近づかないことが賢明だ。

 記事作成:1月20日(火)~


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