私は生粋の福島県民だ。郡山市に生を受け、震災の時も震災後もずっと暮らしている。政府と東電が発表するところの福島第一原子力発電所の水蒸気爆発以降、何かと福島県が全世界からの注目を浴び、同情や哀れみの対象となり、不心得者の誹謗中傷や風評被害に耐え抜いてきた。未だに原発に至近の住民は、仮設住宅暮らしを強いられ、帰還できないままである。仕事を追われ、住む場所を追われた人々の苦しみは計り知れない。雀の涙程度の賠償金で事態の収拾を図ろうとする東電の誠意のない対応には飽き飽きするし、政府もまた後手後手で、東京五輪欲しさに何の根拠もない安全を首相自らが全世界に発信した。その後、汚染水問題が「アンコントロール」状態にあることをひた隠し、臭い物に蓋とばかりの迷走ぶりだ。未だに収束など全くありえない散々たるありさまである。しかも11月12日(火)には、福島県の子供たちの甲状腺がんが急増している旨の報告があった。子供の命まで蔑ろに扱う国家基準。汚染水の基準値すらすでに感覚が麻痺している。最大の被害者である福島県民は、今後何を信じ、何を頼りにしてこの先生活していけばいいのか路頭に迷うばかりである。
そこで今回は、これ以上事実を歪曲させないように、悪の巣窟である「東京電力」を揶揄するような創作映像を発掘したのでそれをご覧いただき、この日本人の記憶から風化させないようにしてほしいと切に願う。
プロジェクトX風
フクシマの嘘
野田元首相の無責任・無根拠の「収束宣言」の一部始終(2011/12/6)
http://www.youtube.com/watch?v=herG8D2l5pE (ダイジェスト版)
この総理発言に対し、福島県知事の佐藤雄平氏は不快感を露わにした。
http://www.youtube.com/watch?v=DV-OYbfPoiQ
今、この時、福島原発は溢れる汚染水問題でタンクの設置場所が無くなり、しかも杜撰な管理体制により、再三再四に渡り、人為的ミスによるトラブルが後を絶たない。これは、原発の「げ」の字もしないような無知にして仕組みも構造も知らない日雇い労働者に作業に当たらせている東電の危機管理の甘さが露呈した結果である。震災前から、様々なトラブルを相次ぐ偽装工作によってひた隠しにしてきた東電。もはや立て直しなど利かない悪徳企業以外の何者でもない。これほど福島県民をおちょくった怠慢な対応は、不信感を煽り、明日の希望をも打ち消す暗黒会社である。絶対に許せない。首相在位時、原発推進派だった小泉元首相がこの事故を契機に、ひとたび事故が起こればこのような重い十字架を背負わされるということを悟り、引退後これほどロビー活動をしたことはない。おそらくは被害者に対する懺悔の思いで、あのような講演活動を展開しているのだろう。今の政府にこのような後悔と新たなエネルギーを模索する姿勢はあるのだろうか。いつまでも危険と隣り合わせの原発神話を信仰しているようでは、この国に未来などない。
今、震災から2年8ヶ月が経過した時だからこそ、原発依存の風潮を一掃してもらいたい。福島からの提言として真摯に向き合い、厳粛に受け止め、最善策を一刻も早く実行してもらいと切に願う。
記事作成:11月13日(水)