私は日本人を半世紀もやっているが、未だに日本語は奥が深すぎて理解できない語句だらけだし、難解にして意味もまともに理解しないまま誤用しているケースがある。今日は、これまでにブロガーとして2000を超える記事を記載して来た私が、恥ずべきことながら意味がよくわからない難しい言葉や表現を順不同で一挙紹介したい。
やみくもに・・・唐突に、先の見通しもなくむやみに事をすること。見切り発車
やおら・・・ ゆっくりと動作を起こすさま。おもむろに。「― 立ち上がる」2 静かに。そっと。
とこしえ・・・変わらずにいつまでも続く・こと(さま)。とこしなえ。 永久。
いにしえ・・・過ぎ去った古い時代。 過ぎ去った月日。昔。過去。
あまねく・・・もれなく すべてに及んでいるさま。広く。一般に。
そこはかとなく・・・理由や原因ははっきりと分からないが何となく。どこがどうという 理由はないけど、そんな雰囲気があるさま。
元も子もない・・・元金も利息もない。すべてを失って何もない。
味気ない・・・おもしろみや魅力が なくつまらない。あじきない。
怪我の功名・・・失敗したと思ったことが、意外にもよい結果 になること。
さんざめく・・・さざめく」の音変化。「ざんざめく」とも》 ひどく浮き浮きと騒ぎ立てる。にぎやかに騒ぐ。
あわよくば・・・運がよければ。よい機会が得られれば。うまくいけば。
あらまし・・・1 事柄のだいたいのところ。概略。「事件の―を話す」2 前もって先のことをあれこれ考えること。予想。予定。あらすじとは意味が違うので注意。
絵空事・・・大げさで現実にはあり得ないこと。誇張した表現。夢見心地とは違う。
うわの空・・・他の事に心が奪われて、そのこと に注意が向かないこと。また、そのさま。心が浮ついて落ち着かないさま。「うわ」とは上のこと。
杓子定規・・・《曲がっている杓子を定規 代わりにすること、正しくない定規ではかることの意から》すべてのことを一つの標準や 規則に当てはめて処置しようとする、融通のきかないやり方や態 直接かかわること。また、その さま。
さしずめ・・・行き詰まってしまうこと。また、その状態。どんづまり。 結局。つまるところ。 さしあたり。今のところ。度。また、そのさま。
あながち・・・必ずしも。一概に。
悠長に・・・動作や態度などが落ち着いていて気の長いこと。また、そのさま。「―に構える」「―な話」
三つ子の魂百まで・・・雀百まで踊り忘れずと同意。「幼時の性質は一生変わらないものだということ」と記されてい ます。
まばゆい・・・漢字では「目映い」とか「眩い」と表す。1 光が明るすぎ て、まともに見られない。まぶしい。「―・い朝の光」2 まともに見られないほどきらびやか で美しい。「―・いばかりの宮殿」3 恥ずかしい。てれくさい。
胸突き八丁・・・1 富士登山で頂上までの8丁(約872メートル )のけわしい道。転じて、急斜面の長い坂道。2 物事を成し遂げる過程で、いちばん 苦しい正念場。
矢継ぎ早に・・・・「間髪入れずに」とか「立て続けに」と同意。しかし矢継とは何か?矢を続けて射る技の早いことを指す。つまり弓で矢を射った後、二番矢を整えるまでに時間がかかるが、その間の動作が俊敏で、時間短縮していること。
<審議・協議・討議の違い>
審議:提出された案を会議などにかけてよく検討し、その可否を相談すること。
協議:話し合って物事を決めること。相談。
討議:意義素類語ある話題について考えを交換し合うこと 話し合い ・ ディスカッション
酸いも甘いも噛分ける・・・経験豊富で、甘い経験にも苦い経験にも精通しているさま。百戦錬磨や海千山千とも同義。
万事休す・・・《「宋史」荊南高氏世家から》もはや施す手段がなく、万策 尽きる。もはやおしまいで、何をしてもだめだという場合に使う。
<クーデターと戒厳令>
クーデター(仏: coup d'État)とは一般に暴力的な手段の行使によって引き起こされる 政変を言う。一方の戒厳令とは一般に非常時に際して通常の行政権,司法権の停止と軍による一国の全部または一部の支配の実現を意味する非常法をいう。
<共演と競演>
「共演」は一緒に出演「競演」は一緒には出ない(ことが多い)が、同じような役柄を演じること。 共演は「競って演じる」と言うよりは、実力・名声や人気など、演者としての「格」が同列である者同士が共演する際のアオリ文句としての活用がほとんどのように見受けられます。
同じような使い方で、競走と競争がある。
<衆知と周知>
「衆知」は、ほとんどの人が知っていること(衆知の事実)
「周知」は周りの人に知らせること(周知を徹底する)
しかし、語尾に事実をつけるとなると、「衆知の事実」 は、よほど限定された特殊な文脈を除く一般的な言い方としては間違いで、普通は 「周知の事実」 が正しい。
<ざわめきとときめき>
この2つは全く違う意味。ざわめきとは、騒がしく 聞こえる多くの物音や話し声。ときめきは、胸がときめくこと。
ぐうの音も出ない・・・ 徹底的にやりこめられて,一言も弁解・ 反論ができない。 「ぐう」とは、押さえつけられて苦しい時に発する声
まゆつばもの・・・だまされる心配のあるもの。真偽の確か でないもの。信用できないもの。漢字では「眉唾物」と書く。
ぞんざい・・・1 いいかげんに物事をするさま。投げやり 。粗略。「仕事を―にする」2 言動が乱暴で礼を失しているさま。不作法。「―な口のきき 方」「―に積荷を扱う」
<果てないと果てしない>
「し」は強め。これを【し】も 生きと【し】生けるもの 名に【し】負う 誰【し】も
つまり「果て(が)無い」を強めて「果て【し】無い」と言う。したがって、「『果てし』が無い」は間違い。嵐の「果てない空」は正しい表現で、「果てしない空」は一見正しく思えるが、語法的には良くない。
<制作と製作の違い>
制作:(芸術)作品を作ること 製作:物品を作ること
映画やテレビ番組は制作、液晶テレビやラジオ製品は製作となる。ややこしい。
詳しい解説は「1-Point」のブログをどうぞ→ http://rainbow-talt.jugem.jp/?eid=527
<必然と当然と必定>
必然と当然は基本的に意味も用法も同じ。この二つは言い換えが可能。ただし、厳密に言えば「必然」は、そうなる以外の結果があり得ない。つまり「1+1=2」のようなもので、 「当然」は、当たり前の事。間違いなくそうなるであろうという予想。
一方の必定とは、そうなると決まっていること。必ず そうなると判断されること。また、そのさま。「このままいくと、失敗は必定だ」というふうに使う。
<思い出と想い出>
基本的には同じですが、強いて違いをあげれば、ニュアンスや書き手の思い入れによる。 一般性と記憶という点を強調すれば「思い出」、情緒的な回想とか懐かしさをたっぷり込めて夢見るようなのは「想い出」。その人の癖や好みで変わりうる書き方です。旅の写真のアルバムなどで懐かしさを強調したければ「旅の想い出」としたりすると良いでしょう。
無くて七癖
人は誰でも個性がある。出生後、生活環境が異なる中で生活を送ってきたので、その土地や地域の風習やしきたり、あるいは言葉(訛り)も違う。自分では均衡がとれた普通の性格だと思っていても、他者から見れば、どこか風変わりな面や、自分でも気づかずにしている癖がある。「平均的な普通の人のように見えても、無いように見えて少しはその人特有の癖がある」ということのたとえとしてこの言葉が生まれた。実は7つというのは、あくまで概数であって、実際に誰もが七つの癖を持っているわけではない。人によっては増減はあるのは必然。
癖にもいろいろある。一番多いのは口癖だが、寝ているときのいびきや歯軋りは、自分にはわからないものだし、頭を掻く癖、脚を小刻みに動かす貧乏ゆすり、鏡を見る癖、所かまわずゴルフの素振りをしているとか、腕組みや脚を組む癖、頬杖をつく癖、嬉しいことがあると手を叩く癖、綺麗な人を見かけると見とれてしまう女癖、癖毛、難癖なる言葉まである。実に多彩だ。その人が回数多く行う仕草が癖となってしまう。怖いのは盗み癖とか夜間、無意識のうちに出歩く癖。認知症患者に見られる症状だ。
恋の鞘当て・・・ 《遊里で一人の遊女をめぐって二人の武士が 鞘当てをする歌舞伎の題材から》恋がたきどうしが争うこと。また、その争い。
<怖い表現>
腸わたが煮えくり返る・・・ 激しい怒りにどうにも 耐えられないこと.
人の生き血を吸う・・・ 他人の働いて得たものを情け容赦なく取りあげる。生き血を絞ると同意
生き馬の目を抜く・・・ すばやく物事をする。 油断のならないさま。
毒牙にかける・・・ 悪意を持って致命的な打撃を 加えること襲う ・ 仕留める ・ 蹂躙する ・ 殺す ・ 手に かける ・ 犠牲にする。まさに蛇が獲物を捕らえるような言い方。
冥土の土産・・・ よく時代劇で耳にする。人を殺す前に悪党が吐く台詞。冥土へ行く際に持参する土産。それを 手に入れて初めて安心して死ねるような事物をいう。
鬼の首をとったよう・・・ (大 したことでもないのに)大変な功名・手柄を立てたように思って喜ぶさまのたとえ。
命あっての物種・・・ 何事も命があってこそ初めて できるものだというたとえ。死んでしまっては何の意味もないの意。
草木も眠る丑三つ時・・・よく怪談話やお化け屋敷に出てきそうな言葉。今は24時間営業の店が増え、大都会などは不夜城のごとく賑やかだが、昔は丑三つ、つまり深夜の2時半頃には、誰もが寝静まってシ~ンとしていた。草や木も眠っているくらい静寂に包まれている様を表している。
傷口に塩を塗り込む・・・傷口に塩を塗るとは、悪いことの上に、さらに災難や悪いことが重なることのたとえ。 泣きっ面に蜂、弱り目に祟り目と同意。
<人が亡くなるの表現>
「他界する、鬼籍に入る、死去、逝去、崩御、死亡、永眠、昇天、遷化」
大部分は、その言葉の響きや文字、ニュアンスで意味が理解できるが、「鬼籍に入る」がやや難しい。何か人が鬼籍に入ると聞くと、何か生前に悪いことをして地獄に落ちるような意味ととらえがち。しかし、中国の慣用表現である「鬼籍に入る」とは、 閻魔帳に記載されるようになるという意味で、 即ち人が「死亡した」「亡くなった」という意味である。地獄に落ちるかどうかは閻魔様の裁きにかかっている。上の中で崩御は天皇が亡くなった時に用いられる。また、遷化とは高尚な僧侶が亡くなった場合に使われる表現。
<蛇足> 言葉も使いよう
初対面の人に言われて思わず引いてしまった「フレーズ」
「すみません、別に怪しいものではないです」→ 絶対怪しいだろ!逆効果で不信感をもたれる。
ほめられると、逆に何か仕事を頼まれると勘ぐること
「今日はまた一段と綺麗ですね」→ その後に続くフレーズに思わず構えてしまう。何か頼みごとをされるのが見栄見栄。
<思わず絶句したこと>
女性の機嫌をとろうと「5歳は若く見えますね」とおべっかをつかったところ、「本当は何歳に見える?」と逆に突っ込まれて、リアクションに戸惑った。見え透いたことを言うと怪しまれるし、万が一実年齢より多く口走ってしまうと怒りを買う。結局を女性に年齢に関する質問はNGということ。
<笑点流掛け言葉>
動物じゃないのに「猫舌」とはこれいかに・・・ 高くないのに「富士額」というが如し
晴れていても「霧雨高原」とはこれいかに・・・ 霧があっても「東名(透明)高速道路」と言うが如し
人間でも「虫の息」とはこれいかに・・・ 飼ってもいないのに「腹の虫が鳴る」と言うが如し
天国でもないのに「楽園」とはこれいかに・・・ゴミ捨て場なのに「夢の島」というが如し
人なのにカラスの足跡とはこれいかに・・・ 言われた女性が怒って「目くじらを立てる」というが如し
<どうしようもないダジャレ>
モノレールにも乗れ~る
さて、今回の記事は思いつきの部分が多い。順不同だし、ふと疑問に感じたことを羅列しただけのごちゃ混ぜ感が見え隠れする。どこかの新聞社のように誤報や誤字脱字は避けたいと思っていてもなかなか思うように行かないのが文章表現の世界。ブロガーの方がひとりでも私の拙い記事を読んでくれる以上は、表現に気をつけながら執筆を続けたいと思う。なお、本記事は、思いついた場合には、随時、追記をしていくことをここで告知しておきたいと思う。
記事作成:平成26年7月~9月13日