美空ひばりの名曲「川の流れのように」の冒頭で「知らず知らず歩いてきた細く長いこの道、振り返れば遥か遠く故郷が見える」という節がある。人生は紆余曲折の連続で、決して平坦ではないことを実感させる。私の生き様も「細く長く生きる」絶好の例えとなっている歌だ。人生を振り返るにはまだ早いが、人の寿命は神のみぞ知ることで、自分の意思に反して幼くして亡くなる命もあれば、100歳を超えて天命を全うする大往生もある。
私もいつ潰えるか知れない命の中で、我が半生を振り返るときに、その時々刻々を表現するのに打ってつけで、その歌を耳にするとその時代が甦る曲がある。「歌は世に連れ人に連れ」と語った名司会者がかつていたが、そんな私にとって半生を言い表すに相応しい節目となった曲を紹介したい。
小学生・・・ビューティフルサンデー、印度の女王、恋のダイヤル6700
「ビューティフルサンデー」は、私の小学校時代に「秋の交通安全運動」とタイアップで毎年開催していた「鼓笛隊パレード」の曲だ。昭和50年代初期に大ヒットした「ダニエル・ブーン」のこの曲が演奏された。私はトランペットを演奏したが、自宅の目の前を通る際に、両親が大声で私の名前を連呼し、恥ずかしい思いをした記憶がある。そして一本松にあった「資生堂」がテレビ中継のメインカメラの設置地点で、なんと私だけがどアップで映し出され、翌日学校で友達に冷やかされた。
小学校6年生で、急に思い立って特設合奏部に入り、メロフォン(ホルンに似たほら貝タイプの金管楽器)を吹くことになった。音符も読めない私が、初めての楽器に苦戦しながら夏休みも懸命に練習し、秋のコンクールでは「金賞」受賞するに至った。その時の曲目が「カール・キング」作曲の「印度の女王」だった。顧問のA先生(男性)の指導も上手だったし、他校生との練習会にも参加し、様々な体験が出来た。
https://www.youtube.com/watch?v=KCPY5VscATA
中学生・・・微笑がえし、チャンピオン、いきがい、主人公、TOKIO(沢田研二)
「微笑がえし」は中1で解散した3人組アイドル「キャンディーズ」のラストソングだった。その頃、私はさほどファンではなかったが、私の友人が大ファンで、感化されたことも無きにしも非ずだが、彼女たちの楽曲はテンポがよく、覚え易いメロディーと歌詞だったため、口ずさむことも多かった。卒業ソングとなった「微笑みがえし」は、それまで彼女たちが歌い継いできた曲のタイトルを歌詞に盛り込んだ内容のものだった。「普通の女の子に戻りたい」という解散理由のフレーズは流行語になった。
中1の頃、「ザ・ベストテン」が高視聴率を得るほどの人気番組となり、そこでトップチャートにランクインしたのが「ニューミュージック」だった。「シンガーソングライター」という自分で作詞作曲し、歌まで歌うシンガーが多く輩出。また、フォークやロックのバンドも数多く登場した。「ゴダイゴ」「オフコース」「甲斐バンド」「世良公則&ツイスト」「クリスタルキンング」、個人でも松山千春、さだまさし、中島みゆき、八神純子、渡辺真知子、久保田早紀、長渕剛などが登場し、ランキングを独占した。そんな中、私が大好きだったのが「アリス」(谷村新司・堀内孝雄・矢沢透)だった。彼らの影響を受け、私もアコースティックギターを弾き始め、片っ端から曲をコピー演奏した。中3の頃には、同じクラスで今をときめくクリエイティブディレクターの箭内道彦と一緒に演奏したこともあった。今となっては懐かしい青春の想い出だ。チャンピオンは、「サイモン&ガーファンクル」の「ボクサー」の盗作っぽかったが、あの独特のリズムと歌詞に魅了された。アポロキャップを目深にかぶり、チンペイの真似をしたが、私の声質はこもり声だったので、堀内タイプだった。
「生きがい」は松山千春のスローバラードの名曲で、故郷と自分の人生を振り返る歌詞が美しく、大好きな曲だった。中3の頃、音楽の授業で、クラスメートの前でこの曲を披露し、拍手喝采を浴びた。
「主人公」はさだまさしの名曲。歌詞が大好きだった。卒業の際に、この歌詞を友人たちのサイン帳にギターの絵と共に書いた記憶がある。私の友人は、その時のインパクトが強かったらしく、将来は私がフォーク歌手になると思っていたらしい。
高校生・・・さよならロンリーラブ、素直になれなくて、ハイティーンブギ、夏の扉
高校時代は世の中はアイドルブームで、次々と新人アイドルがブラウン管を闊歩していた。男性アイドルは、たのきんトリオ、女子は松田聖子、河合奈保子、柏原芳恵、小泉今日子、中森明菜などだ。そんな中、私は洋楽バンドの「Air Supply」に凝りまくった。「渚の誓い」や「さよならロンリーラブ」が大のお気に入りだった。他にもシカゴの「素直になれなくて」が大好物だったし、ポールモーリア、リチャードクレイダーマンに凝った時期もあった。
また、私の顔が当時のマッチにそっくりだったことから、街を歩いていて声をかけられたり、写真に撮られたりして大変だった。
「素直になれなくて」 https://www.youtube.com/watch?v=5Oaf10Ulz40
「夏の扉」は1981年に大ヒットした聖子ちゃんの夏らしい曲で、あのフリフリのミニスカートが抜群に可愛かった・・・。
大学生
SOMEDAY、19のままさ、AMERICA、もうひとつの土曜日、We Are the World、Last Christmas、恋の町札幌
大学生の頃に凝ったのはやはり洋楽と浜田省吾だった。TOKYO POPS BEST10、洋楽ベスト10などのFM-TOKYOの番組を好んで聴いていた。
そして大学時代に一番好きになったのが浜田省吾で、バイクツーリングの際には、必ず走行中に口ずさんでいたし、人生の水先案内役になってくれた。
恋の町札幌は、私が北海道に電車を乗り継ぎ16時間かけて帰った時に、札幌駅近くでワークマンから偶然この曲が流れ、旅情を掻き立てられ、大好きにだった。
「恋の町札幌」 https://www.youtube.com/watch?v=p29la0eWlzU
20代以降は曲名とリンクのみとさせていただきます。
社会人(20代)・・・ラブストーリーは突然に、君がいるだけで、ラストシーン、涙のキッス、
風のLonely Way、私の夏、Summer Candles、愛しき日々、Truth
「ラストシーン」 https://www.youtube.com/watch?v=2lPj5ehsyw8
「Summer Candles」 https://www.youtube.com/watch?v=1aBUlebhoTQ
「愛しき日々」 https://www.youtube.com/watch?v=aXCWdyiDtKk
社会人(30代)・・・ I Love You、クリスマスイブ、I feel Coke
「I feel Coke」 https://www.youtube.com/watch?v=8KBxHfPc-oI
社会人(40代)・・・Heal the World、川の流れのように
「川の流れのように」 https://www.youtube.com/watch?v=t8IbuwxEnqE
社会人(現在)・・・「群青」、「虹をかけよう」、「息吹」
「虹をかけよう」 https://www.youtube.com/watch?v=phJt9_ymv5Y
「息吹」
記事作成:平成28年4月~