天皇陛下がご健在の中で、このような話題に触れるのは不謹慎かと思うが、天皇陛下が今年、生前退位のご意向があるということをご自身の口から発せられたことを受け、私なりに思うところがあり、このようなタイトルで記事を書くに至った次第である。
私自身は昭和生まれのため、昭和64年1月7日に昭和天皇の崩御に際し、元号改定の節目に立ち会うこととなった。重篤であるとの宮内庁の発表を受け、有識者たちが秘密裏に会合を持ち、元号の候補を絞っていたと記憶している。天皇陛下のご容態の悪化に伴い、報道規制が敷かれ、放送を取りやめたCMがあっとほどだ。それほど国民の象徴である天皇の病状はナイーブでデリケートな問題であった。
天皇陛下崩御の報
この昭和から平成へ元号が改まった経緯には、実は最終候補が三点に絞られたというのをご存知だろうか。平成、修文、正化であった。他にも「文思」「天章」「光昭」などの案があったとされているが、昭和天皇崩御当日、政府が「元号に関する懇談会」と衆参両院正副議長に「平成」「修文」「正化」を提示。ローマ辞表でSが頭文字になる「修文」「正化」が候補から脱落、全員一致で「平成」に決定したという。つまり、明治はM、大正はT、昭和はSという表記になるが、修文も正化もSで被ってしまうため、Hで表せる「平成」が最終的に残り、あの小渕官房長官(当時)の発表に至ったのだった。
今回、天皇陛下が生前退位を表明されたが、これが実現するためには多くのハードルがあるという。まず、皇室典範を改正しなければならない。歴代の天皇にはこのような前例はなく、すぐに天皇陛下のご意向が反映されるというわけにはいかない。
それにもかかわらず、すでに平成の次の年号の候補として有力になっているものがあるという。驚くなかれ、それは「安久」だそうだ。何か江戸時代の「安政」を彷彿させるような古めかしい年号だが、これならアルファベット1文字表記は「A」で、被ることはない。そして、第二候補は「安始」(読み方は「やすし」)なのだそうだ。もちろんアルファベットでは「Y」で表記する。
もし安久になれば、即座に「安久」で始まる大学が開校ることになろう。これまでも明治・大正・昭和・平成という年号は、いずれもそれを冠した大学があった。たとえば・・・
<明治>
明治大学・明治薬科大学・明治学院大学・明治国際医療大学
<大正>
大正大学
<昭和>
昭和大学・昭和女子大学・昭和音楽大学・昭和薬科大学
<平成>
平成女学院大学・平成音楽大学・平成国際大学
次に、私が考えた新元号を列挙したい。もし当たれば、恐ろしい想像力だと思う。
「K」= 喜楽 恒徳 光久
「Y」= 悠久
「E]= 英進 栄仁 英光 永光
最初は違和感が大きいと思う元号改定だが、昭和から平成になった時も、古い印象を受け、イマイチしっくり来なかったが、今となってはもう慣れている。私は昭和39年生まれで、昭和の時代を25年過ごしたが、いつの間にか平成の世のほうが長くなってしまった。
今では平成に馴染んでいる。年号とは慣れるまで時間がかかるが、いずれそれが適度に合う不思議な存在だ。世界標準の西暦でも構わないが、日本独自の歴史表記である和年号も味があって良い。
さて、生前退位の陛下のご意向を尊重し、皇太子さまに天皇の座を委譲されるのか、政治家や有識者の判断が待たれる。そして国民が納得して年号改定は実現可能なのか、政府のお手並み拝見だ。
参考動画
明治 大正 昭和の元号制定案
記事作成:11月8日(水)