平成25年5月5日(日)に東京ドームにおいて、長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督と巨人の4番として活躍し、日本人初のワールドシリーズMVPに輝き、昨年現役を引退した松井秀喜に対し、安倍晋三首相自らがプレゼンターとして登場し、国民栄誉賞を授与するセレモニーが行われた。長嶋氏はあまりにも遅い授賞となったが、松井はイチローでも2度辞退している本賞を、どのような心境で受け入れたのかわからないが、まことそれに値する活躍と誰もが認めているのだろう。これまで福田内閣が創設し、芸能界やスポーツ界などで、国民に夢と希望を与える顕著な活躍や功績があった方々を表彰する名目でこの「国民栄誉賞」は誕生した。その後、その明確な受賞基準がないため、その存在価値や日和見的な受賞理由がたびたび取り沙汰されてきた。今回も長嶋茂雄「ミスタープロ野球」への受賞は完全に時機を誤ったとしか言い様がない。
血液型を30年以上研究している私としては、推薦者がB型の安倍晋三だったからだと深読みしている。B型は同じB型の才能を高く評価し、同型の功績しか認めたがらない傾向が強い。だから同じB型で彼の現役時代の華々しい経歴を知っている安倍氏だからこそ、今回の受賞に至ったと思っている。本来なら昭和52年に、王貞治氏が756号ホームランの世界新記録を樹立したことに端を発してこの賞が制定されたのだから、その後、長嶋氏が巨人軍の監督を退いた昭和55年にこの賞を彼に与えるべきった。
一方、松井秀喜は、名球会入りこそしているが、記録だけを見れば、まだまだ国民栄誉賞に値するような成績を残しているわけではない。よっぽど赤バットを操り「打撃の神様」とまで呼ばれ、監督としてもV9という大金字塔を成し得た川上哲治氏のほうが受賞資格は十分であるように思える。川上氏はA型なので、B型の安倍晋三首相はその価値を認めないのかもしれない。
前置きが長くなったが、本日は、過去に当ブログで二度この話題に触れ、その選考理由が明確でないことを指摘してきたが、過去23人が受賞しているこの栄えある褒賞に関して、今回で三度目となる「国民栄誉賞」絡みの記事を掲載したい。では早速テーマに設定したように、個人的に私が「国民栄誉賞に値する人物」を列挙していきたい。
<プロ野球界>
2012年までは王貞治と鉄人として連続試合出場の世界記録を樹立した衣笠祥雄しか受賞していなかった。
川上哲治・・・・血液型A 「打撃の神様」「赤バット」「監督としてV9達成の大金字塔」
金田正一・・・血液型B 「400勝投手」
野茂英雄・・・血液型B メジャーリーグへの道筋を作ったパイオニア。「トルネード旋風」を巻き起こし、日米通算200勝利以上を成し遂げた功績。
イチロー・・・血液型B 過去二度この賞を打診され、辞退したが、遅かれ早かれ引退時には受賞しないと国民が納得しない。
その他 王貞治を越える三冠王三度の落合博満(O型)、「安打製造機」の異名を取り、前人未到の3,000本安打記録張本勲(O型)、同じ連続試合出場記録でも連続イニング・連続試合フルイニング出場数の世界記録保持者となった金本知憲(O型)も、手首に死球を受け、骨折してもなお試合に出続けた不屈の精神の持ち主で、その頑張りは受賞の資格は十分ある。なお、世界の盗塁王、元阪急の福本豊(B型)は打診されたものの、固辞した経緯がある。
<その他のスポーツ界>
相撲界の千代の富士と大鵬、女子ワールドカップ優勝の「なでしこJAPAN」、女子レスリングオリンピック3連覇の吉田沙保里しか受賞していない。
三浦知良・・・血液型A Jリーグの普及や人気獲得に多大な貢献を果たした功績。
東洋の魔女・・・大松監督率いる日本女子チームが1964年の東京五輪で宿敵ソ連を破り、金メダルを獲得した功績。
日の丸飛行隊・・・1972年の札幌五輪で70m級ジャンプで表彰台を独占し、日本中に希望と感動を与えた功績。(笠谷・今野・青地)
長野五輪ジャンプ男子団体・・・札幌五輪の再来としてリレハンメルでの失速を挽回し、見事地元での金メダル奪取した功績は顕著。(斎藤・岡部・原田・船木)
野村忠宏・・・血液型B 天才柔道家として君臨。3季連続金メダル獲得という前人未到の大記録を樹立した。柔道界ではロサンゼルス五輪金メダルの山下泰裕しか受賞していない。
北島康介・・・血液型B アテネと北京で100mと200m平泳ぎで金メダルを獲得し、2連覇を達成した功績。
具志堅用高・・・血液型A 今でこそモノマネされたり、おバカ芸能人としての地位だが、かつては天才的なボクサーだった。沖縄出身のため「カンムリワシ」というニックネームがついた。ファイタータイプで、アフロヘアがトレードマークだった。ジュニアフライ級のチャンピオンとして13度の防衛に成功した偉大な世界チャンプである。
他にもオリンピックで金メダルを獲得した野口みづき、鈴木大地、岩崎恭子、船木和喜、清水宏保、谷亮子などもその資格はあると思うのだが。そしてボクシングでは、伝説のチャンプと言われた大場政夫も可能性はある。戦後の暗い世相の日本に、夢と希望を与えたプロレスの力道山やジャイアント馬場では何が不足というのだろうか。
<芸能界>
女優にして歌手の美空ひばり(O型)、俳優の長谷川一夫、森繁久彌(B型)、森光子(B型)、大作曲家の古賀政男と遠藤実、服部良一、吉田正、更には歌手の藤山一郎とこの世界は受賞者が多い。でもなぜかB型の受賞者が目に付く。日本人の2割しかいないのに芸能界にはうってつけのこの型だからである。では私が受賞に値する方々を取り上げたい。
吉永小百合・・・血液型O 「サユリスト」という人がいるくらい熱狂的なファンが多く、日本映画の黎明期からその屋台骨を支えた功績。
高倉健・・・血液型B 数多くの名作に主演し、日本映画ひとすじに取り組んだ功績。「寅さんシリーズ」の渥美清がもらっているのに、高倉健がもらっていないのは不釣り合いだ。
石原裕次郎・・・血液型A 日活のホープとして君臨。シリーズものの映画に数多く出演した。美空ひばりと人気を二分した昭和を代表する大スターで、その功績は顕著。テレビの刑事ドラマのボス役でも国民的な人気を得た。受賞資格は十分すぎるほどである。
俳優や歌手では、これ以外に1970年代後半に一大旋風を巻き起こしたピンクレディーや国民的アイドルとして頂点を極め、引退した山口百恵(A型)、あるいはサザンオールスターズとして長年、若者をしびれさせるようなご機嫌サウンドを生み出した桑田佳祐(A型)も受賞資格は十分あると考える。また、私はAKBこそ「国民栄誉賞」を受賞しても何ら不思議ではないと考える。老若男女を問わず、国民の誰もが認知し、何人にも渡ってミリオンセラーを連発。レコード大賞を連続受賞しているし、何より、被災者支援を大規模に展開しているアイドルグループである。彼ら以外では、CM出演料が最高額であり、日本ロック界の大御所にしてカリスマの「矢沢永吉」(B型)もまた役不足ということは断じてない。その選定基準がまちまちだから不公平感を生むのであろう。
<漫画家・作家>
漫画家で受賞者は「サザエさん」の長谷川町子のみ。そして作家はひとりもこの賞をもらっていないという驚愕の事実。
手塚治虫・・・「漫画の神様」として漫画の黎明期を支え、数多くの漫画家の手本として君臨した。
藤子不二雄・・・「ドラえもん」は日本国内だけでなく、全世界で翻訳され愛読されている。
松本清張・・・「点と線」を始め、「ゼロの焦点」、「砂の器」など多くの作品を世に発表し、映画化やドラマ化されている。
漫画家や作家では、他にも「仮面ライダー」「サイボーグ009」を書いた石ノ森章太郎氏や天才バカボン、ニャロメなどのギャグマンガを確立した赤塚不二夫氏も可能性としては十分ある。
<映画監督>
「世界の黒澤」と呼ばれた黒澤明監督(B型)のみの受賞。
円谷英二・・・1960年代から70年代にかけて、特撮という分野を確立し、ゴジラシリーズやウルトラマンシリーズを発表し、子供たちに夢と希望を与えた功績は大きい。
小津安二郎・・・「晩春」「麦秋」 「東京物語」など戦前戦後の映画界に多くの功績を残した。
市川崑・・・「ビルマの竪琴」「野火」「東京オリンピック」「細雪」「おはん」、「犬神家の一族」など娯楽映画から実験的映画、更にはテレビ時代劇ドラマまでを幅広く手がけ、昭和の日本映画黄金期から21世紀初頭まで、第一線で映画制作に取り組んだ功績。
山田洋次・・・「男はつらいよ」シリーズで数多くの名作を残した。
他にも鈴木清順監督や深作欣二監督、溝口健二監督、今村昌平監督、成瀬巳喜男監督、ジブリ映画の草分けの宮崎駿監督、カンヌ映画祭で何度もノミネートされ、実際に受賞もしている北野武監督らが候補となろう。
さて、本日の記事は、5月5日(日)に長嶋茂雄と松井秀喜がW受賞した「国民栄誉賞」に絡めてお送りした。この賞は誠に名誉ながら、その選考基準はまちまちで、その時節の政府の判断一つに委ねられている。だから、功績があってから20年後だったり、肝心の本人の没後に贈られたりする矛盾点が生じやすい。できれば、一定の基準を設け、誰もが納得するような形で授与されるのが筋だし、モノの道理であろう。政府関係筋には、是が非でも公正な判断と、死後ではなく、生前のうちに授与することをお願いしたいものである。
関連ブログ
「国民栄誉賞の妙」 http://tsuri-ten.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-9239.html
「国民栄誉賞の光と影」http://tsuri-ten.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-b598.html
記事作成:5月5日(日)