以前(2010年9月)にも同名の記事を書いたが、昨季の巨人は、ナベツネ発言をきっかけに大型補強に乗り出した。初のFA3人獲得やトレード実行で「最強布陣」と言われ、V逸は許されない状況にあった。しかし、オープン戦は最下位に沈み、4月終了時点では14勝13敗と貯金僅か1のリーグ3位とお寒い状況。開幕ダッシュこそ成功したが、広島にはからっきしダメ。1勝5敗という惨敗状態だ。
それには理由があって、FAや移籍で期待された「外人部隊」がこぞってダメ。というより、出場すら果たせていない。3軍で調整していたり、一度も一軍登録されていない選手までいる。では論より証拠。どんな具合か検証したい。
打者
昨季の成績 今季の状況
陽岱鋼(日ハム) 打率.293 14本塁打 61打点 一軍登録無し
投手
登板数 勝 敗 H/S 防御率 登板数 勝 敗 H/S 防御率
吉川光(日ハム) 27 7 6 3 4.19 2 0 0 0 6.14
森福(ソフトバンク) 50 2 1 16 2.00 7 0 2 3 5.40
山口俊(DeNA) 19 11 5 0 2.86 故障のため登板機会なし
いずれも巨人に移籍後は、昨季とは雲泥の差。山口はさておき、防御率5点台を越えているようでは、信頼度はゼロ。どうしてこうなるのか・・・。年齢的にはまだまだ現役バリバリにやれる世代だ。陽30歳、吉川29歳、森福30歳、山口29歳とベテランと呼ぶにはまだ早い。なのに、ひとりとして満足できる成果を得られていない。巨人に来ると、なぜこうなるのか?私なりに分析してみた。
1 伝統チームで注目され、敵チームからはエース級をぶつけられるなど包囲網がある
2 移籍後は対戦投手や打者の癖を掴むのに時間がかかる
3 慣れない環境で練習やトレーニング方法も違う
4 結果を出さないと焦ったり、はりきりすぎてオーバーワークで怪我や故障しやすい
5 層が厚く、人材豊富でレギュラー獲れるか不安や精神的なプレッシャーが大きい
世の中には科学では証明できない不思議な事象が時として起こり得るが、この巨人に纏わる移籍の実態は、まさにそれだ。歴史と伝統のある巨人はそれだけ周囲の注目が高くて、選手には極度のプレッシャーが圧し掛かる。
また、外国人助っ人もそうだが、茶髪や髭がダメなど制約が厳しく、個性が殺されてしまう。のびのび野球が出来ない環境に、実力を出せず終いに陥る傾向は他球団より強い。
ここで主旨とは違う話をするが、巨人の連携プレーはお粗末で、二塁ランナーをヒットで簡単に生還させてしまう。外野からの好返球で、ホーム上のクロスプレーで刺したのを見た験しがない。いつもセーフ。タッチも下手くそ。
また、投手の場合、守備がダメなので不用意な失点が多くなり、戦意喪失。マイコラスなど小林のキャッチングやお粗末な守備にイライラしている様子が見て取れる。広島の菊池、中日の荒木のような守備の達人がいないし、阪神の糸井のような強肩で走者を刺せるような期待感もない。
また、昨季はエースの菅野が投げると味方打線は毎回注目。エースを見殺しにする。防御率1点台にもかかわらず、9勝止まり。寡黙な菅野は打線を批判したりしないが、これではやる気が失せる。
小林捕手はイケメンかもしれないが、WBCに選ばれ、大会ではラッキーボーイになったのは事実だが、実力はからっきしダメ。打率も2割を割り込むし、バントは下手くそ。勘違いしているだけ。頭を丸めた気概は買うが、真の実力が伴っていない。
それに今の巨人の打線では繋がらないし、怖さもない。
では最後に、私が2月時点で3チーム作れると豪語した中で、一番の脅威オーダーと4月30日の敗戦時のオーダーを比較してその差を比較してほしい。
私の熱望オーダー 4月30日のオーダー
1 陽 8 1 立岡
2 片岡 4 2 橋本到
3 ギャレット 7 3 坂本
4 マギー 5 4 阿部
5 阿部 2 5 マギー
6 坂本 6 6 石川
7 村田 3 7 中井
8 亀井 9 8 小林
9 投手 1 9 投手
4月30日のスタメンを見てもまったく怖さが無い。橋本、中井、石川って巨人の主力ではない。二軍の選手という印象しかない。役者不足で、相手投手は舐めてかかるだろう。層が厚い巨人のベストオーダーがこの面々では迫力を感じないし、小粒という概念しかもたれない。高橋監督は、今年優勝を逃せば更迭は逃れられない。桑田か松井が監督就任するのか、あるいは原監督が復帰するのか・・・。いずれにしても広島の独走を許さないためには、根本的にメンバーを見直す必要がある。
果たして救世主は現れるのだろうか?オーダーを固定できないようではお先真っ暗だ。
記事作成:5月2日(火)